金沢市上涌波地域(野外調査実習,その4)

2007年6月4日(月) 担当:塚脇真二


 4回目の実習は暑いほどにの天気に恵まれた.午前8時半に角間キャンパスを公用車で出発し上涌波の林道へ15分ほどで到着.林道途中の露頭から前回の続きを開始した.


 林道沿いに青灰色の細粒砂岩が連続して露出する.すべて大桑層の中部層だ.貝化石の破片がときおり含まれる.

 傾斜のある林道をさらに奥へ向かう.4年生の谷がハンドレベルで高さを測りながら歩く.

 青灰色細粒砂岩がまだ連続する.それにしても植生がかなり深くなってきた.


 林道をさらに奥へ歩く.頭上はるかにあったOM3凝灰岩がだんだん下に降りてくる.

 吉岡がかつて削った有名なステップも植生と風化でもうどこにも見あたらない.このあたりに露出するのは貝化石の破片をわずかに含む青灰色細粒砂岩だ.


 OM3凝灰岩が叩ける高さにまで降りてきた.白色細粒の凝灰岩が露頭にその姿を現す.

 ここで走向と傾斜を測る.傾斜が数度と緩いため走向はかなりの誤差をともなうがおおよそ北東−南西方向だ.

 凝灰岩の直下に青灰色細粒砂岩.凝灰岩の基底には層厚数cmの細粒〜中粒の軽石凝灰岩が位置する.上位層との境界は漸移的.


 この凝灰岩をとおりすぎてしばらく歩くと大桑層が上部層に移行する.上部層の主岩相は脆弱な黄褐色極細粒凝灰岩だが青灰色の部分もときおり見つかる.

 かつて上部層が見事に露出していた崖は植生にすっかり覆われていた.樽見が滑落し,冨井が蛇と出会った思い出の場所だ.それにかわって林道さらに奥に新しい露頭が見つかる.

 近づいてみたら山砂採取場だった.上部層の典型的な断面をここで観察することができた.ここでこの日の実習はとりあえず終了.


 午前11時に研究室に到着.今後の予定などを打ち合わせたのちに解散.


  • Camera: Fuji BigJob DS-270HD
  • Lens: Super EBC Fujinon 6.2mm f.2.8
  • GPS: Sony GPS-CS1K