海の地質学

1997年度後期期末試験問題


問1.現在の地球上で,下記1〜3の条件を満たすところを講義での配布資料などからそれぞれひとつ探しだし,それぞれの海底地形断面を図示するとともに海底地形の名称(一般名詞でかまわない)を図中に記入せよ.また,それぞれの図にはどこからどこまでの断面かがわかるように地名や大陸名・島名などを明示し,断面図での水平距離ならびに水深の概略がわかるようにすること.さらに,それぞれの断面図中に,それぞれにおける地下構造(地表面下約100qまで)の概略を併せ示せ.なお,解答にあたっては,別配布の解答用紙(罫線なし)を使用すること.(各20点,合計60点)

  1. 大陸から活動縁辺域をへて非活動縁辺域,そして別の大陸に至る断面
  2. 大陸から,大陸プレートと海洋プレートとの活動縁辺域をへて海洋プレート同士の活動縁辺域を通り,深海平坦面に至る断面
  3. 大陸から非活動縁辺域を通り,中央海嶺,別の非活動縁辺域,そして大陸へと至る断面

問2.諸君らは現在,水分子のひとつとなってアラスカ沖コーディアック島南方の北太平洋海上(北緯57度,西経153度)に浮かんでいる.しかし,今から約6千年前のLGM(最終氷期)のころにはスバールバル諸島北方(北緯85度,東経20度)の北極海表層にいた.それでは,この6千年間に諸君らはどのような旅をしてきたことになるか? その旅の過程で目にしたであろう沿岸の風景や人々,そして海底の地形.体験したであろう水や堆積物のさまざまな流れ,そして目撃したであろう地震・噴火・津波・地殻変動などの諸地学現象について,講義での配布資料などを参考に過去6千年間の旅行記を作成せよ.ただし,水分子である諸君らには,通りすがりの海底や陸地などの様子はよく見えるものとする.また,いくら水分子であるにしても,蒸発してしまうと旅行記がきわめてややこしいものとなり収拾がつかなくなる恐れがあるので,蒸発はなるべくしないものとする.なお,解答にあたっては,別配布の解答用紙(罫線あり)を使用すること.(40点)