淡青丸KT00-17次航海(Leg. 1)

東シナ海〜西南日本沖太平洋(2000年12月10日〜17日:その1)


12月10日(金沢→新大阪→伊丹→長崎)

 時間に十分な余裕をもって自宅を出たものの,金沢市内の思わぬ渋滞のため予定の列車に乗り遅れた.しかたなく金沢発15時15分の雷鳥35号に飛び乗る.新大阪駅から長崎行き飛行機の出発まで1時間もない.間に合うかどうか心配しながらも駅弁で夕食を済ませておく.


 午後6時5分に新大阪に到着しタクシーで伊丹空港へ向かった.しかし,こんどは大阪市内で渋滞に巻き込まれた.タクシーの機転のおかげで午後6時40分に伊丹空港にやっと到着する.ぎりぎりで間に合った.手早く搭乗手続きを済ませ荷物を預けて機内へ入る.これで一安心だ.長崎空港からは空港バスで市内へ.そしてバスセンターから歩いてサンルートホテル長崎へ向かった.

12月11日(長崎→東シナ海:男女海盆測線)

 午前9時50分に海洋研究所の黒田君がホテルにやってきた.淡青丸に手荷物を運んだあとで市街地へ向かう.中華街で昼食をとり乗船中の食料などを長崎ダイエーで買いそろえて12時半に再乗船.船は予定より30分遅れの14時半に長崎港を出港した.風がとても強いのが気がかりだ.



 坂で有名な長崎らしく港も山で囲まれている.切り立った崖を形作っているのは長崎火山岩類の安山岩類だろうか.

 午後3時からの航海打合会で主任の太田教授から観測概要の説明があった.この航海最初の観測が男女海盆測線での表層採泥となる.急いで機器を準備しているうちに最初の測点に到着した.時刻は午後3時50分.ややうねりはあるものの作業に支障はない.水深52mの測点G1では貝殻混じりのオリーブ色をした細粒砂が回収できた.褐色の表層堆積物もきれいに残っている.オケアン採泥器の調子はあいかわらずいいようだ.

 午後4時半に測点G2に到着.うねりがやや高くなってきた.水深74mのこの測点でも貝殻混じりのオリーブ色細粒砂が回収された.表層部のみは褐色をしている.

 採集した海底堆積物は各研究対象ごとに試料を取り分ける.介形虫などの微小生物用試料にはすぐに中和ホルマリンを添加する.この航海が初めての海洋調査となる黒田君はとても元気だ.船に酔った気配もない.測点G3の堆積物もこれまでのものとほぼ同じだった.しかし,水深125mの測点G4では貝殻片を多量に含む細〜中粒砂が採れた.

 堆積物チームのサンプリングが終わったあとの試料は,生物チームが目の粗い篩ごしに水洗し貝殻などの粗粒物を取り出す.

 そしてソーティング作業が始まる.

 水深156mの測点G5の堆積物も貝殻混じりのオリーブ色をした細粒砂だった.そして午後8時半に測点G6に到着したものの,高さを増してきたうねりのため観測中止となった.今日の観測記録をとりまとめ,ウイスキーを軽くあおって午後11時半に就寝.

  • Camera: Pentax Z-20
  • Lense: SMC Pentax-FA Zoom 28-80mm f.3.5-5.6
  • Film: Fujicolour Reala Ace
  • Scanner: Epson FS-1200WINS