地学実験の記録
2007年度後期(その1:10月5日〜11月2日)

2007年10月5日:ガイダンス(地学学生実験室)

 受講生はわずかに1名.後期にしても少ない.学生実験室でTAたちともども実験のガイダンスをまず行う.2回目のガイダンスには出席者がなかったため,受講生ひとりのままで,ハンマーやヘルメットなどの調査器具を手渡しそれらの使い方を説明する.


 クリノメーターの使い方についてはやや念入りに説明しておく.

 それにしても受講生ひとりとは・・・とうとうここまで減少してしまったかという気がする.来年度は学部の講義時間などを考慮しながらの開講時間帯の再考が必要となりそうだ.

2007年10月12日:野外調査実習1(角間キャンパス南地区)

 第一回目の野外調査実習は例年どおり野田山へ行く予定だった.しかし受講生数は少ないしそれに比べてTAの数は多い.そこで,今後の身近な教材開発を兼ねて角間キャンパス南地区西側へ露頭探しがてらの実習に行くことにした.公用車を自然研駐車場に止め,駐車場西側の法面沿いの階段を上る.


 階段の途中からは自然研のビル群や駐車場がよく見渡せる.

 階段を上りきったところから奥へ向かって林道が延びる.足下にどんぐりがやたらとたくさん落ちている.

 林道の途中に風化が進んだ露頭があった.淡灰褐色でさらさらの砂からできている.卯辰山層だろうか.

 林道をずっと歩いたがたいした露頭は見つからないまま田上へ到着してしまった.

 住宅地近くの公園で一休み.

 公園から東へのびる沢に入ってみた.田上小学校の児童たちが作っている小さな水田がある.

 水田に沿って奥へ歩くと青灰色の泥岩が見つかった.ごくわずかに細粒砂が混じっているようだ.独特の硫黄臭もある.

 沢の奥は金沢大学里山ゾーンの北谷口だった.ちょっとした休憩小屋もある.

 斜面に沿って棚田が広がり気象観測装置も置いてある.

 棚田の右手から尾根沿いに作られた林道を上る.露頭はまったく見つからない.

 尾根に近づいたところで礫岩が風化したらしい露頭があった.直径5センチ程度の円礫でできている.

 林道は尾根にでたところで尾根沿いに左右に分かれた.左側へ踏み込んでみた.右側へはTAの長田がルートの確認に向かう.

 しばらく歩くと先が明るくなりそこからは角間キャンパスが見渡せた.このあたりに階段があるはずだが植生があまりにも深くて見つからない.

 階段探しをあきらめて林道をさらに奥へ進む.するとちょっと開けたところが見つかった.

 そこからキャンパスへ向かって急な階段が作られていた.その階段を下ってみたが露頭はやはり見つからない.

 階段を下りきったところは環境保全センターだった.そこから真西へ延びるセメントの道路に入ってみた.植生が路面を覆い尽くしている.

 しばらく歩いたところで右手に砂岩の露頭があった.最初の露頭と同じさらさらの細粒砂だ.

 路沿いにさまざまな花が咲いている.ジョロウグモがあちこちに巣を張っている.

 林道をさらに歩くと灰白色の泥岩の露頭が見つかった.風化が著しい.

 林道の突き当たりで右手に小さな池が見えてきた.

 そして突き当たりには柵が設けてあった.その柵をかわして反対側へ出る.

 田上口からふたたび里山ゾーンへ入った.

 尾根沿いに林道を上っていくが露頭は見あたらない.

 林道の三叉路に到着.とりあえず森林観測タワー方向へ向かってみる.

 とてもよく整備された林道だ.下生えもなく歩きやすい.その林道をさらに北へ向かう.

 林道は森の中を下ったり上ったりしながらのびている.

 観測タワーがなかなか見つからない.

 ひと休みしたところにスズメバチの巣があった.あわてて林道を引き返す.

 三叉路からハナンジャコ方面へ向かった.しばらく歩くとちょっとした展望台に到着した.ここがハナンジャコだろうか.

 このあたりから先は林道が舗装されていた.道ばたには不思議な花が咲いていた.

 舗装された林道は歩きやすいが足の裏がだんだん痛くなってくる.

 車道に出たところが里山ゾーンのハナンジャコ口だった.

 サークルKでひと休みしてから自然研へ引き返した.

 環境保全センター近くに露頭がひとつ見つかった.植生が深かったが登ってみたら泥岩だった.露頭面の風化がやはり著しい.

 あとから学生たちも登ってきた.

 泥岩の上位に黄褐色の細粒砂岩がある.そこにはしっかりとした足場が刻み込まれていた.おそらく金山が1997年の卒論調査のときに作ったものだろう.10年間もよく残っていたものだ.

 露頭から下りて自然研の駐車場に引き返した.

 公用車に乗って総合教育棟の学生実験室に戻ったときにはもう午後5時近くになっていた.


2007年10月19日:図学実習1(地形図学:地学学生実験室)

 野外実習の予定だったが昼前から雨が落ちてきた.雨は降り止む気配もなくだんだん強くなってくる.そのため地学学生実験室内での地形図学に変更した.描かれた等高線から地形を立体的に把握するおきまりの実習だ.


 2枚目をほぼ終えたところで時間切れとなった.右の画像はTAの橋本が描いた見本.
 

2007年10月26日:図学実習2(水系図:地学学生実験室)

 朝のうちはなんとかなりそうな天候だったがお昼すぎから雨が降り出した.雷鳴まで響きはじめたため野外をあきらめて室内実習に変更した.前回の地形図学実習の経験をふまえての水系図の作成とそれから地形を読み取る練習だ.地下地質や地質構造などが地表地形にどのように現れるか黒板を使って説明し,それから実習にとりかかってもらった.


 金沢市北東部の地形図にトレーシングペーパーを重ねて水系をていねいにたどっていく.小さな沢までひろっていくと時間がかなりかかってしまう.

 だが,時間をかけて仕上げたものほど情報量が大きくなる.できあがった水系図から地形を読み取る練習までやって実験終了.

 次回こそはすっきりと晴れてもらいたいものだ.

2007年11月2日:大学祭期間中のため休講


  • Camera: Pentax Optio WPi, Ricoh Caplio 500G wide and Canon PowerShot S20
  • Lens: SMC Pentax Zoom 6.3-18.9mm f.2.6-4.8, Ricoh Zoom Lens 5.8-17.4mm f.2.5-4.3 and Canon Zoom Lens 6.5-13mm f.2.9-4.0
  • GPS: Sony GPS CS-K1