英国諸島の地史(Geological History of the British Isles)

−2005年度(平成17年度)前期開講:資料−

開 講:木曜日2時限,講義室:D10講義室(定員:154名)


講 義 の 概 要

 地球表層部の過去の変遷を扱う学問として地史学がある.そして,地史を解釈する素材として岩石・鉱物・化石やこれらを含めた地質構造などがあげられる.したがって,地史学は地学の一分野であるが,地学諸分野の総合のうえに成立つといってもよい.英国諸島は,18世紀以来の近代地質学発達の古典的地域であり,ここを発祥の地として数多くの地質学的基本概念や用語が提唱された.たとえば,”化石による地層同定”の経験則は英国の地質をもとに確立されたものであるし,カンブリア紀・オルドビス紀そしてデボン紀と,古生代前期を代表する時代名はいずれも英国諸島の地名や民族名に由来する.日本列島が活発な地学現象の中から誕生したのに対し,英国諸島は約6億年前から現在にいたるまで比較的静穏な環境のもとに構築されてきた.そのため同諸島は地史学の基礎を学ぶには絶好の材料を提供してくれる.そこで本講義では,担当教官が在英中に収集した資料などにもとづき,約6億年前から現在にいたるまでの英国諸島の地史を,地層の形成環境や生物相の変遷などを中心に論じる.


講 義 計 画 (予 定)


参  考  書