地学実験の記録
2000年度後期

10月6日:ガイダンス

 受講生はたった2名だった.理学部の小河原さんと工学部の北浦君.実験室で簡単にガイダンスを済ませ,それから角間キャンパス裏手の山を歩いた.


10月13日:野外調査実習(1.野田山)

 いつも実習に訪れる高尾地区に諸般の事情で行けなくなった.そのかわりに第一回目の実習地として地層を連続的に見ることができる野田山へ向かった.受講生が少ないため大学バスをとりやめて官用車とベンツで実習地へ向かう.受講生2名に対して教官2名に院生のTAが3名.なんだか研究室巡検をやっている感じだ.


10月20日:地形図の描き方(室内)

 朝からの雨のため野外実習は中止して室内での地形図読解実習にした.


10月27日:野外調査実習(2.大桑)

 化石の産地として有名な大桑の犀川河原での調査実習.まず中新統犀川層を観察し,不整合や凝灰岩層を見たあとで貝化石がたくさん見つかる大桑層へ移動した.そして午後5時からは研究室の学生も加えて河原での芋煮会.


11月10日:野外調査実習(3.上辰巳)

 秋の好天の中での実習.犀川右岸沿いを崖づたいに歩いて最初の観察地点へと向かう.受講生にとって足場が不安なところでは,TAたちが川に入って足場を確保してくれる.


 この日最初の観察地点.下部中新統の砂子坂層が露出する.この地層は凝灰質の中〜粗粒砂岩からできている.大型有孔虫や二枚貝などの化石がたくさん含まれている.ウニの化石が見つかることもある.

 受講生たちが地層を観察しているあいだ,TAの2名は安全に渡ることのできるルートを探しに川へ入っていく.例年よりも水量が多いためたいへんな作業だ.結局,やってきた崖沿いの小道を引き返すことになった.

 この日2番目の観察地となる犀川左岸の大露頭.同じく下部中新統砂子坂層の最上部が露出する.この層準での砂子坂層には大規模な斜交層理が発達し,一部には液状化による無層理砂層が形成されている.

 この日の3番目の観察地点となるはずだった砂岩の地層.砂子坂層の凝灰質泥岩からできていて,きれいな形の葉っぱなどが容易に見つかるところだ.しかし,水量が多くて受講生たちが安全に渡れそうになかったためここでの観察は中止した.そのかわり,研究室の学生たちによる崖渡りのアトラクションがあった.次々と川に転落する学生たちが見物だったようだ.

 あきれて見守る受講生たち.ここでこの日の実習はおしまいとなった.

11月17日:地質図の描き方(室内)

 朝からの雨のため野外実習を中止し,実験室内で地質図作図実習を行った.


11月24日,12月1日,12月8日:岩石学実験

 海外渡航のため教育学部の酒寄淳史さんにこの期間の実験をお願いした.


12月15日,20日:貝化石の成形など

 海洋調査のため共同担当者の加藤道雄さんが実施.