地学実験の記録
2010年度後期(その4:1月7日〜1月28日)

2011年1月7日:岩石学実習(1.地学学生実験室)

 新年最初の地学実験.岩石学実習の第一回目として,近所のホームセンターで買ってきたカコウ岩を材料としての薄片試料作成を行った.実習に先立って作成上の注意点などを学生たちに伝え,それからすぐに研磨作業に入ってもらった.


 まずは回転板上での粗摺りから.TAの三宅君が手慣れた指導をやってくれる.もうひとりの金児君はまだ見習い中.

 最初に80番のカーボランダム.続いて150番のカーボランダムで粗摺り終了.

 続いてガラス板上で400番のアランダムをもちいての中摺り作業.

 800番のアランダムから1500番のアランダムで仕上げ摺りが終わる.

 片面を磨き終えたカコウ岩試料をホットプレート上でスライドグラスに接着する.おっかなびっくりの手つきながらもなかなかうまい.

 残りの学生たちの指導をTAたちにまかせて回転板へ戻った.

 接着を終えた学生たちがもう片面の粗摺り作業にとりかかっていく.手の数がだんだんと増えていく.

 全員が粗摺り作業に入った.

 手ぎわのいい学生たちはガラス板での中摺り作業に移動していく.

 ここから先は顕微鏡で厚さをみながらの作業となる.まだまだ厚い.

 だんだんと薄くなってきた.

 ここまで仕上がったらできあがり.

 ラベルを貼って作業終了.

 全員が時間内に作り終えることはできなかったが,失敗もなくまずまずの実習だった.

2011年1月12日:岩石学実習(2.地学学生実験室)

 今日は水曜日だったが金曜日の授業の振替日.午後から岩石学実習の2回目を行った.学生たちは前回の薄片研磨作業の続きにそれぞれ入っていった.


 カコウ岩の薄片が完成した学生たちは玄武岩試料の研磨作業に移行する.材料になるのは黒壁玄武岩の試料だ.

 80番の研磨台にだんだんと人が増えていく.

 ガラス板のほうはがら空きになってきた.研磨台のほうはずいぶんきゅうくつそうだ.

 上からのアングルをためしてみた.全員そろって研磨を開始し,全員いっしょに作業を中断する.

 回転台での作業が終わった学生はガラス板での研磨作業に入っていく.スライドグラスに試料を貼り付け,その後は反対側の研磨作業.

 顕微鏡下で薄片の厚さをたしかめながらさらにうすく磨いていく.

 かなりいい厚さになってきた.

 できあがった試料の写真を携帯電話で撮影する.

 ひとりの学生が試料を摺りつくしてふりだしに戻ってしまったが,ほかは全員が無事に2枚目の試料を作り終えた.

 午後4時前に実験終了.実験台には意味不明のミステリーサークルが残っていた.

2011年1月21日:岩石学実習(3.地学学生実験室)

 岩石学実習の最終回はカコウ岩と玄武岩の薄片試料の顕微鏡観察.今日もキャンパスは真っ白だ.今年の冬はやたらと雪が多い気がする.


 偏光顕微鏡の特徴や使い方をまず説明する.偏光板の性質についてはとくに念入りに説明しておく.それから岩石薄片の観察作業にそれぞれとりかかってもらった.

 買ったばかりのLED照明装置もためしに使ってみる.

 最初にカコウ岩の薄片から観察に入る.まず開放ポーラーでの観察.

 つづいて直交ポーラーでの観察作業.造岩鉱物のそれぞれの特徴に気をつけて観察してもらう.

 観察の結果はスケッチで表現する.

 ひとりの学生がおもしろいことを発見した.お菓子のセロファンをとおすと鉱物がメルヘンになるという.

 顕微鏡をのぞいてみたらまさに鋭敏色検板を入れた状態だった.セロファンのしわのない部分をうまく選ぶと検板と区別ができないほどだ.

 よろこんだ学生たちはいろんなセロファンをとおして観察をはじめた.ピーナツチョコの包みがいちばんカラフルになるという・・・.

 カコウ岩の観察がおわったら玄武岩の観察に移行する.

 鉱物の規則的な配列に注意しながら観察してもらう.

 スケッチをとりおえて今日の地学実験が終了.

2011年1月28日:期末定期試験(総合教育講義棟A4)

 学生たちの希望もあって,今学期は期末定期試験にかえてアンコール世界遺産セミナーのレポートを課すことにした.最初は元気に話を聴いていた学生たちだったが・・・.


 ひとりずつ眠りに落ちていった.

 これで今学期の地学実験の予定すべてが終了.

  • Camera: Pentax Optio W6, Nokia E72 and Ricoh CX-1
  • Lens: SMC Pentax Zoom 5-25 mm f.3.5-5.5