津幡町南部下中地域

2004年12月30日(木) 担当:三宅 歩


 12月末の雪の降る中,三宅が担当する津幡町南部下中地域に今年度最後のフィ−ルドにでかけた.田畑はうっすらとした雪で覆われていた.


 先月末に訪れたのり面の最下段はすでにブロックで覆われていた.


 予定の沢に到着.雪の舞う中にもかかわらず陰地が着替え始める.

 道路から西へのびる林道入口にまず露頭があった.青灰色の細粒砂岩.固結度はやや高い.砂粒子の淘汰は比較的良好だ.大桑層中部のようにも見えるし,蔵原層といってもおかしくはない.ちょっと中途半端な固さだ.

 露頭は不規則な境界で上半部と下半部とに分けられる.上半部の表面は苔で覆われて褐色になっている.

 下半部に露出するのが青灰色の細粒砂岩.一方,上半部はやけにやわらかい淡褐色の砂岩だった.下半部よりは泥質になる.


 林道に沿って露頭が続くのがわかった.次の露頭へと足を進める.

 林道がゆるやかに左に曲がって少し歩いたところにある露頭.ここにも青灰色の細粒砂岩が露出していた.

 林道をさらに歩く.振り返ると最初の露頭がずいぶん遠くになっていた.

 林道が右に曲がるあたりにも青灰色の細粒砂岩が分布する.

 上半部は風化のためかやわらかい.比較的大きな白色軽石が散在する.

 さらに歩いたところにある露頭で岩相が変わった.淡褐色の凝灰質砂岩だった.炭化植物片を多量に含んでいる.もっともよく似た岩相の地層といったら犀川層しかないだろう.

 同じ岩相はそこから林道に沿ってずっと続いていた.

 大きな生痕化石がやたらと多い層準がある.

 林道が林の中に入っていった.

 その林道が左に曲がるところにも露頭があった.ここも凝灰質砂岩だった.

 そこから林道が尾根に沿って走るようになる.

 その途中に露頭がひとつある.ここでまた岩相が変わって灰色の泥岩になった.やたらと固い.

 尾根沿いにのびる林道の先にも同じ泥岩が露出している.

 この泥岩には節理の発達がふつうに認められる.

 奇妙に明瞭な境界面がある.その上位は同じ泥岩ながらもより淡色でしかもやわらかい.風化のせいだと判断されるがそれにしても境界がはっきりしすぎているような気がする.

 林道の露頭がとぎれるところまで同じ泥岩が続いていた.

 ここで巡検をおしまいにして林道を引き返した.断熱材の入っていない長靴をはいているため,雪の冷たさでつま先の感覚がなくなりつつあった.

 林道の途中には崖が大きく崩壊したところもある.

 寒い中をようやく車まで引き返して巡検終了.

  • Camera: Fuji BigJob DS270HD
  • Lens: Super EBC Fujinon 6.2mm f.2.8