トンレサップ湖調査TS21−1

2000年11月18日〜12月5日

(その14:12月2日)


12月2日(土):シェムリアプ→プノンペン

 今日はプノンペンへ戻る日だ.時間はたっぷりあったので午前7時半にゆっくりと起床して朝食をとる.食事のあとでメンバー内での会計精算を済ませ,ソタムと相談のうえで調査機材を5月の本調査まで預かってもらう手続きをしておく.これで帰りの荷がずいぶん軽く楽になった.それから調査資料のコピーを取りPITトラベルのシェムリアプ営業所で車代などの支払いを済ませ,ホテルに戻って最終的な荷造りをする.日本へ持ち帰る試料類は輸入制限重量を超えないように秤で正確な重さを量っておく.

 おおまかな出発準備が整ったところで市場へ行っておみやげを買うことにした.スーツケースの隙間がきっちり埋まるようにTシャツや絹織物などをアセイの店で買ってホテルに戻った.そしてホテルでの昼食後すぐにホテルへの支払いを済ませ,最終荷造りを終えて午後2時に空港へと出発した.

 午後2時半に空港に到着.プノンペンへ帰る9名はすぐにチェックインを終えて出発ロビーへ入ることができたが,ここからバンコクへと出国する尾田さんだけがまだチェックインできない.そこでナリンを通訳に残しておいたところ,彼はひとつ前の便に空席を見つけてくれたばかりか出国手続きまで手際よく終えてくれた.そして午後4時にまず尾田さんの乗ったバンコク航空PG967便がバンコクへと離陸していった.その30分後に残る9人の乗るロイヤルカンボジア航空VJ371便がプノンペンへと離陸した.

 飛行機の窓からトンレサップ湖がよく見えていた.かなりの内陸部にまで水が浸入している.

 

 

 トンレサップ湖の北部と南部とを分けるくびれのあたりは,浸入してきた水のため複雑な水路網が形成されている.

 

 

 飛行機が湖の南端部にさしかかる.乾季にはよく見える三角州もその大部分が水没していた.

 

 

 トンレサップ湖とトンレサップ川とが連絡するあたり.ここも増水のため複雑な水路が形作られている.

 

 

 トンレサップ川のちょうど中間あたり.独特の二重蛇行をするこのあたりでも水は河道から大きくあふれている.

 

 

 プノンペンのポチェトン空港に近づいた飛行機は徐々に高度を下げはじめた.大地のほとんどが水に被われている.遠くにメコン河が見えてくる.

 

 

 空港へ向けて飛行機が大きく旋回する.眼下には水没からまぬがれた地表には水田や畑が広がっている.

 

 

 ポチェトン空港には午後5時すぎに到着した.ここで調査チームは解散となる.頼んでおいた迎えの車に分乗し,カンボジア側メンバーは調査所へ立ち寄ってからそれぞれの自宅へ.一方,日本側メンバーとダラスとは宿泊先のダイヤモンドホテルへ向かった.310号室にチェックインして手荷物を改めたところ,今日の前半を撮影したフィルムを落としていることに気づいた.おそらく飛行機の中で膝から転げ落ちたのだろう.がっかりだ.

 夕食はメコン河委員会の堀米さんと上智大学の笹川君を迎えてホテル近くの台湾料理店に行った.料理はうまいしすべての予定が無事に終わったこともあって食事も話もはずむ.それからホテルでさらに飲み直し,ベッドに入ったときには午前0時近くになっていた.