大学院自然科学研究科「堆積学概論」の記録

2007年度後期(2:10月10日)


2007年10月10日(水):手取川流域見学

 先週に続いて今日も朝から好天に恵まれた.午前8時半にキャンパス近くのサークルKに集合.資料などをそこで配布し車に分乗して手取川へ向けて出発した.山側環状道路に続いて加賀産業道路をずっと南下する.川北大橋の料金所すぐ手前の信号で左折し,中島の集落を抜けたところで車を止める.そこから土手へ登って川を見下ろした.


 右岸側の河道には流水がまったくない.手取川下流域の特徴や河道礫のインブリケーションなどについてここで簡単に説明する.

 手取川の霞堤についても簡単に説明し,それから次の見学地点へ移動した.

 国道157号線を手取川沿いにしばらく南下し「手取渓谷」の看板が見えたところで右折する.渓谷を見下ろす橋を渡って「綿が滝キャンプ場」の駐車場に車を置いた.ここから徒歩で渓谷へ下る.

 急なセメントの階段をひらすら下へ.濡れ落ち葉が滑りやすい.轟音とともに綿が滝の滝壺が見えてくる.

 滝壺あたりとはうってかわって渓谷内は静かだった.高台に集まる学生たちの姿が見える.

 全員が集まったところで渓谷の成因や周囲の岩石について説明する.


 その後しばらくは渓谷内での自由な観察時間.

 花が咲き,愛がめばえる・・・.

 比較的軟らかい凝灰岩でできているせいか,渓谷の幅が年々広がっているような気がする.少なくともいくつかの部分は崩落跡のようだ.

 自由観察時間が終わったところでふたつの滝を見上げながら駐車場へ引き返す.

 157号線を川沿いにさらに南下して手取川ダムへ.ダム湖の水はほぼ満水だった.

 護岸に用いられている礫岩などの岩石を使って白亜系手取層群の層序をおおざっぱに説明する.ここで今日の見学は終了の予定だったが,時間がまだまだあるため昭和9年の土石流が運んだことで有名な「百万貫の岩」を訪れることにした.

 白峰村で国道から一般道路に乗り換えて牛首川に沿ってさらに南下する.トンネルだらけの細くて曲がりくねった道路をしばらく走って「百万貫の岩」に到着.

 この土曜日に「百万貫の岩まつり」があるおかげか,左岸から岩まで簡易な橋がかけられていた.

 その橋を渡って岩を間近から見上げる.この距離から見るとたしかにでかい.

 十分に巨大な岩がほかにいくつもころがっている.手近な岩のひとつは典型的な円礫岩だった.

 百万貫の岩は円礫が散在する粗粒砂岩からできている.岩肌のところどころには円礫が抜け落ちた穴がまるで手がかりのように開いている.

 岩を再び見上げながら駐車場へ引き返し,ここで今日の見学は終了.現地解散とした.

 手取川沿いにこんどはひたすら北上.手取川扇状地の東縁をとおり,山側環状道路から角間キャンパスへ.午後1時30分に到着.

 

今日の走向ルート


中島での観察地点


  • Camera: Pentax K10D
  • Lens: SMC Pentax-Zoom DA 18-55mm f.3.5-5.6
  • GPS: Sony GPS CS-1