小松市北部巡検(担当:冨井康博)
2000年10月11日(水)

  M2の冨井康博の調査地,小松市北部地域での地質巡検.午前8時半に辰口丘陵公園駐車場に集合しすぐに出発した.まず赤穂谷沢ルートに到着する.広々と見通しのよい沢をひたすら歩く.露頭はまったくない.あっても川沿いの貧弱なもののみ.泥岩といってもよいほどの緻密で細粒の緑色凝灰岩だった.


 杉の植林地となった沢を登る.露頭はほとんどみあたらない.左右の斜面に転石らしい巨大な緑色凝灰岩塊があるのみ.尾根に出たところでようやく小露頭と出会う.天狗山層(通称:てんてん)とのこと.弱固結の砂岩と泥岩とがおおまかに成層している.砂岩には細礫が混じる.

 赤穂谷沢ルートの奥部には典型的な緑色凝灰岩の露頭があった.左の露頭では斑岩らしい岩脈が見つかる.右の露頭でみる緑色凝灰岩は幅数10mにわたっての破砕作用を被っているように見える.このあたりに大きな断層が走っている予感がする.しかし,冨井はこの重要性に気づいていないようすだった.

 松谷川ルートの尾根部でみる天狗山層.ようやくほんとうの「てんてん」に巡り会う.上位に細粒砂岩,下位に中粒砂岩があり,両者のあいだには古土壌のようなピンク色の泥岩が挟在していた.泥岩の直下には炭化物の濃集層らしい黒色層もあった.

 本日の巡検最後の緑色凝灰岩の露頭がある大野ルート.細粒凝灰岩と中粒凝灰岩とが不規則に細互層し,コンボリューションらしい液状化変形構造が観察される.

 数少ない露頭を露頭をひととおりめぐって丘陵公園で解散.露頭の少ないフィ−ルドだ.これではマップどころか柱状図すらできるものやら・・・.

  • Camera: Konica 現場監督WB28
  • Lens: Konica Lens 28mm f.4
  • Film: Fujicolour Pro 400
  • Scanner: Epson FS-1200WINS