南タイの津波堆積物,大気汚染,およびカンボジアEMSB渡航

2006年2月25日〜3月14日(その13:3月10日)


2006年3月10日(金):プノンペン→シェムリアプ

 午前8時にダイヤモンドホテルをチェックアウトして空港へ向かう.同行するのは荒木のみ.大八木は早朝便ですでに出発していた.一方,夕方帰国する石川はプノンペンにそのまま残る.30分ほどで空港に到着.シェムリアプ行きFTにチェックインし待合室で搭乗を待つ.


 午前9時15分に搭乗した.高翼式のATRなので窓からの視界は広い.

 ATRはすぐに飛行場を飛び立った.砂取り場らしい水のたまった土地が眼下を過ぎる.

 ここは宅地として造成中なのだろうか.

 高度を上げ続ける飛行機はプノンペン郊外の田園地帯上空にさしかかった.

 国道5号線がまっすぐに走る.

 ときおり雲に遮られるものの視界は良好だ.

 ときおり赤外線に切り替えてみる.地表の微地形がよくわかるようになった.

 道路沿いに密集する住宅群.

 雲がだんだん多くなってきた.

 大気もかすんできた.通常光では地表のようすはほとんどわからない.

 赤外線にすると蛇行する河川などが見えてきた.コンポンチュナンの西方あたりだろうか.

 トンレサップ湖の湖岸線が視野にいきなりとびこんできた.

 湖南部のチュノック・トゥルーあたりのようだ.岸沿いに密集する水上住宅群がみえる.

 密集地帯を離れても岸に沿って水上住宅が並ぶ.

 小湾内や河口付近に住居は集まっているようだ.

 陸地と湖とが複雑に入り組んでいる.

 ここは湖南西部にある特徴的な岬だ.

 前方にカメラを向けるとぼんやりとではあるが複雑に入り組んだ湖岸線が見えてきた.

 通常光だと茶色く濁った湖水の色がよくわかる.

 飛行機は北東岸にだんだんと近づいていく.

 湖北部の浸水林地帯上空を通過した.

 沿岸の浸水林域の背後に奇妙な形の水路がある.

 その水路は内陸へ向かってさらに複雑に入り組んでいる.地表の明度が微妙に異なって見えるのは植生の違いでも反映しているのだろうか.

 長大にのびる水路かと思っていたのは河川だった.

 浸水林の背後には広大な氾濫原が広がっている.

 わずかな起伏が地表に認められるようになってきた.

 氾濫原のさらに内陸側に田畑がある.直線的に伸びるのは湖へ通じる道路だろう.

 氾濫原と田園地帯との境界がよくわかる.増水期になるとこのあたりにまで湖水が達するはずだ.

 田畑は思ったよりも直線的に規格化されている.

 道路や住宅がだんだんと増え始めてきた.

 村落らしいものも見うけられる.

 人工的な水路がまっすぐに延びる.水路沿いに道路が走る.

 内陸に向かうにつれて大地の色が茶色く変わってきた.

 集落がだんだんと増えてくる.遠くに西バライも見えてきた.

 乾季の渇水期に備えてのため池群が姿を現す.

 そして午前10時過ぎにシェムリアプ空港に着陸した.空港で待っていてくれたペンの車に乗り込んで市内のタプロームホテルへ向かう.

 先に到着していた大八木,そして日本語ガイドのポーキーとホテルで落ち合った.すぐに107号室にチェックイン.そして遺跡整備機構森林・森部門の事務所で今後の調査予定などについての打合せを1時間ほど.

 ホテルへ戻りモノロムレストランでの昼食後に湖へ向けて出発した.舗装道路を南下する.

 氾濫原域を道路はまっすぐに湖へ延びる.プノンクロムが遠くに見える.

 道路の途中にある観光省のチェックポイントを通過し,プノンクロム山麓あたりから未舗装の道路に入った.

 竹を山のように積み込んだトラックがすぐ前を走る.右手の乾き上がった水路内では砂の採掘が進んでいた.ユンボの姿がある.くるたびに砂の採掘が大規模になっていくようだ.

 午後2時15分に水路沿いにある船着場に到着する.

 サメットの船を一艘借り上げて湖へ向かった.

 すれ違うのに苦労するほど水路は狭い.岸には枯れ木を集めているらしいトラックの姿がある.

 船は水路をさらに南下する.

 地元民の漁をする姿があちこちにある.

 水上小中学校が見えてきた.完成したばかりの派手な体育施設が目立っている.

 午後の授業が始まっているせいか子どもたちの姿は外には見えない.

 水上学校をすぎたところで視界がいっきに開けた.湖に到着だ.

 船はゆっくりと水上住宅群に近づいていく.これから学校へ向かうらしい子どもたちの乗った小舟がそばを通り過ぎていく.遅刻だろうか・・・.

 湖水は茶色く濁っていた.透明度は10センチもないだろう.

 水上集落群を抜けたあたりで観測タワーが遠くに見えてきた.

 何を思ったのかじっと見つめ合う大八木と荒木.

 午後2時45分,観測タワーに到着.低水位のためタワーは湖面から遙か上にそびえ立つ.

 荒木はタワーに登って湖畔の植生観察.

 一方の大八木は水に入って設置してある測器捜し.ただ,残念なことに測器は誰かに盗まれていた.

 観測タワーをあとにする.

 プノンクロムがはるか遠くに見える.荒木の調査地のひとつ,湖畔の森へ船首を向ける.

 その湖畔の森がだんだん近づいてきた.

 沿岸は浅すぎて船を森に近づけることができなかった.

 今日は予備調査ということで荒木は船から森を観察し始めた.

 岸から沖へ向かって網が長く延びる.

 湖畔の森を離れてふたたび水上集落内へ.

 水路からは遊覧船が次々と湖にやってくる.

 観光客の夕方クルージングだろう.トンレサップ湖の夕日が観光の目玉になりつつあると聞いた.

 水上学校の横を通過する.

 授業が終わったのか子どもたちの姿がある.

 水路を船着場へ引き返す.

 午後4時前に船着場へ到着.船への支払いを済ませて待たせていたペンの車に乗り込んだ.

 道幅こそ以前より広くなったがあいかわらずの凸凹道だ.

 シェムリアプ市内へ入りかけたあたりで車を止める.ここで大八木がシェムリアプ川の水を採集した.

 午後4時半にホテルへ戻る.すぐにシャワーを浴びて部屋で一休み.昼食に続いてホテル近くのモノロムレストランで夕食をとる.NHKの小阪田さんと廣田さんがここで合流した.その後は市内の飲み屋をハシゴしてまわる.タイガーカフェ,ウェアハウスバー,そしてゾーンT・・・.

−3月10日の観測ルート−


  • Camera: Sony Handycam PC120 NTSC, Pentax Optio WPi and Pentax MZ-30
  • Lense: Carl Zeiss Vario-Sonner 4.2-42mm f.1.8 T*, SMC Pentax Zoom 6.3-18.9mm f.2.6-4.8 and SMC Pentax-FA Zoom 28-70mm f.4
  • Film: Fuji Reala Ace
  • Scanner: Canon Canoscan FS-4000US