トンレサップ湖調査TS21−1

2000年11月18日〜12月5日

(その1:11月18日〜20日)


11月18日(土):金沢→関西空港

 午後4時半に自宅からバスでJR金沢駅へ向かう.駅のショッピングアーケードで現地へのおみやげを買い込み,午後5時58分発のサンダーバードで金沢を出発した.今日は日和がよいのだろうか,車内には結婚式帰りらしい人々の姿が多い.持参した新書「ビルマ」を読んでいるうちに新大阪駅に到着.そこで関空特急はるかに乗り換えると,乗客は新婚旅行客にかわった.JR日根野駅で普通列車に乗り換えてりんくうタウン駅で下車.そこから関西エアポートワシントンホテルへ向かった.部屋に入りビールをのみながらおみやげ類をスーツケースに移し替えておく.そして本の続きを読み午後11時半に就寝した.


11月19日(日):関西空港→バンコク→プノンペン

 午前7時半に起床し昨夜のうちに買っておいたパンとコーヒーとで軽い朝食を済ませる.すべての身の回り品を確認し午前9時にホテルの送迎サービス車にて関西空港へ.10分たらずで空港に到着し,宅配便で送ってあった調査用機材入りのコンテナをまず受け取った.そしてすぐに日本航空の搭乗カウンターへ.この時期なのにカウンターには長い列ができていた.30分ほど待ってようやくチェックイン.スーツケースとコンテナはプノンペンまであずけることにしたが,合計重量が36キロもあったため超過料金を払うはめになった.

 空港2階の三菱銀行で用意してあった円を米ドルに換金する.私費と公費とを合わせると3センチほどの厚さの札束になる.顔なじみになってしまった銀行員の方がチャック付きビニール袋をたくさんくれた.札束を3つに分けてその袋に入れ,それをバッグの底にしまいこんで銀行をあとにする.そして,やはり長い行列ができていた北ウイングで出国手続きをすませ出国ロビーへ入った.

 午前10時40分に機内へ入った.搭乗機JL/TG623便は修学旅行らしい高校生の団体でほぼ満席.20分ほど機内で待たされたあとで飛行機は関西空港を離陸した.しばらくの間,窓の下には神戸の街並みがよく見えていたがそれもすぐに雲に覆われてしまった.

 

 

 眼下には延々と雲が続いていた.せっかくの窓際の席だったにもかかわらず,機内食を食べ,サービスのビールやワインをのみ,持参した本を読みながら時間をすごす.バンコク到着まであと1時間ほどになり,飛行機が高度を下げ始めたところで地表が見えるようになってきた.乾季の赤茶けた大地が広がっている.東北タイのダム湖が目にとまる.

 

 

 遠くみえるコーラット高原は雲に覆われていた.きちんと規格化されたバンコク平野の農地が見えるようになる.そして現地時刻午後3時半に飛行機はバンコクのドン・ムアン国際空港に到着した

 

 

 すぐにタイ航空カウンターでプノンペン行きのTG698便にチェックインする.乗り換え時間が1時間もないためこれが少々慌ただしい.手続きを済ませて搭乗ロビーへ入るとすぐに機内へと案内され,飛行機はその30分後に離陸していった.機内は日本からの観光客で半分ほどがうまっている.眼下にバンコクの街並みがよく見えていた.

 

 

 飛行機がカンボジアとの国境にさしかかったあたりから視界が雲でさえぎられてしまった.また機内食にビールとワインで時間をすごす.カンボジア入国書類を書いていると飛行機はだんだんと高度を下げ始めた.遠くにトンレサップ川が見えている.9月よりも洪水の面積はせばまったようだが,それでも川の両側にはまだ水があふれている.

 

 

 午後5時半にプノンペンのポチェトン国際空港に到着した.

 

 

 空港での入国手続きはすぐに終わったが,手荷物を受け取るのに1時間ほども待たされた.外へ出ると日はすっかり落ちている.ホテルからの送迎サービスタクシーでプノンペン市内へ.途中で渋滞もあったが30分ほどでダイヤモンドホテルに到着しチェックイン.部屋に入ってスーツケースとコンテナを開き,機材に損傷がないことを確かめておく.それから街へでて軽い食事をとり,部屋に戻ってシャワーを浴びてすぐにベッドへ入った.


11月 20日(月):プノンペン

 午前7時半に起床する.移動のあとのせいか熟睡できたようだ.階下のカフェで朝食をすませ,それからいつもの床屋で髪を短めに整えてもらう.

 

 中央市場のカフェでコーヒーをのみながら今日の行動予定を確認しておく.コーヒー一杯が500リエル.日本円ならば15円くらい.

 

 

 北京飯店での水餃子の昼食後,メコン河委員会本部へ堀米氏を訪ねた.今回の調査目的や期間などの説明だけのつもりだったが,さまざまに話が弾んですっかり長居してしまった.それから環境省へ向かいトンレサップ計画主任のボンヘア氏と面会した.同じように調査の概要などを伝え,ついでにトンレサップ湖にかかわる内外の情勢を聞き込んでおく.

 そしてホテルカンボジアーナ近くのトンレサップ川を見に行った.メコン河がトンレサップ川と合流し,そこからさらにメコン本流とバサック川とに分かれるところだ.水位は9月よりも2メートルほど下がっていた.岸近くには川底が一部露出している.日没間際だったために地形の起伏がよくわかる.

 

 

 9月にはかなりの部分が冠水していたチュロイチャンバーの先っぽも離水していた.

 

 

 午後5時すぎにホテルのロビーでカンボジア地質調査所のシエン・ソタム氏と会った.もう5年のつきあいとなる彼は,今回の調査でのカンボジア側リーダーとなる.調査日程やカンボジア側の希望などについて最終的な打ち合わせを済ませ,彼を見送りついでに街を歩いた.モニバン通りに沿って南へ歩いていくと,大きなスーパーマーケットが開店していた.店内には輸入品を中心とする食料品や日用雑貨などが整然と並んでいる.値段はやや高めのようだ.そして夕食を済ませてホテルへ戻った.

 

 部屋に戻ったときには午後10時を回っていた.すぐにシャワーを浴び,明日の行動予定を確認してからベッドに入った.