地学実験の記録
2001年度前期(その2:6月1日〜7月13日)

6月1日:野外調査実習(4.小二又)

 今日が最後の野外調査実習となる.実際の野外調査の雰囲気を受講生に味わってもらうため小二又を流れる金腐川に沿って歩いた.まずは小二又の4つ角付近にある川沿いののり面から.ここには大桑層中部の貝化石層が挟在する細粒砂岩が露出している.高所の観察にはTAの陰地君が補助を務める.

 
 
 
 このあたりの金腐川の両岸は完全に護岸されているため道路に沿って下流へと歩く.途中に軽石を盛り上げた奇妙な砂山があった.
 
 
 
 途中で河床に降りた.ここでは高窪層最上部の上涌波凝灰岩とその上位の大桑層との不整合を見ることができる.そこから川を下ってゆくものの,途中の崖崩れで一部増水していたためさらに下流へは行くことができなかった.
 
 
 
 最後に途中の小沢に入った.受講生たちは初めての崖登りを楽しんでいる.沢全面の露頭にさえ目がいかないようすだ.
 

6月8日:貝化石の整形と観察(学生実験室)

 5月25日に採集してきた貝化石の整形と鑑定がこの日の課題.TAの小沢君がよく指導してくれる.

 
 
 
 貝化石が次々ときれいになっていく.その一方でときどき「きゃ!」と悲鳴があがる.
 

6月15日:介形虫化石の観察(学生実験室)

 この日は東京で海洋調査の打合会があった.共同担当者の加藤さんとTAの小沢君が指導してくれた.


6月22日:浮遊性有孔虫化石の観察(学生実験室)

 担当の加藤さんが出張だったため,その代理で浮遊性化石の観察実験を受け持った.試料は1992年の白鳳丸航海で持ち帰った西赤道太平洋の石灰質軟泥を洗ったもの.ほとんどが浮遊性有孔虫で,底生有孔虫や放散虫がわずかに含まれている.受講生にとってはもっとも扱いやすい試料のはずだ.

 
 
 
 目についた浮遊性有孔虫をつぎつぎに拾い出す.面相筆のあつかいにもだんだんと慣れてくる.
 
 
 
 浮遊性有孔虫の拾い出しが終わったら,次に群集スライド上で種類ごとに分類する.
 
 
 
 そして代表的な6種類のスケッチをとり,それからテキストと比べながら種名を決める.

6月29日:底生有孔虫化石の観察(学生実験室)

 加藤さんの指導のもとで底生有孔虫化石の観察.まず30分ほど講義があった.6月末とあって実験室内はとても暑い.これに加えて昼食後のせいか受講生たちの目が次第に閉じてくる.

 
 
 
 講義のあとには前回と同じく有孔虫化石の拾い出し作業となる.今回使用した長手島の試料には多量の砂粒も含まれる.その中から有孔虫化石を拾い出すのは大変だったようだ.
 

7月6日:地質図学実習?(学生実験室)

 この日は名古屋で応用地質学会中部支部会の評議会だった.共同担当者の加藤さんから地質図学実習をやったと聞いているが・・・?


7月13日:成績評価(学生実験室)

 午後1時から学生実験室にて成績評価(いわゆる期末試験).その後は実験室の私物などを片づけてもらい,午後5時から大桑の河原で打ち上げがわりの芋煮会. 途中から激しい雨にたたられたうえにできあがった芋煮はまるで味噌汁.これに加えて酔っぱらいが一名誕生.さんざんな打ち上げだった.