APSARA Ta Nei II講義他渡航(TS-Tanei 2)

2001年3月7日〜21日(その1:3月7日〜3月9日)


3月7日(水):金沢→関西空港

 午後3時に自宅を出てJR金沢駅へ向かう.午後4時発の特急「サンダーバード」に乗車し,京都でいったん下車して井上勝弘さんと夕食をともにしたあと関空特急「はるか」でJRりんくうタウン駅へ.ワシントンホテルにチェックイン.スーツケースの中を改めてから就寝した.


3月8日(木):関西空港→バンコク→プノンペン

 午前7時半に起床.部屋で朝食を済ませてからホテルをチェックアウトし,ホテルの送迎バスで関西空港へと向かった.学生たちの卒業旅行シーズンにしては空港内に人影はまばらだった.待たされることもなくJL623便への搭乗手続きを済ませスーツケースをあずける.それからパスポート審査をすませ免税店にちょっと立ち寄ってから出発ロビーで搭乗を待った.

 午前10時50分に機内へと案内される.しかし座席は右翼の真上だった.外が見えそうにはない.午前11時20分に飛行機はバンコクへ向けて離陸する.翼のうしろに大阪湾が見えたもののすぐに雲に覆われてしまった.


 飛行機は西へ向かって飛び続ける.しかし,厚い雲と翼とが眼下にあって地表はまったく見えない.しかたなく機内食とワイン,そして読書で時間を過ごす.バンコクに到着したのは現地時間の午後3時45分だった.

 プノンペン行きTG698便の出発時刻まで1時間もない.乗り換えカウンターへ急ぎそこで搭乗券をもらう.ぎりぎりにしては運良く左側の窓際の席がとれた.そのまま急いで出発ロビーにはいったら,機内への案内がちょうど始まったところだった.そして飛行機は予定より30分ほど遅れた午後5時ころになって離陸した.下にバンコク郊外の町並みが見える.しかし,しばらく飛んだあたりで地表は雲に覆われてしまった.

 東北タイの上空にさしかかったあたりで雲が切れた.地表のようすはもやでかすんではいたが,その中にも褶曲地形らしいものが見えた.

 カンボジア上空に入りプノンペンに近づいて飛行機が高度を下げたところで地表のようすがよくわかるようになった.乾季の赤茶けた大地が広がっている.ところどころに見える緑もほこりに覆われているせいかくすんで見える.

 午後5時45分にプノンペンのポチェトン国際空港に到着した.パスポート審査をすませ関西空港であずけたスーツケースを受け取り,税関をとおって飛行場の外に出た.迎えにきていたダイヤモンドホテルのタクシーに乗って市内に向かう.到着直前のスコールのため道路は水浸しだった.市内に入ると道路のあちこちに洪水といってもいいほどの大きな水たまりができている.乾季だというのに珍しい光景だ.タクシーは水しぶきをあげ,あるいは水たまりをよけながらホテルに到着した.

 ダイヤモンドホテルの405号室にチェックインし,DGMRのソタムと明日の予定について電話での打ち合わせをすませておく.それから上智大学の高橋宏明さんと近くの台湾料理屋で夕食,そして四つ角の屋台で深夜までビール.ホテルに戻ってベッドに入ったときには午前1時半になっていた.


3月9日(金):プノンペン

 午前7時に起床.ホテルのカフェでの朝食のあと,タクシーのソク・ホンにプノンペン滞在中の予定を伝え,後日プノンペン入りする学生たちの案内を頼んでおく.気のいい彼のことだ.右も左もわからない学生たちの面倒をみてくれることだろう.そうしているうちにソタムがホテルにやってきた.この5月に予定しているトンレサップ湖調査の日程や参加者,そして作業内容について細かいところを決めておく.彼の話では3月に入ってからプノンペンは連日のようにスコールに見舞われているということだ.しかも雨季のスコールのような雷をともなう雨らしい.5月の調査ではトンレサップ湖の水位が最低であることが調査成功の第一条件になるため,メコン河の水位に気をつけておくよう彼に頼んでおく.

 午前中のうちにまずインターナショナルバーバショップに散髪に行った.それから中央市場で帽子やTシャツなどを買いそろえてホテルに戻る.昼食はフロントマンのソピアップにメコン河川辺のレストラン「ホリディ」でクメール料理をごちそうになった.レストランからの帰り道は彼のバイクを運転させてもらう.アメリカンタイプのバイクの運転は簡単だが,道路の右側を走ることになかなか慣れない.対向してくるモトとの衝突をなんとかかわしながらホテルに戻った.

 ホテルで一休みしたあと,ソピアップのバイクを借りてプノンペン市内を巡った.まず環境省へ行ってみたが残念ながらボンヘアは会議で不在だった.彼にメッセージを残して王宮前のトンレサップ川を見に行く.水位はかなり下がっていた.ほぼ最低水位といってもいいだろう.


 トンレサップ川とメコン河との間にある砂州の先端も大部分が離水している.水位の下がった川岸では行水をする人々の姿もあった.

 対岸は護岸工事の真っ最中だった.何台もの重機が砂埃をあげて走り回っている.目新しい看板がいくつか立てられていた.


 トンレサップ川からの帰りにプノンペン芸術大学へちょっと立ち寄った.地質学のクム・ソリットさんに会って5月に頼まれている講義の対象学生や内容について確認しておいた.彼が希望するのは「考古学部の2年生を対象にした地質学全般の講義」だという.2年生対象というのはよいとして,「地質学全般」とは難しい内容だ.日にちは5月9日と決まった.

 午後5時にホテルへ戻った.ソピアップにバイクの鍵を返し,近くのバイヨンスーパーマーケットでビールなどを買い込んでから部屋でNHKニュースを見てすごす.


 午後7時に階下へ降りる.フロントのソワンと話し込んでいるうちに高橋さんが戻ってきた.近くの中華料理店で夕食をとり,それから再び屋台でビール.この夜は控えめにして午後11時半にホテルにもどったものの,それから読み始めた本がおもしろくて就寝したときに時計は午前2時を回っていた.

  • Camera: Pentax MZ-3 and MZ-5
  • Lense: SMC Pentax-FA Zoom 28-80mm f.3.5-5.6
  • Film: Fujicolour Reala Ace
  • Scanner: Epson FS-1200WINS