地学実験の記録
2008年度後期(その1:10月3日〜10月17日)

2008年10月3日:ガイダンス(地学学生実験室)

 後期の受講生は13名.前期のちょうど半分だが例年の後期と比べたらずっと多い.学生実験室でガイダンスを行い,それから調査道具などの配付とそれらの説明,そして簡易測量実習に備えてクリノメーターの使い方の指導.最後に総合教育2号館前で歩測の練習.


 午後3時に実験終了.

2008年10月10日:野外調査実習1(金沢大学角間キャンパス)

 受講生が1名増えて2名減ったがそれでも12名.野外実習にはちょうどいい人数だ.いい天気に恵まれたこともあって,今日は角間キャンパスで山の歩き方や地層の見つけ方の実習を行った. 実習内容についての簡単な説明のあと外に出た.教育学部裏手の尾根(A)へみんなで登り,そこからキャンパスの地形をまずながめてもらう.大気はややかすんでいたが,戸室山の崩壊地形などがよくみえた.


 尾根伝いの踏み分け路を西へ移動する.金沢大学の敷地境界を示す赤い柱がぽつりぽつりと立っている.

 歩道の途中からもキャンパス北地区がみわたせる.

 10月も半ばにさしかかるというのに山の緑はまだ深い.尾根沿いのクモの巣だらけの路をTAの正井が先導してくれる.

 歩いているうちに周囲の地形がなんとなく違うのに気づいた.目印となるはずの竹林もみあたらない.さらに歩いていくと思わぬものが木々の間にみえた.奥卯辰山公園のフィ−ルドアスレチックだ・・・(B).

 列の最後尾にいたTAの橋本を先頭にきたばかりの路を引き返す.

 キャンパスがみえるところまで戻ったところで藪に埋もれた路を発見.やはりクモの巣だらけのこの路へ足を踏み入れた.

 テニスコートを右手にみながら先へ進む.しかし,西側の沢へ下りる踏み分け路の入り口はみつからない.

 しかたがないのでグラウンド方面へいったん下りることにした.

 下りたところには「競技場口」という真新しい看板が立っている.

 全員が下りてきたところでキャンパスをながめながらひと休み.

 キャンパス北地区北側の周回道路に沿って県道方向へ歩く.

 交差点から県道を若松方面へさらに下る.自転車置き場付近は4000本植樹の真っ最中だった.

 サークルKを左手にみながら県道をさらに下る.

 沢の入り口がすぐにみえてくる.

 沢に入ってすぐ右手に最初の露頭がみつかった(C).地層について簡単に説明したあと,受講生たちには好きなように観察してもらった.

 足元を気にしながらもみんな沢に入ってくる.ここに露出するのは大桑層上部の細粒砂岩.二枚貝の印象化石がときおりみつかる.

 この沢に沿って露頭がずっと続いている.

 かつて横倒しになっていた金沢大学の標識がしっかりと立てなおされていた.その標識を超えてTAのふたりを先頭に沢をさらに奥へ進む.

 二枚貝の印象化石がたくさんみつかる露頭に到着した(D).学生たちが叩く露頭からあるいは転石から,印象化石が次々とみつかっていた.

 珍しいほどにおおきな二枚貝の印象化石も発見されていた.

 午後3時半に化石の露頭をあとにした.濡れてすべりやすい路を県道へ引き返す.

 崖をすべり下り,県道を歩いて総合教育棟へ.

 午後4時前に総合教育棟の学生実験室に到着.実習終了.

10月10日の観察ルート


2008年10月17日:野外調査実習2(金沢大学角間キャンパス)

 角間キャンパス北地区で簡易平板測量によるキャンパスマップ作りをひさしぶりに実施した.7〜8年前までは地学実験の実習として例年行っていたものだが,キャンパス内に不法駐車の車輌が急増したためしばらくとりやめにしていたものだ.実験室でクリノメーターの使い方などを念入りに説明しさっそく外へでる.マップの出発点は総合教育2号館の玄関前.TAの正井晶が手本をみせてくれる.クリノメーターを使っての方位測定作業.顔はまぬけでも目は真剣そのもの.


 最初の測量が完了し正井を先頭に何人かが歩測を開始する.

 彼らに続いて残りの学生たちも出発点をあとにした.

 全員が立ち止まって2度目の測量を始めたのはB10講義室前だった.授業を受けている学生たちがいっせいに視線をよこす.

 次の目標は体育館の入り口.みんなだんだんと手際がよくなってきた.

 そして教育学部方向へと足を進める.

 教育学部の温室よこをとおって北側環状道路へ.

 じゃまな位置に不法駐車の軽自動車があった.車内にはゴミやレンタルDVDがあふれ,氏名が特定できるノートが放置してある.あまりにも無防備・・・.

 最後尾の学生もこの地点を出発し,道路沿いに東へ向かう.

 列の後方を担当するTAの橋本隆史がここで追い抜かれる.

 教育学部の駐輪場手前でふたたびキャンパス内へ.

 法学部前に到着したときちょうど3限が終わった.キャンパスにあふれだす学生たちを避けてここでひと休み.

 午後2時45分に法学部前を出発.キャンパス北地区の中ほどに到達したとき,南々西の空に煙が高々とたちあがるのがみえた.火事だろうか?(帰宅後のローカルニュースでこの煙が天池にある資材倉庫の火事だと知った)

 ここで向きをかえて文学部方向へ歩測を開始.

 文学部前からこんどは総合教育棟へ向きをかえる.

 受講生たちは抜きつ抜かれつを繰り返しながらも順調に作業を進めている.

 総合教育2号館の横をとおって玄関へ.

 そしてゴール.先頭の学生は予想よりも早い午後3時すぎの到着だった.それから10分以内に全員が到着した.

 学生実験室に戻って今日の作業のおさらいをして解散.以下の絵は周回距離約800mの今回のルート.来年度はもう少し距離をのばしてもよさそうだ.


  • Camera: Pentax Optio WPi and Optio S4
  • Lens: SMC Pentax Zoom 6.3-18.9mm f.2.6-4.8 and SMC Pentax Zoom 5.8-17.4mm f.2.8