問:新種の翼竜や人類の先祖など,珍しい化石の発見が世界各地で続いている.そんな新聞記事を読みながらくつろいでいたところ,あるところ(別記)での講演をお盆休みに頼まれた.「大学の教養課程で地学を学んでいると聞いた.謝礼ははずむからぜひともこのお盆休みに講演をお願いしたい」.その講演とは,「世界のどの地域でもかまわないから,ふたつくらいの地質時代の概要についてを解説してもらえるもの.」ということである.講演時間は60分間.金欠病に悩む諸君はその依頼を思い切って引き受けることにした・・・.
では,諸君が以上の状況下にあることをよく理解したうえでその依頼された講演の原稿を作成せよ.講演原稿の作成にあたっては,実際の話し言葉ほぼ同じように記述すること.また,本講義中に配布したプリントや参考図書などから,講演を進めるにあたって適切と考える図や写真などを必要数選び出し,その番号(引用例:配布資料2の図4,図書「○×」のp.124の図34,など)を示しながら行うこと.
講演の対象(聴衆)は,学籍番号の末尾にしたがい以下のとおり振り分ける.
- 0 or 5:出身小学校の3年生対象
- 1 or 6:出身中学校の教職員対象
- 2 or 7:出身幼稚園・保育所の園児対象
- 3 or 8:出身高校の1年生対象
- 4 or 9:地元町内会のみなさん対象
-注意・留意すべき点-
- 講演の対象とする地域は世界のどこでもかまわないが,ある一定の範囲(たとえば国家,地域,地方など)とすること.そしてどの地域のことを話すのか答案用紙に「講演題目」として明記すること.ただし,地質時代については本講義で取り扱った範囲内(先カンブリア代から三畳紀まで)とする.
- ひとつの地質時代でも前半と後半(加えて半ば)で環境が大きく異なる場合には,それぞれをひとつの時代として扱ってかまわない.
- 「地質時代の概要」とは,年代,産出化石にもとづく生物相,堆積構造や産出化石にもとづく自然環境(さまざまな定常的現象や突発的事件)など,「その時代を特徴づけるものすべて」ということである.講演にあたってはひとつの時代のこれらすべてを,時空的にひとつづきの事象としてとりまとめることが要求される.
- 講演原稿は塚脇が読むことのできる言語(日本語,英語,フランス語,中国語)で記述すること.日本語については方言を使ってもかまわないが,難解と思われるときには意味を別記すること.
- 答案用紙には「講演題目」と「講演者氏名」とを明記すること.
- 講演当日までの体調は万全で,不慮の事故にあったり,病気にかかったりは(家族も含めて)ないものとする.
- 講演においては,時間のかかる雑談などはなるべく避けること.また,講義中に笑いをとるような行為はできるだけつつしむこと.
- 説明するために,図や写真以外のものを使ってもかまわない.
講演原稿作成の手引き -こんなふうに書いたらいいよ,という例-
- まずは講演題目を告げる:「英国諸島の地史」などというつまらない題目はくれぐれも避けること.題目だけで聴衆に興味を持ってもらえるようにつとめる.
- つぎに演者(諸君)の氏名(所属):○田×子(金沢大学××学部××学科××課程×年など)を簡潔にのべる:血液型,星座,趣味などは好みや必要に応じて添える.
- そして本題に入る. 「今日の講演では・・・・.」というようなことをふつうは最初に話す(自分で,適切にアレンジすること).講演の目的や概要などをここで示しておくと,聴衆の理解を助けることになる.
- 「それでは本題にはいります.まずこの図(配布資料○の図×)をご覧下さい.これは・・・を示す図です.説明を加えると・・・・」という具合に本題に入る.
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- 「さっきの図に対し,この図(配布資料×の図×)は××を示すものです・・・・.」というふうに講演を続けていく.
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- 最後にまとめる 「・・・・これまで話してまいりましたように・・・・(講演内容のアウトラインをここで繰り返すとまとめやすい).
ご静聴ありがとうございました(多少,聴衆がうるさくてもこれを言ったほうが無難.ただし,うるささによほど腹がたったときは別).」