土木建設工学科講義「地質学概論」の記録(3)
2009年度後期(11月10日:金沢大学角間キャンパス南地区)

 金沢市田上から角間キャンパス南地区へつづく道路沿いにいい露頭があるのを見つけていた.昨年できたばかりの卯辰山層の露頭だ.授業で使えるものかどうか前日のうちに見に行ってみた.地層は東にごくゆるく傾斜している. 


 下位には生痕化石が散在する灰白色の極細粒砂岩がある.その上位には均質な青灰色泥岩がある.

 斜面のさらに上位には脆弱な黄灰色細粒砂岩もあった.

 道路をはさんだ反対側には均質な白色泥岩も露出している.

 粗粒の堆積岩こそ露出しないが,これだけの種類があれば地層観察の授業に十分使えそうだ.南地区からの距離も約1キロとそれほど遠くはない.

 授業の当日.教室で今日の実習内容と目的などを学生たちに伝え,それからすぐに外にでた.午後から雨になるとの予報がうそのようないい天気だ.観察露頭へ行くまでのあいだに砂岩のいい露頭がみつかった.


 道路の左右にもいい露頭があっただろうがすべて人工の植生におおいつくされている.

 トンネルを抜けてしばらく歩いたところで露頭に到着.

 現地に早く着いた学生たちから順に縁石に腰掛けてまず露頭のスケッチをとる.

 約70名の学生が縁石にならぶさまはおもしろい眺めだった.通りすぎる車のドライバーが不思議そうにみつめていく.

 スケッチを終えた学生たちは道路をわたって露頭にとりついていった.

 露頭の下部であるいは露頭に登っての観察.

 砂岩と泥岩をさがしながら細部のスケッチと観察とを行う.

 観察を終えレポートをまとめて南地区へひきあげる.

 思ったよりも遠かった・・・.

 

今日の観察露頭の位置


 

  • Camera: Pentax Optio W30
  • Lense: SMC Pentax Zoom 6.3-18.9mm f.3.3-4.0