土木建設工学科講義「地質学概論」の記録(4)
2008年度後期(10月28日:金沢大学角間キャンパス ポンプ小屋裏)

 この授業での野外実習も今日で4回目になる.ここ数日間ふりつづいた雨の影響が心配だったが,とりあえずは野外へ行く準備で南キャンパスへ向かった.東の空はどんよりと曇っているが西の空には晴れ間がみえる.


 連絡橋からみおろす道路沿いの木々はすっかり秋色になっている.

 中キャンパスを通りぬけて自然科学研究科のある南キャンパスへ.

 108号講義室で今日の実習内容を学生たちに説明し,それから全員をつれてポンプ小屋奥の沢へ向かった.天候がだんだん回復してくるのがうれしい.

 ここ数日の雨のため沢の中はすっかり濡れていた.学生たちは騒ぎながらも後についてくる.生痕化石が発達する大桑層の砂岩を右手にみながら沢を歩く.

 2mほどの高さの滝を登りつめ,その奥の湿地帯を抜けたところが印象化石の産地だ.

 学生の約半分がここまでやってきた.ちょっとばかりの説明をききながらさっそく観察を開始する.印象化石がときおりみつかっていたようだ.

 残りの学生たちがやってこない.とおくから悲鳴だけが聞こえてくる.気になったので彼らのようすを確認するため路をひきかえした.すると,滝の手前で残り全員が行きづまっているのがみえた.

 滝を乗り越えてきた何人かをつれてふたたび生痕化石の露頭へ引き返す.狭い沢にこの人口密度ではかなり窮屈だ.


 午前10時前にこの露頭からひきあげる.ぬかるむ湿地帯もこの人数がとおれば少しは歩きやすくもなる.

 たいした苦労もせずに登った滝だが下りるとなると全員がかなり用心深くなるようだ.目の前でひとりが滑落し水中へ.彼らがとおりすぎたあとの水面には筆箱がひとつ浮かんでいた.

 一部の学生は滝の下流側にある露頭で砂岩に発達する生痕化石の観察をしていた.

 午前10時すぎに全員がポンプ小屋に戻ってきた.ここでレポートを回収して実習終了.自然研へもどる彼らを見送って総合教育棟へひきかえした.

 

今日の実習ルート

 


  • Camera: Pentax Optio WPi
  • Lense: SMC Pentax 6.3-18.9mm f.2.6-4.8