地学実験の記録
2001年度後期(その1:10月5日〜11月9日)

10月5日:ガイダンス(地学学生実験室)

 この日は東京出張だったため,後期担当者の加藤さんとTAの小沢君がガイダンスをやってくれた.受講生は女子2名のみだという.しかも,最初はたったの1名で,その彼女が友人をあとから引っ張ってきたときいた.


10月12日:地形図実習(1)および野外調査実習(1.戸室山など)

 朝から雨模様の日だった.官用車の予約はしておいたが正午ころに雨が激しくなったため野外実習は中止.しかし「地形図の読み方」を説明し実際に書いてもらい始めたところで雨があがり晴れ間も見えてきた.学生たちも地形図にあきてきたようだ.そこでキャンパス近辺の地形を見に行くことにした.まず戸室山を見晴らすところで火山地形や崩壊地形の説明をする.


 それから田島で堆積岩地形をながめ,手近にあった露頭でハンマーをふるってもらうことにした.

10月19日:野外調査実習(2:上辰巳)

 朝から肌寒い日だったが2回目の実習に上辰巳へ行った.天気はいい.犀川沿いの崖をつたって歩き,川が曲がるあたりにある砂子坂層の露頭を見てもらう.ふたりともバランスよく歩いてくれる.加藤さんは手前で化石を掘り始めた.

  

 熱心に露頭を調べるふたり.ひととおり地層をみてもらったあとで地質や化石についての説明をしておく.
  

 砂子坂層の緑っぽい灰色をした凝灰質砂岩.層準によっては貝化石がたくさん見つかる.

 続いて犀川を下流に向かって引き返し,川が東へと曲がるあたりの砂子坂層上部を見に行った.ここには辰巳用水の取水口がある.また,その対岸には研究室で崖渡り競争を例年開催する崖もある.

 砂子坂層上部の凝灰質細粒砂岩からはたくさんの植物化石が見つかる.

 秋も深まってきたせいか午後4時になるともう露頭を観察できないほどに暗くなる.駐車場の水たまりから生きているオストラコーダを採集して大学に戻った.

10月26日:地形図学実習(2:地学学生実験室)

 この日は海外出張だったため,加藤さんとTAの小沢君が地形図学実習をやってくれた.


11月2日:大学祭のため休講

11月9日:野外調査実習(3:大桑)

 朝からすっきりとしない天気だったが第3回目の野外実習として大桑町の犀川河原に行った.雨天続きだったせいかかなりの水量だ.


 まず上流側へ行って犀川層の観察をしてもらう.暖流系の貝化石や植物破片,軽石がなどが凝灰質の基質中に散在している.

 それから犀川層と大桑層との不整合面をこえて下流側へ向かった.流水による浸食のため,河床の不整合面には大きな段差ができている.

 大桑層の説明をきいたあとで貝化石の採集にとりかかった.ふたりの受講生は思い思いの場所をたたき始める.

 やっと掘り上げかかった貝化石にハンマーの一撃が入ってしまう.苦労しながらもいくらかの化石は採集できたようだ.

日が傾き始めた午後4時に現地作業を終了し大学へと戻った.

  • Camera: Olympus Pen F and Konica現場監督WB
  • Lens: F-Zuiko 38mm f.1.8 and Konica Lens 35mm f.3.5
  • Film: Fujicolour Super 400
  • Scanner: Epson FS-1200WINS