富山県小矢部市北部〜石川県津幡町南部地域(フィ−ルド下見)

2007年7月16日(月) 担当:谷 英治,伊藤恒平,浅井健史


 4年生の卒業論文研究調査のフィ−ルドへ全員ででかけた.研究室を午前8時45分に出発.山側環状道路から国道8号線へ乗り換え,まず最東端となる谷の予定地へ向かった.小矢部市北部の桜町で国道から市内へ向かう道路に入る.城山町や石動(1)などで山側に入ってみたが露頭がまったく見あたらない.住宅地になっているせいもあるだろうが,沢の発達自体がきわめて未熟なようだ.


 石動には小矢部市が誇るメルヘンのひとつ,石動小学校の風変わりな建物がある.その前の保育所はまったくふつうの建物だ.

 小矢部市内をいったん離れて谷が化石層を発見したという同市北部の法楽へ向かった.到着したところはかつての砂取り場のあとのようだ(2).正面に植生が茂りつつあるものの大きな露頭がある.左手のため池沿いにも地層が露出する.

 巨大露頭の手前付近のみ見てみることにした.

 最下位のやや泥を帯びた細粒砂岩には斜交層理が発達する.その上位には貝化石が散在する細粒砂岩があり,そこに層厚10cmほどの淡褐色泥岩が挟在する.


 さらに上位をみていくとカシパンウニの化石がびっしりと集まった化石層があった.ホタテガイの化石もかなり含まれている.基質は中〜粗粒砂岩だ.地層は南東へ30度ほど傾斜している.まだまだ露頭は続いていたが,とりあえずはここまでにして車へ引き返した.

 続いて谷と伊藤の境界付近になる小矢部市安楽寺へ向かった.通称”サッカー場”と彼らが呼ぶ場所にも砂取り場があった(3).下位にあるのはきわめて軟らかい中〜粗粒の黄褐色砂岩.このずっと上位に暗灰色の泥質岩が位置する.

 ふたりのフィ−ルド境界になる道路に沿って車を走らせる.道路の左側には砂防ダムが並ぶ沢が続く(4).沢に下りれば露頭がありそうだが植生におおわれて詳細は不明だ.

 安楽寺付近も斜面が急で沢の発達が悪い.遠くに露頭が見えはするがたどり着くのはなかなか困難に見える(5).

 倶利伽羅峠へ登ったあと,伊藤と浅井の境界になる津幡町九折へ行った.民家の近くに車を止めて近くの沢に入ってみる(6).植生が深い.


 沢の途中に暗灰色の泥岩が露出していた.淡褐色の凝灰岩らしいものが挟在する.

 ここから浅井のフィ−ルド予定範囲を一回り.予想はしていたが北西部の鳥越あたりは水田ばかりで露頭の気配すらない(7).通りがかりの神社では火祭りの準備中だった.

 フィ−ルドの中央部付近となる宮田から上野にかけてはそれでも沢が発達する(8).しかし植生が深い.

 3人のフィ−ルドをぐるりと巡ったところで終了.研究室に引き返した.


本日のルート



  • Camera: Ricoh Caplio 500G wide
  • Lens: Ricoh Zoom Lens 5.8-17.4mm f.2.5-4.3
  • GPS: Sony GPS-CS1K