トンレサップ湖調査TS21−1

2000年11月18日〜12月5日

(その16:12月4日〜5日)


12月4日(月):バンコク→機内

 今日は午後からチュラロンコン大学を訪問する予定だった.そして深夜便で帰国の途につくことになる.ゆっくりと起床して遅めの朝食を済ませ,それからホテルのプールサイドで午前中をのんびりとすごすことにする.午前11時に全員そろってチェックアウト.タクシーでサイアム・スクエアへまず向かう.ワールドトレーディングセンターをちょっとのぞき,その向かい側のナライ・パンで昼食をとったあとぶらぶらと歩いてチュラロンコン大学へ向かった.

 15分ほど歩いたところで大学が見えてきた.しかし,大学のキャンパスがとても広いうえにタナワットのいる地質学教室は敷地の反対側にある.大学の塀に沿ってさらに歩いていくと,道路端には学生たちが乗ってきたらしい自家用車がびっしりと止めてあった.2車線の道路に2列の縦列駐車.前後の車のバンパーはぴったりとくっついている.いったいどうやって車を出すのだろう?

 

 

 15分ほどでようやく南側の入り口にたどり着いた.そこからキャンパス内をさらに10分ほど歩いてようやく地質学教室ビルの目印になる恐竜模型が見えてきた.

 

 

 まずタナワットの部屋でコーヒーをいただき,それから学科長のソンチャイ博士へ挨拶したあとで図書室に案内された.資料類がとてもよく整えられている.東南アジアの地質関係の書籍も豊富においてある.

 

 

 続いて教室の博物館へ案内される.北部タイの炭田地質断面を描いたこの模型が気に入った.そして最後にバンコク平野のボーリング試料を見せてもらった.タナワット自慢の試料だし,東南アジアの海洋環境変遷史を調べるには絶好の試料だろう.いくつかの層準から試料をとってさっそく顕微鏡で見せてもらう.

 

 

 午後7時からタナワットが経営するレストラン「シーユー」で夕食をごちそうになる.ここから空港へ向かって出国するだけなので気が楽だ.彼自慢のうまい料理が次々と運ばれてくる.冷えたビールがとてもうまい.神谷さんのテンションがだんだんと上がってくる.

 

 

 店でアルバイトをするユーンも同席してくれた.神谷さんのテンションがますます上がる.通りかかったゾウに餌付けまではじめる.

 

 

 絶好調の神谷さんに対して,ユーンと並んだ小沢君は緊張する一方.無言のまま料理をひたすら口に運ぶ.

 

 

帰り際にプリクラ写真をもらった.

 

 午後10時にタナワットらと別れてドン・ムアン空港へ向かった.預けてあった手荷物を受け取って日本航空の搭乗カウンターでJL622便にチェックイン.それからパスポート審査を終えて出発ロビーへ.飲み過ぎた神谷さんはつらそうだし,食べ過ぎた小沢君も苦しそうにしている.まったく別の行動をとる師弟ながら,両者ともに似たような結果に陥るものだと感心する.そして午後11時半に機内へと案内され,搭乗機は深夜0時ちょうどに関西空港に向けて離陸していった.


12月5日(火):関西空港→金沢

 例によってあまり熟睡できないまま午前6時半に関西空港に到着した.帰国手続きを済ませ,手荷物を受け取って植物防疫所で持ち帰った試料の検査を受ける.そして空港の外へ出た.12月の日本はさすがに寒い.熱帯から戻ったばかりなのでなおさらだ.列車の出発まで1時間ほどもあったため,寒さしのぎに空港内にある日航ホテルの喫茶店に入った.ホテル内はクリスマス一色.クリスマスツリーが立ち並びジングルベルがどこからか聞こえてくる.

 

 

二日酔いで苦しむ人もいる.

 

 午前8時半の「はるか」で関西空港を発ち,新大阪で金沢行きの「スーパー雷鳥」へ乗り換える.眠気覚ましのコーヒーがうまい.たわわになった柿の実に昨夜までいた熱帯との違いをふと感じる.

 

 

そして午後0時24分.JR金沢駅に無事到着.


トンレサップ湖調査TS21−1参加者

 前列左から,金沢大学理学部神谷隆宏助教授,カンボジア地質調査所地質部門イム・シム研究員,同トッチェ・サンバース研究員,同ベン・ブンナリン研究員,同シエン・ソタム地質部門副部長.後列左から金沢大学理学部加藤道雄教授,東北大学理学部尾田太良教授,金沢大学大学院自然科学研究科小沢広和氏,ニュージーランド地質調査所ダラス・マイルデンホール博士,そしてわたし.