地学実験の記録
2002年度後期(その5:12月20日〜1月31日)

12月20日:有孔虫化石の鏡下観察(その1:地学学生実験室)

 カンボジア出張中のこの日は,加藤さんが有孔虫化石の拾い出しと鑑定実習とを行った.帰国してみたら拾い出しの道具一式と受講生たちが残したスケッチが実験台に置いてあった.


12月26日:有孔虫化石の鏡下観察(その2:地学学生実験室)

 もうすぐ誕生日を迎える受講生のためのケーキ作りに始まった.


 TAの陰地章仁が不器用ながらもケーキ作りを手伝う.生地がだんだんとできあがってきた.


 生地を流し込む型は段ボール箱から作ったもの.一辺が36センチの正方形だ.粒度分析用のふるいがこんなところでも活躍している.

 そして午後1時から地学実験の開始.今回も加藤さんの指導で底生有孔虫化石の拾い出しと鑑定を行った.最初に底生有孔虫についての講義がある.

 今回の試料は能登半島の海岸で加藤さん自身が採集してきたものだ.どんな有孔虫があるのか最初は全体をざっとながめてみる.

 それから個々の有孔虫を試料の中から拾い出す.

 殻の巻き方を描いた資料を参考に拾い出した有孔虫を群集スライドに並べていく.

 となりの実験台では地質図のまとめに悩む学生たちの姿もあった.

 休憩時間には焼き上げてからよくさましたケーキに飾り付け.ブッシュドノエルらしい形ができあがってきた.

 そしてふたたび実験台へ戻って実習の続きにとりかかる.

 殻の巻き方を基準に拾い出した有孔虫から5種類を選んでスケッチをとる.

 すべての実習を終えてケーキに入刀となった.見事なブッシュドノエルができあがっていた.

1月10日:偏光顕微鏡による岩石薄片試料の鏡下観察(地学学生実験室)

 昨年暮れに作ってもらった2枚の岩石薄片試料を観察してもらった.偏光顕微鏡の仕組みをおおざっぱに説明し,試料となるカコウ岩とゲンブ岩についても簡単な説明を加え,それから実習を開始した.黒板に書いたそれぞれの鉱物の特徴をたよりにスケッチをとりつつ構成鉱物を鑑定してもらう.鉱物の配列や形にも注意をはらってもらった.

 
 
 
 最初に初日に作ったカコウ岩から,そしてそれがすんだらゲンブ岩の観察に入る.実習終了時刻の間際になると受講生たちはかなりくたびれたようすだった.それでもおしまいにはまあまあのスケッチができあがっていた.
 

 それにしても投光器がかなり古くなってきた.昭和40年ころの製品だからいたしかたないことかもしれない.今日は新年早々の地学実験とあってお菓子の差し入れが2件あった.
 

1月24日:水系図と空中写真の判読(地学学生実験室)

 前期に引き続いて水系図と空中写真との判読実習を実施した.角間キャンパスを含む地域の空中写真が4枚と同じ地域の地形図を配布し,それからこの実習の意味や空中写真,地形図,そしてリニエーションの重要性についてまず説明する.


 最初に2万5千分の1地形図から水系図を作成してもらった.あとの考察がやりやすいように,今回はトレーシングペーパー上に図面を作ってもらう.谷と尾根との区別が難かしいところでは空中写真に立体視の器具を併用する.

 全員が黙りこくって機械的に作業を進めていた.2時間ほどでおおまかながらも水系図ができあがってきた.

 外は雪.

 同じ実験室内では間近に迫った〆切へ向けて,修士論文や卒業論文の提出準備が進められていた.

 水系図がおおまかながらもできあがったところで,空中写真に見いだされるリニエーションを赤鉛筆で記入する.そして,水系図と空中写真との結果をあわせて,この地域の地形の特徴を考えてもらった.どこまで理解してもらえたものかはなはだ心許ないが,今日で講義の地学実験のすべてが終わった.

  • Camera: Canon PowerShot S20 and Casio G. Bros GV-20
  • Lens: Canon Lens 6.5-13mm f.2.9-4.0 and Casio Lens 4.6mm f.2.8