金沢市〜南砺市の医王山一帯:卒業論文フィ−ルドの下見

2006年7月11日(火) 担当:塚脇真二


 角間キャンパスを午前8時25分に官用車で出発.理学部の裏をとおって俵の交差点で左折.医王山スポーツセンター付近から医王山へのぼる林道に入った.林道をしばらくのぼったところで見晴らしのいい場所にでた(001).車をちょっと止めてみる.


 戸室山やキゴ山,そしてとおく金沢市街地が見渡せた.7月半ばとあって山には植生が深い.

 林道をいくら走っても道ばたに露頭が見つからない.標高500mを超えたあたりでようやくひとつの露頭にであった(003).風化が著しいが典型的な緑色凝灰岩.角礫はほとんど含まれていないようだ.

 林道の途中には金沢市街地方向の眺望のいいところがいくつもあった.戸室山やキゴ山がだんだん下に見えてくる.


 見上げたところに露頭があった(005).遠目には層理面が発達しているように見える.

 その下には転石がいくつもころがっている.流理構造の発達する熔結凝灰岩あるいは流紋岩のようだ.

 山麓から医王山の中腹あたりまで延々と延びる沢を林道から見下ろす.植生が深いがいい露頭はありそうだ.

 医王山の山頂に近づくにつれて路沿いに露頭がいくつか見つかるようになってきた.ここには比較的堅い凝灰角礫岩が露出している(006).基質はやや緑色を帯びている.

 林道最高点となる夕霧峠に到着(008).医王権現の鳥居が立っている.

 鳥居からちょっと入ったところからの砺波平野の眺望は見事だった.立山連峰も遠く見える.

 峠には県立自然公園の展望所も建っている.

 展望所からの見る砺波平野も見事だった.視線を下げるとイオックルアローザスキー場があった.いい露頭らしいものがいくつか目にとまる.

 反対側には金沢市街地から日本海にかけての眺望が広がる.

 シーズンオフのスキーリフト.赤茶色にさび付いている.いちばん手前のT字型鉄柱だけがなぜかねじ曲がっている.

 このあたりにもいい露頭がある.小さな角礫をともなう緑色凝灰岩だ.かなり堅い.

 冬になるとかなりの積雪があるのだろう.カーブミラーが雪の重さでねじ曲がっていた.その近くにはクマ出没注意の看板が落ちていた.

 スキー場に向かって林道を下っていくとヘアピンカーブのあたりで見事な露頭にでくわした(009).うっすらと緑色を帯びた緻密で堅硬な白色細粒の凝灰岩だ.細かい節理が全体に発達している.

 その右手には直線的な断層境界をもって緑色凝灰岩があった.

白色凝灰岩に比べるとやや脆弱になる.節理が未発達になるとともに層理面が発達するようになる.この緑色凝灰岩は白色凝灰岩と不整合関係にあるようだ.

 カーブを曲がってこの露頭を裏手から見てみた.断層は少なくともふたつが認められる.いずれも正断層のようだ.淘汰がきわめて悪い角礫が緑色凝灰岩には多量に含まれている.

 断層面はいずれもきわめて明瞭でわずかに波打っている.小松〜辰口地域との層序対比の可能性を示唆するようないい露頭だ.

 スキー場を下りきって砺波平野にでた.そこから刀利ダム方向へ車を南に走らせる.福光温泉をすぎたところで道ばたに露頭が見つかった(010).

 著しく風化の進んだ凝灰岩だった.おそらく緑色凝灰岩だろう.白色軽石らしいものが散在している.

 刀利ダムでいったん車を止める(011).地図上では小さな記号にすぎないこのダムだが近くで見るとじつに巨大だ.

 下流側には沢沿いに堅そうな岩石が露出している.


 一方の上流側には水をたたえたダム湖の向こう側には不思議な地質構造の露頭が見えていた.

 すぐ下にも堅そうな岩石が露出する.

 ダムから金沢市方向へ車を走らせる.県境を越えたところに巨大な採石場があった.何を取っているのだろう.


 そのやや先の沢沿いには地層が露出していた(012).遠目に見たかぎりでは見慣れた上部新生界のようだ.砂子坂層あたりだろうか.

 湯涌温泉から医王山スポーツセンターをへて正午前に角間キャンパスに到着.その後は研究室でミーティング.


  • Camera: Pentax Optio S4 and Pentax ESPIO 120Mi
  • Lens: SMC Pentax Zoom 5.8-17.4mm f.2.6-4.8 and Pentax Zoom Lens 38-120mm f.4.8-12.5
  • Film: Fuji Superia 400
  • Scanner: Canon Canoscan FS4000US