大学院自然科学研究科「堆積環境学」の記録(2)
2010年度後期(11月6日:能登半島西海岸 千里浜〜巌門)

 朝からいい天気だった.前回の台風がうそのような好天だった.午前8時半に角間キャンパスを出発.山側環状道路,そして能登有料道路をとおって千里浜へ着いたのは午前9時15分だった.


 学生たちが乗った車もつぎつぎと千里浜に到着した.すぐに実習を開始する.浜の表面に花崗岩などの礫がやけに目立つ.

 その一方でエチゼンクラゲの姿が今年はまったくみられない.

 午前9時40分に実習地を離れたが,走り出してすぐにひとだかりがみえてきた.

 地元の漁師たちによる地引き網だった.赤い網の中にはすでに魚が入っていた.
 
 網の本体はまだ海の中にあった.大勢の漁師がその網を海の中で巻き上げていた.

 獲れた魚をねらうようにカラスやカモメが浜で待ち受ける.トンビも空を舞っていた.

 地引き網の本体が勢いよく浜へひきあげられてきた.

 スズキやタイの姿が網の中にみえる.たくさん入っているようにみえるが大漁なのかどうかはわからない.

 千里浜を離れて次の実習地となる巌門へ移動した.羽咋市をとおりすぎたあたりで雲行きがあやしくなってきた.

 志賀の発電所をすぎたあたりで雨が落ちてきた.

 午前10時半すぎに巌門の能登金剛センターに到着.幸いにも雨はやんでくれた.

 学生たちの到着を待ち,全員がそろってから巌門の海岸へ降りた.土曜日のせいか観光客の姿が多い.

 この季節にしては波がない.静かな海だ.

 ここで実習を開始した.学生たちに巌門でみられる岩石や岩相,断層系などについてごく簡単に説明する.

 典型的な凝灰角礫岩だ.水中自破砕熔岩と思える部分や断層による破砕帯が複雑に分布する.

 洞窟の奥に遊覧船の姿がみえた.

 断層沿いにできた狭い洞窟を抜けて反対側へ移動する.天井の岩石がいまにも落ちてきそうだ.

 洞窟をぬけて反対側の海岸へ.

 淡黄色の礫質凝灰岩と多量の礫を含む赤紫色凝灰角礫岩との境界.

 含まれる礫はおもに安山岩.淘汰不良で円磨もほとんどなされていない.配列もばらばらだ.

 学生たちは海岸にさまよいながら岩相や断層を観察していた.

 露頭には正断層系が発達する.

 みごとな共役系の断層もある.

 海ぎわでは高い波しぶきがときどきあがっていた.

 近づいてみたが波のわりには海はおだやかだった.

 階段をのぼりながら海岸の露頭をみわたしてみる.

 黄白色の凝灰岩層をみながらさらに上へ.

 幸せのがんもん橋をわたって駐車場で解散.

 そのまま金沢へ戻った.

 午後1時すぎに角間キャンパスに到着.

今日の走行ルート


  • Camera: Pentax Optio W60
  • Lense: SMC Pentax Zoom 5-25mm f.3.5-5.5
  • GPS: Garmin Venture HC