2006年度新4年生歓迎フィ−ルド

2006年5月9日(火) 担当:三宅 歩


 角間キャンパスを午前8時50分に官用車で出発.修士2年の三宅が担当する医王山南西麓へ向かった.田島から南東にのびる林道に入り,林道の途中に車を置いてさらに細い農道に入る.雲ひとつなく晴れ渡ったすばらしい天気だった.


 農道へ入ってすぐの右手に露頭があった.粗粒砂に安山岩の巨礫が散在している.戸室山の崩壊堆積物だろうか.

 そのやや奥の沢にも露頭がある.下位にあるのは硬い緑色凝灰岩.上位に半固結の泥岩らしきものがある.医王山層と上位層との不整合かもしれない.

 農道をさらに歩いていく.周囲の水田では田植えの真っ最中だった.


 農道のつきあたりにあった杉林に入った.木々が青いビニールテープで結ばれている.どのような意味なのかわからない.

 杉林を流れる沢には緑色凝灰岩の角礫が転がっている.

 新4年生たちは泥だらけで滑りやすい斜面をうまく登っていた.

 沢の途中に露頭があった.硬い緑色凝灰岩だ.医王山層に間違いないだろう.

 その先にも緑色凝灰岩がときおり露出する.白い大きな斑晶が目立つ.

 鉄塔の高さにだんだんと近づいてくる.このあたりには角礫凝灰岩のようなものが露出しているが風化を被っているため詳細は不明.

 尾根に到着した.ここで軽いミーティングと記念写真.

 そして下山.

 ほんとうにいい天気だ.抜けるような青空に新緑がまぶしい.

 車で移動して金沢市北東部の清水谷へ到着.2002年度に加藤晃義が担当したフィ−ルドだ.用水路を伝って沢に降りようとしたが一面の苔で滑りやすくなっていた.

 用水路からの降下をあきらめて斜面を巻きながら沢へ降りる.

 降りてすぐに最初の難関.ここで川戸と大藪が首まで水没する.

 沢に沿って大桑層中部の青灰色細粒砂岩が露出する.貝化石が散在する典型的な岩相だ.

 続いての難関.ここは全員が泳いで通過した.

 ここで沢は行き止まりになる.大きな亀裂の中に水が流れ込んでいく.


 このあたりでは凝灰岩を断ち切る断層を見ることができる.

 ここで沢歩きをおしまいにして引き返した.沢の壁面が滑りやすいため手掛かりをつかむのに手こずる.

 沢をさらに引き返す.

 降りてきたあたりを通過してさらに沢の奥へ.道路の下を貫通するトンネル状の水路の中を歩く.

 そして崖を登って道路へ.このあたりにはいつもなぜかマンガ本が散在している.「中学生が家に持ち帰れなくてここに捨てた」とは三宅の推定.


 道路に到着.全員がずぶ濡れ.日光でおおざっぱに服を乾かして大学へ戻った.

 午後0時50分に角間キャンパスに到着.この夜は野町の寺喜屋で編入生たちも交えての新歓コンパ.


 翌朝の北陸中日新聞の第一面.金沢で今年2件目のクマ目撃情報だ.「午前10時半・・・」,「金沢市清水谷・・・」.学生たちと入った沢からわずか500mほど離れたところだし,時間もたった30分前のことだ.

  • Camera: Fuji BigJob DS-270HD
  • Lens: Super EBC Fujinon 6.2mm f.2.8