地 学 実 験(Practice in Geology)

−平成12年度後期ガイダンス資料−


講 義 の 目 的

 本実験では,講義室のみでは理解しがたい”野外科学”としての地学の本質を,野外実習や室内実験などを通して学ぶことを狙いとする.実験の前半では,大学のバスを利用して野外調査実習を集中的に行い,金沢市近郊に分布する世界的に名前の知られた地層の観察,さらに岩石・鉱物や化石の採集などを通して,野外科学におけるものの見方を身につけてもらう.後半はおもに実験室内において,地質図・地形図の読み方,岩石観察用薄片試料の作成と顕微鏡観察,大型化石の鑑定,そして微小化石の顕微鏡観察などを行い,これらにもとづき金沢市付近の地質学的歴史,とくに過去100万年程度の歴史を組み立てることを目標とする. この地学実験は,これまでまったく「野外科学としての地学」に接したことがなく,また今後も接することの少ないと思われる文化系学生の受講を歓迎する.なお,3時限より5時限まで継続して行うため,途中からの,また途中までの受講は認めない.


実 験 計 画(予 定)

 

10月6日:@ ガイダンス,履修届受付,フィ−ルドの歩き方:角間キャンパス周辺
  13日:A 野外調査実習1(地層の調べ方:高尾)
  20日:B 野外調査実習2(堆積岩と火成岩:上辰巳)
  27日:C 野外調査実習3(簡易測量実習:角間キャンパス)
11月3日:祝日
  10日:D 野外調査実習4(断層と褶曲:小二又)
  17日:E 野外調査実習5(堆積岩と化石:大桑)
  24日:F 古生物学実習1(貝化石の成形・鑑定)
12月1日:G 地質図学実習1(地形図の読み方)
  8日:H 地質図学実習2(地質図の読み方)
  15日:I 古生物学実習2(微化石の観察:浮遊性有孔虫)
  22日:J 古生物学実習3(微化石の観察:底生有孔虫)
1月12日:K 岩石学実習1 (岩石薄片試料の製作1)
  19日:L 岩石学実習2 (岩石薄片試料の製作2)
  26日:M 岩石学実習3 (岩石試料の観察)

注 意 事 項

  1. 野外調査実習,岩石学実習には,汚れても構わないような服装で参加すること.とくに野外調査実習では,動きやすい服装ならびにしっかりとした足回りに留意のこと.
  2. 地質調査用具一式は貸与する.
  3. 天候不良等による日程変更の場合には,当日正午までに学生係前掲示板にて連絡する.掲示なき場合,もしくはどちらかわからない場合には,野外に出る服装で地学学生実験室に来室のこと.

 

理学部地球学科 加藤道雄

工学部土木建設工学科 塚脇真二