金沢市地域の高窪層・大桑層凝灰岩巡検

2004年4月3日(土)


 京都から檀原さんを迎えて高窪層と大桑層に挟在する凝灰岩類を見にでかけた.釣部付近の農道沿いに露出する高窪層の釣部凝灰岩をまず訪れる.4月初旬とあって積雪はもうなかった.


 道路沿いの切り割りに釣部凝灰岩が露出する.

 上位のTT1凝灰岩と下位のTT0凝灰岩が確認される.

 TT1の基底部にはやや粗粒な部分がある.

 道路をはさんでこの切り割りの反対側となる水田沿いにも高窪層の露頭があった.

 ここでもTT1凝灰岩が見つかるが,その上位にあるはずのTT2とTT3は見つからない.

 農道沿いには高窪層を代表する灰色の砂質泥岩がずっと露出する.

 続いて上涌波付近の林道へ入った.

 林道沿いに大桑層下部に挟在するOL2a凝灰岩がすぐに見つかった.春先のせいか植生がすべてなくなってその全層準がよく見える.


 
 そのすぐ下位には下涌波凝灰岩が位置する.

 さらに下位となる大桑層基底部の砂質泥岩にはOB1〜4凝灰岩も見つかる.

 帰りぎわにOL2a凝灰岩基底部の粗粒部分を採集していく.

 
 農道をずっと奥まで入って大桑層中部のOM3凝灰岩の露頭に到着した.

 灰色の露頭面に凝灰岩が白い帯となってよく見える.7年前に吉岡が削り込んだ足場が風化しながらもまだ残っていた.

 凝灰岩基底部の粗粒部分を採集する.

 そして下涌波付近の農道へ入る.ここにはOL3凝灰岩がある.

 OM3凝灰岩が露頭面に白い帯となって見えていた.

 この凝灰岩には生痕が発達する.

 下涌波付近の削り取られたばかりの道路の切り割りには上涌波凝灰岩の基底部がきれいに露出していた.しかし沢の反対側とあって近づくことができない.

 今回の巡検がフィ−ルドデビューとなる日産セレナ.ADバンほどには小回りがきかないが大きいだけに便利だ.

 釣部付近の水田沿いに上涌波凝灰岩を見に入った.

 ここでの層厚は6メートルほどだろうか.基底部が沢沿で確認される.素掘りのトンネルの天井部分には最上位となる硬い泥質凝灰岩がある.

 ここで雨が降り始めた.

 昼食後に上辰巳の犀川河原へ行った.

 犀川の水量はいつになく多くて対岸へ渡れそうにない.研究室のアトラクションコースも手がかりまで水没していた.

 遠くの崖沿いにカモシカの親子がいた.陰地が母カモシカの写真を撮りにいく.

 最後に大桑層模式地のある犀川河床へ行った.ここもかなりの水量だった.

 まず大桑貝殻橋上流側の犀川層の露出地へ.ここで田中がカニの化石を発見した.

 続いて大桑貝殻橋の下流へ向かう.陰地が発見したOS1凝灰岩を見る.

 続いて陰地のOS2凝灰岩.HasegawaのO1凝灰岩に相当する.

 
 犀川は転落したらかなり流されそうな勢いだ.

 陰地のOS3凝灰岩.HasegawaのO2凝灰岩だ.

 そして最上位となる陰地のOS4凝灰岩.HasegawaのO3凝灰岩に相当する.

 犀川は河床いっぱりに広がっていた.

 その流れを見下ろしながらサクラが満開の野球場へあがる.

 おしまいに大桑貝殻橋から上・下流側を見て巡検が終わった.
 
 
 

  • Camera: Fuji BigJob DS270-HD and Fuji WorkRecord 28
  • Lens: Super EBC Fujinon 6.2mm f.2.8 and Fujinon 28mm f.3.5
  • Film: Fuji V 400
  • Scanner: Canon Canoscan FS4000US