大学院自然科学研究科「堆積環境学」の記録(3)
2010年度後期(11月13日:手取川流域 川北大橋〜手取渓谷〜手取川ダム〜百万貫岩)

 曇り空が広がっていたが天気は一日もってくれそうだった.午前8時半に公用車で角間キャンパスを出発.自然科学研究科で金児を拾い,山側環状道路と加賀産業道路をとおって川北大橋へ.近くのホームセンターで時間をつぶし,手取川の土手(Stop 1)に午前9時20分に到着した.学生たちの車も次々とやってきた.


 ここで今日一日の見学ルートについて説明しておく.手取川の治水工事として有名な霞堤の仕組みも解説しておいた.

 昨日からの激しい黄砂で白山の方向はかすんでみえない.学生の車にも昨夜の黄砂がべったりついていた.

 車にのって霞堤の近くへ移動した(Stop 1a).ここまでくると円礫だらけの手取川の河床がよく観察できる.

 学生たちもカメラを片手にそれぞれに観察.
 
 霞堤のうえを歩いてみたり・・・.見学が終わったら車に分乗して次の見学地へと移動した.

 午前10時に手取渓谷(Stop 2)の駐車場に到着した.学生たちの車2台がなかなかやってこない.ここで待つこと約30分.

 全員がそろったところで手取渓谷へ移動した.

 遊歩道から渓谷のようすが少しばかりうかがえる.「綿ケ滝」の看板のところから渓谷へ下っていく.

 濡れ落ち葉で急な階段はすべりやすい.足下に気をつけながら下へ下へと降りていくと滝がみえてきた.

 学生たちもあとに続いて降りてくる.

 渓谷の中へ到着.ここで浸食地形や周囲の岩石について説明し,それからしばらくの自由見学時間にした.

 降り続いた雨のせいか手取川の水量は多かった.

 このあたりの地質を構成する緑色凝灰岩の転石が足下にころがっている.

 学生たちは河床に沿って行ったり来たり.

 いまにも崩れ落ちそうな露頭もある.ここから下流側をみると河川による浸食地形がよく理解できる.

 川の水は泡立ちながら流れていた.

 学生たちの見学が終わったところで渓谷の遊歩道を引き返した.

 滝の対岸あたりには熔岩の成層構造らしきものが観察される.断層や節理もあちこちでみることができる.

 紅葉がいい感じだ.午前11時に手取渓谷を出発し川をさらに上流へ向かって移動した.

 手取川ダム(Stop 3)へ到着したのは午前11時20分だった.駐車場に公用車をとめてダム湖がみえる展望台へ移動した.

 ダム湖はほぼ満水だった.遊歩道に沿ってぶらぶらと歩く.

 ロックフィルダムの手取川ダムの材料になっているのはこの五味島礫岩.

 遊歩道の末端には手取川ダムの説明がある.ビデオをみることもできるようになっている.

 その近くにはおおきな五味島礫岩がひとつ置いてある.

 片麻岩や花崗岩でできた礫岩の構成がよくわかる.カメムシの姿を異常に多くみかける.駐車場へ引き返し,最後の見学地へ移動した.

 国道157号線を走って正午すぎに到着したのが昭和9年の土石流の記念碑として有名な「百万貫の岩」(Stop 4).

 岩の近くには土石流にまきこまれてねじ曲がった鉄骨も置いてある.

 川にかかっていた仮設橋がいつのまにか取り払われていた.石づたいに対岸へ移動する.

 器用にわたってくる学生もいれば不器用なのもいる.

 近くでみるとこの岩はさすがに大きい.

 小〜中礫が不明瞭ながらも成層するのがよくわかる.

 この近くにはやはり巨大な礫岩もころがっている.

 見学を終えたところで駐車場へひきかえした.幸いにも川へ落ちた学生はいなかった.

 河床には白山起源の安山岩もころがっていた.

 12時半すぎに百万貫の岩を出発.往路についた.

 途中で昼食をとって午後2時半すぎに角間キャンパスに到着.

今日の走行ルート


  • Camera: Pentax Optio W90
  • Lense: SMC Pentax Zoom 5-25mm f.3.5-5.5
  • GPS: Garmin GPS-V