富山県南砺市城端の火山角礫岩

2009年8月5日(水)


 午前8時半に角間キャンパスを出発し,田島をとおり医王トンネルを抜けて福光,そして城端へ.大学を出て40分ほどで現地へ到着した.金沢はいい天気だったがこっちは霧につつまれときおり雨が落ちてくる天気だった.


 さっそく沢へ下りる.梅雨が明けきっていないせいか川の水量はやや多め.

 沢へ下りたところの右岸には現河川堆積物の直下に火砕岩のような露頭が連続する.

 まず上流側へ移動して砂防ダム近くの露頭をみた.不明瞭な層理面は下流側へ傾斜している.

 風化の進んだ火山角礫岩だろう.含まれる安山岩質の礫はハンマーが軽く突き刺さるほどに軟らかい.

 その3mほど下流側に白色細粒の薄い火山灰層があった.しかし,この火山灰層の走向傾斜は上流側の火山角礫岩とは大きく異なっている.
 
 足下の河床には平行葉理や級化構造が発達した堆積岩がある.層理面はほぼ垂直.これも風化が進んでいてとても軟らかい.すぐ近くには円礫を多量に含む泥質砂岩も露出している.この露頭は半分が鮮やかな赤褐色となっている.

 さらに下流になると河岸には火山角礫岩が連続するようになる.

 しかし,角礫の含有量が著しく変化し,場所によっては砂岩と思えるものもある.

 沢に下りたあたりまで引き返した.ここに露出するのは火山角礫岩といえるものだ.7〜8mしか幅がないにもかかわらず,層理面の傾斜方向が一定しない.

 河床にも火山角礫岩が露出している.河岸のものと比べて軟らかく感じる.このあたりからは新鮮な植物破片が産出するという.

 この沢に露出するのはおおまかには火山角礫岩に区分されるだろうが,岩相も地質構造も著しい変化をみせるのが特徴的だ.複数の地層をみているような気がする.このあたりを破砕帯がとおっているのかもしれない.

 現地を午前10時半に出発.途中で土山層の露頭をみながら正午前に角間キャンパスへ戻った.


  • Camera: Pentax Optio W30
  • Lens: SMC Pentax Zoom 6.3-18.9mm f.3.3-4.0
  • GPS: Sony GPS CS-1