地学実験の記録
2008年度前期(その1:4月11日〜4月25日)

2008年2月20日〜4月10日:学生実験室の模様替え

 2007年度中に676号室(化石標本室2),677号室(酸処理室),665号室(化石標本室1)から669,670号室に引っ越すことになった.これを契機に散らかり放題で不要品が山積みの地学学生実験室の片付けと改装をすることにした.スペインから帰国後の2月下旬に作業開始.外はまだ雪.開放する3つの部屋の荷物をとりあえず実験室に移動させる.


 2月末.キャンパスにはまだ雪が残っている.実験室への荷物の搬入がやっと終わった.

 3月初旬.かなりの荷物を実験室から669号室に運び込んだ.あとは実験室内の物品の移動となる.ここまでやり終えたところでタイ・カンボジアへ約3週間の海外出張.

 3月下旬に帰国.その後はずっと実験室の改装作業と整理整頓.4月に入ってようやくすべてが片づいた.実験スペースが広々と使えるようになった.卓球台が置けるどころか卓球ができそうなくらいだ.

 講義スペースのほうも地形図を整理すればおしまい.その作業も4月10日に終わった.

 汚れたビーカーを洗い,ヘルメットやクリノメーターなどの実験道具をそろえて新学期の準備完了.

2008年4月11日:ガイダンス(地学学生実験室)

 受講生は19名とここ数年にない多さだった.実験室でまず講義のガイダンス.そして実験道具を配布したがルーペやゴーグルなどが不足していた・・・.その後は総合教育2号館前で歩測の練習.50mの距離を静かに往復して自分の一歩の長さを測ってもらう. 朝までの雨で地面がぬかるんでいたためキャンパス周辺の散策は中止.ここまでやって実験終了.


2008年4月18日:地形図学実習(1:地形図の読み方,地学学生実験室)

 今日から7名が増えて履修生総数が26名となった.棚に用意していた30の道具箱がほぼいっぱいになる.今日は第一回目の野外調査実習の予定だったが,昨日から降り続く雨のため延期.かわって実験室内で地形図の書き方の実習を行った.


2008年4月25日:野外調査実習(1:野田山)

 昨日の雨が早朝まで残っていたがだんだんと晴れ間も見えるようになった.海底コア処理のため来澤中だった東北大学の和佐田,赤木の両君の案内をかねて,午前中は今学期の地学実験での実習予定地をまずひとまわりすることにした.大学を午前9時前に公用車で出発しまず上辰巳へ.犀川にかかる橋からみる露頭は前のままに見える.


 しかし辰巳ダムの建設が着々と進んでいた.建設事務所の担当の方に建設の状況をうかがってから河原へ下りる.

 犀川の水位は多くも少なくもないというところ.砂子坂層が露出するこのあたりはダムができあがっても残るようだ.

 大型有孔虫が密集して産出する凝灰質砂岩をちょっと叩いてみる.

 ダム建設のようすをながめながら駐車場へ引き返した.

 砂子坂層の上部の大きな斜交層理や辰巳用水の取水口をみてから車へ引き返した.

 次に大桑町の犀川河床を訪れた.川の水位はやはりそれほど高くはない.大桑貝殻橋の上流側には河床がほどよく離水している.

 炭化植物破片や貝殻破片にとむ犀川層の凝灰質砂岩をここでみる.

 大桑層と犀川層との不整合をこえて下流側へ移動する.大桑層下部に挟在する白色細粒のOP凝灰岩がきれいにみえていた.

 そのさらに下流にはO1凝灰岩がちゃんとみつかる.

 さらに下流へ移動して化石床を訪れた.大桑層の中部になる.

 あたりまえだが貝化石層に大きな変化はみられない.ただ,大きな盗掘痕らしいものがいくつかみつかる.

 旧小立野キャンパスや旧城内を巡って角間キャンパスへ戻った.

 午後から学生実験だ.午後1時に学生実験室を履修生たちと出発.総合教育一号館前で大学のバスに乗車し,山側環状道路をとおって野田山の実習地にすぐに到着.駐車場で実習上の注意点や実習の目的などをまず説明し,それから現在地を確認してもらう.26名の履修生はさすがに多い.

 最初の露頭へ全員で移動.ここで礫岩をみてもらう.

 竹林の中にある2番目の露頭では砂岩の観察.ここでは礫岩と砂岩との境界をみることができる.竹林の中は右も左もヘルメット姿の学生でいっぱいだ.

 3番目の露頭にも礫岩と砂岩の境界がある.竹林の斜面を登って境界を確認.

 そして4番目の泥質砂岩の露頭では二枚貝や巻貝の印象化石の観察.学生たちはこれにかなり熱くなっていた.

 狭い道なのにたくさんのダンプやトレーラーがとおりすぎていく.中にはきちがいみたいに飛ばすバカヤロウもいる.

 最後の露頭には黄白色塊状の泥岩が露出する.ここでも少々時間をとってゆっくりと観察.

 きれいな植物化石がみつかっていた.

 午後3時半に実習終了.駐車場で待つ大学バスへ引き返した.

 そして山側環状道路をとおって角間キャンパスへ.午後4時ちょうどにキャンパス到着.次回の実習について簡単に説明し実験終了.

今日の実習ルートと露頭の位置


  • Camera: Pentax Optio WPi and Ricoh Caplio 500G wide
  • Lens: SMC Pentax Zoom 6.3-18.9mm f.2.6-4.8 and Ricoh Zoom Lens 5.8-17.4mm f.2.5-4.3
  • GPS: Sony GPS CS-1K