黒部湖湖底堆積物採泥調査
2000年7月10日

 関西電力に全面的な協力をいただき,日本海の海底堆積物との比較を目的に黒部湖で湖底堆積物の採集を行った.関西電力のモーターボートで黒部湖最上流部へまず向かい,そこで最初の採泥.多量の礫を含む花崗岩質の粗粒砂が採取される.


 採泥地点付近の湖には周囲から多くの沢が流れ込んでいる.

 続いてやや下流となる2番目の採泥地点へ.ここでは植物遺骸をかなり含む細〜中粒砂が採集される.

 2番目の地点では湖の幅がやや広くなる.また,ここから最初の地点を振り返るといかにも谷の末端という周辺地形がよくわかる.

 さらに北上して3番目の地点へ.ここでも植物遺骸に富む細粒砂が回収された.砂の粒径が明らかに細かくなっている.

 ここまでくると湖はかなりの広さになる.岸に近付くと花崗岩の露頭があった.

 4番目の地点での湖底堆積物.植物遺骸の量が増すとともに砂の粒径がさらに細かくなる.極細粒砂といえるものだ.

 遠くに黒部ダムが見えてくる.

 ねっとりとした湖底堆積物.泥もかなり含まれているようだ.そして5番目の地点へ移動した.

 ここではまったくの泥といってもいい堆積物が回収された.植物遺骸も細かすぎて目立たない.

 いい天気だ.周囲の急峻な山地地形が一望に見わたせる.

 そして最後となる6番目の採泥地点へ到着.測深の結果は60m以上とでた.測距範囲を超えている.

 採泥器を投入しロープを約100m繰り出したところで着底の気配があった.しかし,引き上げようとすると湖底の何かにひっかかってどうにもならない.関西電力の方の話ではこのあたりには水没した樹木が林立しているはずだという.採泥器を何度も引き上げようと試みたがびくともしない.仕方なく採泥器を捨てる覚悟でモーターボートを走らせてもらったところようやくロープがゆるんでくれた.そして採泥器を無事に引き上げることができたが何も回収できずに終わった.採泥器に結んだロープには無惨な傷が残されていた.花崗岩の露頭へちょっと立ち寄って船着場へ戻った.

  • Camera: Pentax LX and MZ-5
  • Lense: SMC Pentax-FA Zoom 28-80mm f.3.5-5.6 and SMC Pentax-M 50mm f.1.7
  • Film: Fujicolour Super 100 and Superia 400
  • Scanner: Epson FS-1200WINS