地学実験の記録
2008年度後期(その2:10月24日〜11月14日)

2008年10月24日:地形図学実習1(地学学生実験室)

 昨日からの雨が今日も降り続いていたが,今日の予定は幸いにも実験室内での地形図学実習.午前中のうちにスクリーンや液晶プロジェクターを準備し,午後1時から実習を開始した.角間キャンパスの衛星画像や基本地形図をスクリーンに映しながら地形と等高線についてまず説明する.


 それから今日の地形図学実習で具体的にやってもらうことを説明し,地形の練習問題にとりかかってもらった.

 地形図の等高線と実際の地形との関係がわかりやすいようにチョコバウムを配付する.

 地形図にすっかりなれたTAたちが個々の指導にあたる.等高線から立体地形を鳥瞰図で描きなおす実習だ.

 手伝いなのか応援なのか,前期に履修したばかりの三浦君が途中から参加.休み時間にコーヒーを飲みにきただけらしい.


 難易度の高い問題についてはTAたちがあらかじめ解答を作成しておく.

 最後に実物映写機と大型テレビを使って等高線と地形の関係を理解してもらう.

 午後4時15分に実験終了.外はずっと雨だった.

2008年10月31日:大学祭のため休講

 


2008年11月7日:野外調査実習3(金沢市野田山)

 午前中はいい天気だったがお昼過ぎから雨がときおり落ちてくるようになった.実習中に本降りになるかとも思ったが,今後の天候を考えると延期にしたくなかったため,思い切って野田山での野外調査実習を実施した.総合教育棟を大学のバスで出発し,山側環状道路をとおって15分ほどで野田山墓地奥の実習地に到着.バスから降りて地形図上で現在地をまず確認してもらう.


 いまにも降り出しそうな空模様だったがとりあえずは林道を奥へ歩く.

 下り坂を少しばかり歩いた左手に最初の露頭がある.ここでまず礫岩の観察.

 狭いわりには交通量の多い林道だ.TAのふたりが道路の前後でやってくる車両を確認する.

 履修生たちはここで15分ほどの自由観察.礫岩とはどういうものかを理解してもらう.

 林道をさらに下って竹林の中にある2番目の露頭へ移動した.

 天気が悪いために竹林の中は真っ暗だ.足元に気をつけながら奥へ移動する.

 ここには黄褐色の細粒砂岩が露出する.しかし,あまりの暗さに砂岩かどうかはその手触りでやっとわかるだけ.この上位にある礫岩はTAたちがその位置だけを示してくれた.

 すぐ近くの3番目の露頭もやはり真っ暗な竹林の中にある.入っていっても何もみえそうにないため,ここは道路からの説明だけにとどめた.

 坂をさらに下って4番目の露頭に到着.ここにも細粒砂岩が露出する.貝の印象化石がたまにみつかるところだ.

 ここでもしばらくの自由観察時間をもうけた.

 TAたちが貝化石をさがしてくれるが砂岩が水分を含んでいてすぐぼろぼろに壊れてしまう.

 午後3時前に雨が降り始めた.5番目の露頭まで距離があるため実習を中止してバスへひきかえした.

 雨の山側環状道路を角間キャンパスへ引き返す.

 午後3時20分に総合教育棟に到着.

 実験室に戻ってちょっと早めながらも午後3時半に解散した.

11月7日の観察露頭の位置


2008年11月14日:野外調査実習4(金沢市大桑)

 先週とはうってかわったいい天気になった.予定どおりに大桑町の犀川へ4回目の野外実習にでかけた.総合教育棟を大学のマイクロバスで午後1時すぎに出発し15分ほどで現地に到着.駐車場と河原の露頭の上とでこの地層の時代や化石の採集方法について説明し,さっそく採集にとりかかってもらった.


 学生たちは思い思いの場所で化石を掘り始める.

 TAの正井晶はツルハシで露頭を掘り崩して化石の採集を手伝う.

 同じくTAの橋本隆史は・・・・.学生たちが化石を掘るはるか向こう側にいた.

 砂岩の中から貝化石がつぎつぎとみつかっていた.

 掘り崩した砂岩の中から小さな巻貝の化石もみつかる.

 学生たちは化石の採集にだんだんとなれてきたようだ.元気よく露頭を掘り崩しつづける.

 ヨコヤマホタテ(左)にアラスジサラガイ(右).

 このあたりからヨコヤマホタテがたくさんみつかっていた.オンマイシカゲガイもまじっている.

 午後3時半までの2時間をほとんど休むことなく掘りっぱなし.

 日が傾きかけたころに採集終了.掘りあげた化石を新聞紙でていねいにつつんで現地をあとにする.そして駐車場のマイクロバスに乗って総合教育棟へ.

 持ち帰った貝化石を実験室で並べて午後4時すぎに実験終了.

 コーヒーでひとやすみ.

  • Camera: Canon PowerShot S20, Pentax *ist DS2 and Casio G.Bros GV-10
  • Lens: Canon Zoom Lens 6.5-13mm f.2.9-4.0, SMC Pentax-DA Zoom 18-55mm f.3.5-5.6 and Casio Lens 4.6mm f.2.8