地学実験の記録
2001年度前期(その1:4月13日〜5月25日)

4月13日:ガイダンス

 受講生は女子ばかり7名だった.全員が教育学部と文学部.学生実験室で説明のあと棟外に出て歩測の練習をする.それから角間キャンパス裏手に露頭を見に行った.元気のいい学生が多いようだ.たまたま帯磁率を測りにきていた東京大学海洋研究所大学院の黒田潤一郎君もこの小巡検につきあってくれた.


4月20日:野外調査実習(1.野田山)

 高尾地区に行けなくなったため今回も野田山へ行くことになった.新しく研究室配属となった3人の4年生を連れて行くものの,受講生は2名減って5名になっていた.これに教官2名と院生のTAが2名加わって総勢合計12名.大型バスがちょっともったいない.野田山墓地あたりで下車して道路に沿って露頭を眺めていく.春とは思えないほどに寒い日だ.大桑層から高窪層,そして下荒屋層を見たところで終わりにした.


4月27日:野外調査実習(2.上辰巳)

 前回とはうってかわった好天の中での実習になった.金沢市上辰巳の犀川右岸を崖づたいに歩いて最初の観察地点へと向かう.川岸に露出する砂子坂層をまず観察する.

 
 
 
 化石を見つけた受講生たちはうれしそうだ.いつまでもハンマーで露頭をたたき続ける.
 
 
 
 最初の露頭での観察を終えたあと,上流側で川を渡って対岸から露頭を眺める.引き続いて河床に露出する砂子坂層の断層面を見てもらう.
 
 
 
 引き返して犀川左岸の崖を遠くからまず見学する.これも砂子坂層.大規模な斜交層理の発達が著しい.
 
 
 
 対岸に渡って砂子坂層の凝灰質泥岩から植物化石を探す.見事な葉っぱの化石がみつかっていた.
 

5月11日,18日:岩石学実験(岩石薄片試料の作り方)

 海外渡航のため教育学部の酒寄淳史さんにこの期間の代行をお願いした.


5月25日:野外調査実習(3.大桑)

 5月末とは思えないほどの肌寒い日だった.天気予報は見事にはずれ.今にも雨が降りそうな空模様でもあったが,この日は化石がたくさん採れることで有名な大桑町の犀川河原に行った.まず上流側で犀川層を見学する.それから下流側へと歩いて犀川層と大桑層との不整合を観察してもらう.

 
 
 
 さらに下流側へと歩いて大桑層の細粒砂岩に挟在する白色火山灰層を観察し,それから大桑層中部に発達する貝化石層を叩いてもらった.
 
 
 
 そしてさらに下流側へと行ってここで教育学部地学実験の受講生たちと合流した.先方の引率指導は酒寄さん.教育学部の受講生たちも熱心に化石を掘っていた.そのかたわらで何を思ってたたずむのか酒寄さん?
 
 
 
 大きなホタテガイの化石が掘り出される.それを前に自慢げな受講生たち.
 
 
 
 この日は実験終了後に犀川の河原で懇親バーベキュー開催の予定だったが,あいにくの小雨模様のためそれも中止.しかし,納得しない受講生たちのために実験室内にての焼き肉パーティを開催した(その模様はこちら).