金沢市北東部上涌波地域(新4年生調査実習)

2004年6月5日(土)

 


 新4年生の地質調査実習のため上涌波にある吉岡のルート5に行った.いい天気だ.しかし6月とあって山の緑は深かった.


 最初に林道入口付近にある大桑層下部の泥質砂岩に張り付く.地層の観察手順などを陰地が説明してくれる.

 ここには泥質砂岩と極細粒砂岩とが露出していた.泥質砂岩にサガリテスが見つかった.

 林道をちょっとのぼって手近にある沢に入った.沢の底をふさいぐ切り倒された青竹が進路を邪魔する.

 沢の奥に下涌波凝灰岩があった.脆弱なこの凝灰岩がちょっとした崖を作っていた.

 この凝灰岩の上半部は細粒から中粒で平行葉理が認められる.一方,下半部は粗粒となり白色軽石が点在するようになる.

 ひととおりの観察を終えて林道へ戻る.

 林道をややのぼったところでふたたび沢に入った.この沢ではのぼることもなく下涌波凝灰岩が見つかった.

 下涌波凝灰岩が作るちょっとした崖を登る.

 そこには白色極細粒のOL2a凝灰岩が露出していた.

 崖をくだってふたたび林道へおりる.

 林道に沿ってOL2a凝灰岩が連続する.

 凝灰岩基底部の極細粒凝灰岩やその直上となる中粒凝灰岩がよく観察される.

 金沢一円では重要な鍵層となるこの凝灰岩をしっかりと観察してもらう.

 林道をさらにのぼると多量の白色軽石を含む粗粒凝灰岩があった.吉岡のOM4だろうか.

 軽石の円磨はきわめて良好だ.大きな二枚貝の化石が含まれている.

 林道が右へ大きく曲がるところで左手の沢に入った.ちょっとした滝がその奥にある.思い思いのルートでこの滝をかわしていく.右手遠くに急斜面を登っていく三宅と飯村の姿がちらちらと見える.朝美と木幡は大植とともに林道を先回りした.

 4年生のあとにつづいて急斜面をのぼる陰地の黄色いジャケットが見える.そして滝の上側で3人と合流し沢をさらに登っていった.

 沢の途中に断層の発達する細粒砂岩の露頭がある.ここで4年生たちとは別ルートになった.

 陰地もここで別ルートをとっていく.彼らの選択のほうが正しかった.

 沢をつめたところで林道に到達.ここで全員がいっしょになって林道を引き返すことにした.

 林道を下る途中で大桑層上部の黄褐色細粒砂岩を叩く.

 そしてそのさらに下で大桑層中部のOM3凝灰岩を観察する.露頭は4月にサンプリングにきたときのままだった.

 吉岡のステップはまだ残っていた.そのステップを壊さないように注意しながら陰地が別ルートで登ってくれる.

 そのさらに下で大桑層中部の典型的岩相である生痕化石が発達する青灰色細粒砂岩を見る.

 そして林道をさらに下って車へ戻った.

  • Camera: Fuji BigJob DS-270HD
  • Lens: Super EBC Fujinon 6.2mm f.2.8