2008年11〜12月カンボジアICC会議・ERDAC調査等渡航

2008年11月29日〜12月10日(抜粋)


2008年11月29日(土):コンケーン→アランヤプラテート→ポイペト→シェムリアプ

 東北タイのコンケーンからレンタカーで国境の町アランヤプラテートへ約4時間.国境近くでちょっとした渋滞に巻き込まれる.


 レンタカーをあきらめて国境の手前にあったビザ取得代行業をたずねる.手数料1000バーツでカンボジア入国ビザをすぐにとってきてくれた.ビザの有効期限はなぜか3ヶ月.その代行業者の案内で渋滞を尻目に出国手続きの建物へ歩く.

 タイから脱出?する外国人観光客で長蛇の列だった.ビザ発給の建物前にも観光客のならぶ姿がみえる.ここでその代行業者と交渉.○○料300バーツでこの列から抜け出してすぐに出国手続カウンターへ.ここではならぶこともなく手続きはすぐに終わった.

 国境にかかる小さな橋を歩いてカンボジアの町ポイペトへ入る.

 国境沿いには巨大なカジノが建ち並ぶ.8年前とはまったく違う光景だ.この裏手には娼館が建ち並んでいるらしい.

 きわめて粗末な建物でカンボジアへの入国手続きをすませる.見落としそうなくらいに小さな建物だ.道路の反対側には出国手続きのカウンターがある.混乱のタイへ向かう外国人観光客の姿もある.

 ポイペトまで迎えにきてくれたペンの車でスレイソフォンへ.そしてシェムリアプへ.舗装された道路沿いにはタイからの電力供給のための電柱がぎっしりとならぶ.強度や治安が不安になるような粗末な電柱だ.数年前までは未舗装だった道路も整備されつつある.ポイペトからシェムリアプまで3時間弱.


2008年11月30日(日):シェムリアプ(コンポンプルック)

 ICC会議の見学旅行で出席者たちとコンポンプルックの水上住宅をたずねる.シェムリアプからバスでロリュオスへ.ルゥン市場付近がどんどん発展している.バイク屋の前には真新しいホンダがぎっしりとならぶ.国道6号線沿いにはホテルや巨大カラオケ「ピラミッド」が建設中だった.


 ロリュオスから遊覧船で湖へ.湖水は比較的澄んでいる.伝導度はどこで測っても100前後.

 トンレサップの水深は6.5mほどだった.コンポンプルック村の大通りがほぼ離水していた.

 村で小舟を借りて全員で浸水林めぐり.ゆったりと心地よいが小舟はやや不安定.肥満気味の白人参加者には恐怖の体験だったようだ.

 ロリュオス村沖にも新しい集会所ができていた.


2008年12月1日(月):シェムリアプ(ICC会議とセレモニー)

 早朝からアンコール遺跡群の世界遺産登録式典.登録された時点では治安に不安があったため,10年以上をおいての開催となったらしい.テントの中に正装した住民がぎっしりとならぶ.すぐ前でフンセン首相のスピーチがある.ロケット弾が飛んでこないことをただ願う.


 これが世界遺産登録のプレート.式典にはつきもののセレモニーギャルズが花を添える.

 午前10時から夕方までソッカホテルでICC会議.得たものはほとんどなにもなし.前列に座りたかったらしいドイツのNGOが”ERDAC”のネームプレートを後列に放り投げていた.同じ目にあったチェコチームの代表者とともに抗議するも効果なし.このわがままヲタクの集まりはなんとかならないものかといつも思う.



2008年12月2日(火):シェムリアプ(水コロキウム)

 午前中はフリー.バーストリートのスープドラゴン前の旅行社でヴェトナム航空の帰国便を予約する.ここは即時発券してくれるしクレジットカードが使えるので便利.ただ,4%のカード手数料をとられる.タイガーカフェのネットがかなり早くなっているのを発見.


 午後から水コロキウム.この会議で得たものはやはりほとんどなし.会議の内容や講演内容,進行方法などに日本からの出席者は怒り半分のあきれ気味.


2008年12月3日(水):シェムリアプ(アンコール遺跡の視察)

 午前中はアンコールワットへ.調査許可の発給がまにあわなかったため生まれて初めて拝観料を支払って中に入る.アンコールワットの環壕はほぼ満水.赤潮らしいものはどこにもみあたらない.


 境内には順路が矢印とロープで示されている.観光地としては適切な配慮だろうが以前のように自由に歩けないのはやや不便.ただ,観光客が少ないときにはほどよく無視してもかまわないらしい.早朝とあって北の聖池には赤いハスが咲き乱れていた.

 第一回廊東面の壁面はWMFによる修復の真っ最中.

 同じく東側にはコンサート用のステージと観客席がしつらえられていた.ここで毎夜のようにコンサートがあるらしい.特等席は50ドルとかなり高価.

 第三回廊への階段はできあがっていたが一般観光客はまだ上がることはできない.中央の塔は修復の真っ最中だった.

 午後は北バライへ.ニャックポアンへ通じる道路の左右に水があった.水深は1mもないだろう.

 ニャックポアンには水が満ちていた.水深は50cmほどだろうか.ただ,周囲の4つの池には水はなし.

 東バライのプラダック村にあるホームガーデン調査の家庭訪問先へ立ち寄る.庭から野菜や果物などの植生がほとんどなくなっていた.野菜が植えられていた場所には新婚の次女のための小さな家が完成している.母屋とはちがって半高床式.

 この家ではバッテリーの充電業をはじめたらしい.裏の水田には成長したカモが泳ぐ.

 シハヌーク博物館へ立ち寄った.館長のヴァンナから愚痴をきかされる.近くにアプサラの新しい本部がある.

 シバタ通りの北に新しいショッピングモールがオープンしていた.中にはシェムリアプ初のエスカレーターがある.テナントはまだ半分ほどしか入っていないが,スーパーマーケットは品揃えがそこそこに充実していた.


2008年12月4日(木):シェムリアプ

 タプロームホテルでPeouと午前中いっぱい打合せ.ホテルのレイアウトや置物が内外にわたって変わっている.


 チャ市場前のシェムリアプ川.水はほぼ満水だろう.向かいのマーティニディスコはとうとう閉店したらしい.

 夕食後,最近になって大きく拡張されたナイトマーケットへ行ってみた.広い範囲にわたって土産物屋や服飾の店,バーなどが散らばっている.値段はチャ市場よりもやや高めだが,白熱灯に照らされているせいか同じ品物でも高級にみえる.

 Dr. Fishという角質化した皮膚などを食べる小魚の店があった.本村君によれば何種類かの魚が混在しているらしい.これらがトンレサップへ入りこむのも間近かもしれない.


2008年12月5日(金):シェムリアプ(トンレサップ湖)

 朝からトンレサップ湖へでかけた.韓国企業が作った新しい港がほぼ完成している.外国人観光客の乗船チケットは,道路沿いの事務所とこの港の事務所の2カ所で確認してもらわねばならない.二度手間になってしまいやや不便.やっと発給してもらえた臨時許可書でここは難なく通過していつもの船を借用する.


 チョンクニアス村の祠はかなりの高水位を示している.ただ,湖に向かって左側の祠があるのみで,右側の祠はみあたらない.

 水上サンドイッチ屋をはじめてみかけた.ヴェトナム人の小学校がその近くにあった.

 チョンクニアス村の観測タワーは健在ながらも痛みがややひどくなってきたようだ.ここで湖水をサンプリングする.

 韓国系の水上レストランは倒産したらしい.暴利をむさぼりすぎたのが原因だという.

 市内への帰り道にシェムリアプ川の水の採集.まず村はずれの地点.川の流れはほとんどない.

 続いてワニ園近くのダムの下流側.かなりの水量だ.上流側はほぼ満水の状態.

 そして上智大学の事務所近く.川の流れはやはりほとんどないようだ.

 早朝のうちに本村君が漁民たちと網をしかけたスラスランへ行ってみた.水はほぼ満水.伝導度は以前と比べてかなり高くなっている.

 彼らが仕掛けた網の場所を確認する.道路沿いに巨大なキリギリス(Pseudophyllus titan White, 1846:株式会社地域環境計画 伊藤元さんのご鑑定)の死骸が落ちていた.体長12cm以上だ.

 タプローム寺院へ立ち寄ってみた.中国の視察団がちょうど帰るところだった.視察団に混じってカンボジア副首相らの姿もある.

 視察団がきていたせいか寺院の中は観光客でごったがえしていた.写真を撮るどころか歩くのもままならないほど.やっと外へでてみたら,寺院正面の北側環壕が水草で真緑に染まっていた.

 水面がまったくみえないほどに繁殖している.一方の南側の環壕にはこれがまったくみられない.

 タプローム寺院の近くにはアプサラの新しい育苗地が完成していた.しかし,新しい森林部門への引き渡しのめどはまだたっていないという.

 本村君らが午前中にスラスランで仕掛けた網の回収につきあう.その途中の路上で巨大なミミズを発見.

 網を回収するも収穫はまったくなし.午前中の投網では3種類の魚が採集されたらしい.

 帰り道でスピエン・トモーに立ち寄り,ここのシェムリアプ川でも水のサンプリング.水はゆっくりと下流へ流れていた.

 神谷さんに依頼された堆積物の採集のためアンコールワットへ立ち寄った.午後とあって観光客がとても多い.環壕の水がほぼ満水のため持参した道具では堆積物を採集することはできなかった.

 アプサラの新しい本部へ立ち寄る.中はみていないがまるで体育館か紡績工場のようだ.


2008年12月6日(土):シェムリアプ→プノンペン

 お昼前にチャ市場へ行ってみた.観光客相手の土産物屋がかなりの面積を占めるようになってきた.北側の道路沿いにあった文房具屋も土産物屋に変わっている.生活用品や食料品を売る店はかなり圧迫されているようだ.


 夕方の飛行機でプノンペンへ移動.タイの空港占拠の影響かシェムリアプ空港に旅客は少ない.航空会社のコンピューターがおかしいようで,わずかな人数の搭乗手続きなのに1時間近くも待たされる.

 プノンペン行きの飛行機は新型のエアバスだった.天井のモニターに飛行経路が映し出される.わずかな飛行時間にもかかわらず軽食もサービスされる.「少なすぎる!」と本村君には評判が悪いがほどよい量だと個人的には思う.

 夜のプノンペンには大きな変化はみあたらない.


2008年12月7日(日):プノンペン

 ダイヤモンドホテル前のモニボン通りが朝から大渋滞.右折車用の車線ができたことと下水道工事が始まったことが原因だ.これに加えてケンタッキーフライドチキン前に駐車した車両の影響もあるようだ.早朝から夕方まで車がほとんど動かない.迎えのタクシーがここから脱出するのに30分もかかったほど.


 ソルヤショッピングセンターの屋上にインラインスケート場がある.高原さんの話では昨年の夏以前に開業したということだ.プノンペンではおしゃれかもしれないがなんとも田舎くさい.がんがんに鳴り響くクメール民謡がそれに輪をかける.


2008年12月8日(月):プノンペン

 午前中から午後にかけて市内のあちこちで打合せなど.とおりかかった中央市場周辺も工事中だった.市場の周囲に大屋根をかけて,そこに一般商店を移す計画だという.このための渋滞もまたひどい.とおくには建設中の高層ビルがその形をほぼあらわしていた.


 ダイヤモンドホテルが満室のためアジアパレスホテルに移動する.フロントはダイヤモンドホテルよりも立派だが部屋はやや粗末.ただ,部屋によってはインターネットが無料で使えるようだ.

 夕方,訪問先からの帰りにトンレサップ川へ行ってみた.泥水が湖からメコン河方向へゆったりと流れていた.メコン河には川砂採取船が浮かんでいる.

 最近のプノンペンでは凧がはやりのようだ.原色の凧売りを町のあちこちでみかける.リバーサイドビストロの前はあいかわらずの下水道工事中.


2008年12月9日(火):プノンペン→バンコク

 午前中のうちにバンコクへ移動.市内のCCOP事務局での会議後にスワナブーム空港へ引き返す.あの空港占拠の痕跡はどこにも見あたらない.しかし,その影響なのか空港の中に旅客の姿はまばらだった.



  • Camera: Pentax K10D and Pentax Optio WPi
  • Lens: SMC Pentax-Zoom DA 18-55mm f.3.5-5.6 and SMC Pentax Zoom 6.3-18.9mm f.2.6-4.8
  • GPS: Sony GPS CS-1