富山県小矢部市北西部〜石川県津幡町南部地域

2007年11月21日(水) 担当:伊藤恒平・浅井健史


 朝からみぞれの降るいやな天気だった.しかし,11月ももう下旬とあって雨をついてフィ−ルドへ行くことにした.午後9時半に角間キャンパスを公用車で出発.いつもの国道ルートで小矢部市へ入り,伊藤が担当する小矢部市北西部の安楽寺に車を止めた(1).ここから農道を歩いて沢へ向かう.


 目的の沢までちょっと距離がある.その途中,崩落した山の斜面に地層が露出しているのををみかける.

 民家の横をとおって一部植林された沢に入る.

 ちょっと風変わりな砂防ダムを乗り越えて沢の向こう側へ.


 水が流れる沢をややつめたところにその露頭があった.

 露頭の下の段には極細粒の淡青灰色凝灰岩が,上の段には白色中〜粗粒凝灰岩があった.

 粗粒の部分には炭化した植物の破片や小さな白色軽石が目立つ.基底部には厚さ4センチほどの極細粒白色凝灰岩がある.地層の傾斜は約80度とかなりきつい.


 沢のさらに奥には暗灰色の砂質泥岩が露出する.伊藤の話ではこの沢の奥にはこの岩相がずっと続くらしい.

 下の段の淡青灰色凝灰岩をみなおしてみる.層理面が薄く発達し,凝灰岩自体はきわめて緻密だ.

 露頭の観察を終えたところで沢を下りた.


 乗り越えるダムから初冬の水田がみえる.

 沢をでたところでは,以前に訪れた谷のフィ−ルドが遠く望まれる.

 びっしりと実をつけたナンテンを愛でながら車へ戻る.

 民家の軒下には雪が残っていた.冬眠しそこねたらしいアオダイショウを浅井がキャッチアンドリリース.車へ戻って次の露頭へ移動した.

 国道を引き返して浅井が担当する津幡町南部へ移動した.ラブホで左折し農道へ入り,水田の奥にある沢の入り口へ到着した(2).以前に訪れたときにはびっしりとした植生だったが,この季節とあって植物はほとんど枯れ果てていた.


 途中でみつけた泥質砂岩の露頭.中〜粗粒砂岩の薄層が不規則に挟在する.

 ここで走向傾斜を測って沢の奥へ移動する.

 谷と伊藤がじつにみごとな層理面を削りだしていた.下位にあるのは青灰色の砂質泥岩.この上面で走向傾斜を測定しなおす.


 上位には凝灰岩といえそうな粗粒の堆積岩が位置している.白色軽石が多量に含まれている.

 二枚貝の化石がでるというさらに奥の露頭へ移動.

 前の露頭とほぼ同じ岩相の粗粒堆積岩だった.やはり凝灰岩といえそうなものだ.浅井があっさりと二枚貝のモールドを見つけだす.


 沢をさらに奥へと進む.


 ここにも白色軽石を多量に含む粗粒堆積岩がある.これだけ特徴的な岩相ならば既知の凝灰岩との対比も可能だろう.

 天候が崩れはじめたこともあってここで調査をおしまいにした.

 車に乗ったところでまたみぞれが降ってきた.道の駅でのミーティングののちに,午後1時に角間キャンパスに到着.


本日の走行ルート


本日の露頭位置


  • Camera: Ricoh Caplio 500G wide
  • Lens: Ricoh Zoom Lens 5.8-17.4mm f.2.5-4.3
  • GPS: Sony GPS-CS1K