南砺市西部(旧福光町)砂子谷〜蔵原地域

2005年4月16日(土) 担当:木幡伸子


 修士2年木幡の小断層観察指導のため旧福光町西部へ行った.角間を官用車で出発し新しくなった道路を小二又へ下る.それから二俣を通って国道を東へ走り,高窪をへて蔵原付近で北へ延びる農道に入った.そのつきあたりに凝灰岩の大きな露頭があった.かつて吉岡とともに訪れたところだ.


 農道の奥に砂採場があった.ここに露出するのは上涌波凝灰岩.その上によく似た岩相の下涌波凝灰岩が直接する.


 上涌波凝灰岩の主岩相は比較的大きな白色軽石を含む白色から黄白色の粗粒凝灰岩.最上位に固い細粒凝灰岩の薄層群がある.

 泥岩あるいは極細粒凝灰岩の薄層が挟在する.コンボルート層理が発達するところもある.

 露頭には数メートル間隔で低角度あるいは高角度の節理が発達する.

 車を止めたところまで農道を引き返した.上涌波凝灰岩の直下に暗灰色の泥質岩がある.


 泥質砂岩の下位にも粗粒で厚層の凝灰岩が位置する.上位にはって白くみえるのは上涌波凝灰岩.

 国道を引き返し砂子谷付近で北へ延びる県道に入った.小矢部市へ通じる道路だ.県道への入口からほんの数100m走ったところに露頭をみつけた.ここも以前に吉岡と訪れたところ.2000年に軟X線撮影用試料を採集しにきたところでもある.

 泥質岩からなるこの露頭には幾枚もの白色凝灰岩が挟在する.いずれの凝灰岩も純白色で淘汰のいい粒子から構成されている.吉岡のTM凝灰岩群に対応するものだろう.

 その凝灰岩に数センチの変位量しかないが小断層がみつかった.

 凝灰岩を北に追っていくと落差が1メートルほどの小断層がいくつかあった.木幡と大植が観察の練習をここでする.

 そしてやってきた道を引き返してキャンパスへ戻った.


移動ルート


観察した露頭の位置


  • Camera: Fuji BigJob DS270HD
  • Lens: Super EBC Fujinon 6.2mm f.2.8