金沢市北東部深谷地域

2004年7月12日(月):担当 陰地章仁

 


 陰地章仁が進めている金沢市一円の地質図編集作業の一環として,午前中のうちに金沢市北東部深谷地域のフィ−ルドに入った.暑からずのいい気候だったが植生の深さはさすがにこの季節らしい.深谷温泉近くの路上に車を置いて沢に入る.しかし,入ったと思ったところでデジタルカメラのバッテリーが切れた.予備のバッテリーに交換したところ,それもすぐに切れてしまった.カメラがおかしいのかバッテリーが古くなっているのか・・・.


 予備に持参したフィルムカメラをリュックから取り出す.沢に入るとすぐに青灰色の砂質泥岩が現れた.陰地の話では大桑層下部だという.


 青灰色砂質泥岩は同色の泥岩になったり細粒砂岩になったりしながらこの沢に連続して露出する(地図の1).

 微細な白色軽石に富むところもある.

 生痕化石はこの泥質岩全体にわたって発達しているようだ.

 沢をつめたところで水田になった.ここから次の沢に入る.

 この沢にも青灰色の泥質岩が露出する.

 層準によっては泥岩中に葉理の発達が認められる.

 白色軽石が散在する層準もある.

 沢の途中に白色で緻密な凝灰岩があった(地図の2).層厚は60センチ程度.大桑層下部のOL2a凝灰岩のようだが風化が著しい.


 凝灰岩の上位にも青灰色の泥質岩が続く(地図の3).OL3凝灰岩らしきものは見つからない.

 植生の深い沢をつめて林道へ出た.

 林道を西へやや歩いて杉林の奥の崖へ向かう.このあたりに上涌波凝灰岩が露出しているらしい.この凝灰岩は発見できなかったが,それらしい著しく風化した凝灰岩の露頭はあった(地図の4).この崖で陰地が転落しかかった.

 林道を東へ歩くと風化が進んでいる砂質泥岩の露頭が道ばたにあった(地図の5).

 遠くに富山県との県境が見える.集落を抜けて北へ小さな林道を下っていく.

 林道沿いには大桑層上部と思える黄褐色の泥質砂岩が露出する(地図の6).樽見がぽく砂と呼んでいたものだ.そして案山子の立つ畠を抜けて深谷温泉へ戻った.
 

  • Camera: Fuji BigJob DS-270HD and Fuji K-28
  • Lens: Super EBC Fujinon 6.2mm f.2.8 and Fujinon 28mm f.3.9
  • Film: Fuji V400
  • Scanner: Canon Canoscan FS4000US