地学実験の記録
2002年度後期(その4:12月6日〜12月12日)

12月6日:顕微鏡観察用岩石薄片試料の製作(その1:地学学生実験室)

 薄片製作作業の手順をプリントを使ってざっと説明し,おおざっぱな流れを実際にやってみせたあとで製作にとりかかってもらう.試料はかつて山口県のある石切場で拾ってきたカコウ岩.回転台上での片側の粗擦りからまず始める.出席者が6名のみだったので全員で作業にかかってもらった.


 回転台での2段階目の粗擦りに入る.研磨剤を細かいものに変えるときには試料の水洗いを徹底する.

 そしてガラス板上での中仕上擦りに入る.

 これも2段階にわたって繰り返し,仕上げ擦りを終えたところで試料片面の研磨が終了となる.

 試料がよく磨けているかを確認し,それからレーキサイドセメントでスライドグラスに接着して片面の研磨が終了する.

 試料が十分に冷えたところで反対側の研磨にとりかかる.6人の手が回転台にぐるりと並ぶ.

 試料が十分に薄くなったところでガラス板での中仕上げ擦りに入る.試料をすべて擦り切らないように用心しながらの作業になる.

 ここで「ふりだし」にもどった受講生もいた.たったひとつになった手が寂しい.


 実験終了時刻の午後5時になってもほぼ全員が中仕上擦りをやっていた.ここから延長戦となった.

 中仕上げ擦りの途中でときどき試料を洗って偏光顕微鏡で厚さを確認する.試料はまだ厚い.


 午後5時半にはふたりが作業を終わっていた.研磨を終えた試料は磨き上げた面を透明マニキュアで保護してできあがり.

 さらにふたりが作業を終えて残るはふたりとなった.

 そしてひとりになる.時刻は午後6時をすぎたところ.

 試料がだんだんと薄くなってきた.そして無事にすべての研磨作業を終え,午後6時半にはマニキュア塗っておしまいとなった.
 

12月12日:顕微鏡観察用岩石薄片試料の製作(その2:地学学生実験室)

 今回の試料は11月4日に能登半島の琴ヶ浜で拾ってきた玄武岩.すべての作業は前の回に説明済みなので,カコウ岩と玄武岩の違いをちょっとだけ説明してすぐに作業に取りかかってもらった.回転台上での粗擦りからはじめる.


 粗擦りが終わるとガラス板上で仕上げ擦りにとりかかる.そして研磨面をスライドグラスに貼り付けて片面の研磨作業が終わる.前回に経験済みの作業のせいか,全員がここまでの作業を手際よく終えた.

 スライドグラスに貼り付けた試料が冷めたところで反対側の研磨に入る.

 つづいて鉄板の上での中仕上擦り.

 そしてガラス板の上での中仕上げ擦りと仕上げ擦り.

 薄片の厚さはときどき顕微鏡下で確認する.TAのふたりが手伝ってくれる.午後3時すぎにまずひとりが作業を終えた.

 午後5時までにほとんどの受講生が作業を終えていた.そして最後に残ったのはやはりこのふたり.

 ほかの受講生にやや遅れはしたものの午後6時にはすべての作業を終えてくれた.

  • Camera: Canon PowerShot S20
  • Lens: Canon Lens 6.5-13mm f.2.9-4.0