地学実験の記録
2012年度後期(その1:10月5日〜10月26日)

2012年10月5日:ガイダンス(地学学生実験室)

 後期の学生実験にしては24名という大人数がガイダンスに参加していた.マイクロバスの乗車定員を考えると好都合の人数だったため,後半のガイダンスは中止した.配付資料に沿って地学実験の主旨や予定日程をまず説明し,それに続いて実習用具の配付と説明した.その後に総合教育棟前で歩測の実習を行った.午後3時前だというのにすでに日が傾いていた.


実習用具入れの木棚のネームプレートがいっぱいになっていた.

 

2012年10月12日:野外調査実習(1.金沢市野田山)

 第一回目の野外実習は予定どおりに野田山で実施した.学生実験室に午後1時に集合.今日の実習での注意点などを説明し,管理棟前で大学のマイクロバスに乗車した.厚い雲がときおり空をおおったが雨の心配はなさそうだった.


 山側環状道路を南へ走る.浅野川をわたり涌波トンネルを抜ける.

 大乗寺のあたりから野田山へばすはのぼっていく.

 野田山の駐車場で下車.まずは現在地を確認する練習から今日の実習を開始した.今学期の学生たちはうまく位置を求めていたがつめがやや甘い.

 現在地をおさえてから林道を南へ歩いた.イノシシおどしの発砲の音がときおりひびいてくる.

 最初の露頭にはすぐに到着した.この露頭の位置を地図上で確認し,それから約20分間の自由観察時間に入った.

 学生たちは露頭のあちこちにちらばって地層を叩きはじめた.

 土壌をひたすら掘る学生がいる.掘り出した礫を道路で割ってみる学生もいる.とにかく好きなように観察してもらう.

 自由観察の終了後,この露頭で観察される礫と礫岩について説明し,次の露頭へと移動した.

 坂道をややくだったところの竹藪の中にふたつめの露頭がある.

 全員で竹藪の中に分け入った.昨夜の豪雨の影響が心配だったが沢の中はぬかるんではいなかった.ここで観察される砂岩とその上位の礫岩についてまず説明.ところが・・・.

 竹藪の中にスズメバチの巣があった.全員でいそいで撤収・・・.3番目の露頭へ移動した.

 坂道をさらに下ったところにの露頭は切り立った崖の上のほうにあるため道路からの観察にとどめる.

 坂道をさらに歩いて3番目の露頭に到着.ここには貝の印象化石を含む黄褐色の細粒砂岩が露出する.

 ここでも約15分間の自由観察時間をもうけた.学生たちは化石をみつけようと露頭を掘りまくっていた.

 残念ながらみつかった化石は小さいものばかり.それもごくわずか.運にめぐまれない学年なのかもしれない.

 最後となる4番目の露頭へと林道を移動した.日が差さない林道の中は冷え込む.

 烏骨鶏の里の近くにある4番目の露頭に到着した.ここでは灰白色の泥岩を観察することができる.約10分間の自由観察時間を使って学生たちには泥岩の手触りなどを理解してもらった.

 露頭表面の赤茶けた酸化層のすぐ下に灰色の新鮮な地層が現れるのはおどろきだったようだ.

 露頭での観察終了後は恒例となった駐車場までの歩測の実習.学生たちはだまりこくって歩き始めた.

 くだってきた林道を今度はのぼっていくことになる.

 これまでにみてきた露頭のそばを歩くことになるが,学生たちは露頭に目を向ける余裕もないようだった.

 歩測実習の効果あって,約1000mの距離を約10分で引き返すことができた.

 駐車場で待っていたマイクロバスに乗車して角間キャンパスへ引き返した.

 野田山墓地をとおる坂道をくだって山側環状道路へ.

 山側環状道路を北へ走って角間キャンパスへ.

 午後4時前に角間キャンパスに到着.学生実験室で歩測実習の答え合わせをやって解散.

今日の実習地



2012年10月19日:野外調査実習(2.金沢大学角間キャンパス)

 朝までの雨で丘陵地の地面がぬかるんでいたため,キャンパスでの露頭観察は次週にまわし,今日はクリノメーターと歩測を併用しての簡易測量実習にした.実験室でクリノメーターの使い方をまず指導し,つづいて測量方法について説明する.全員が手順を理解したところで総合教育2号館前に出た.ここがキャンパス北地区一周測量の出発点になる.


 学生たちはとおくに目標を定めてまず西へ歩き始める.

 総合教育2号館の西端で一時停止.

 ここで目標を北にとりなおして次のルートを刻む.

 角度をとりそこねて引き返してくる学生がいたりもする.

 体育館の入口前付近で進路を東へ.

 歩測とクリノメーターでとったデータは方眼紙にそのつど落としながら歩く.

 人間社会3号館に沿って進路をふたたび北へ.

 ここまでくるとほぼ全員が作業になれてきたようだった.

 北地区周回道路の手前には思わぬフェンスがあったりもする.

 ここから周回道路に沿って東へと歩き始める.

 先回りして北福利あたりへ移動してみたところ,先頭グループがちょうどここにさしかかったところだった.

 後続の集団はまだ周回道路の途中にいた.

 そのうしろにも学生たちの姿があった.

 最後尾の学生たちについて歩く.

 全員が周回道路をようやく脱出した.人間社会2号館に沿って北福利方向へと移動する.

 北福利をすぎたところで進路を西へ.そしてさらに南へ.先頭グループの姿が人間社会1号館の近くに小さくみえた.

 1号館前からゆるいスロープを総合教育棟方面へ歩く.

 ほぼ全員がここを無事に通過していった.

 植え込みの中をとおって出発点へ先回りした.先頭グループがちょうど到着したところだった.午後3時半に全員がゴールイン.

 実験室に移動し,歩測実習のまとめをやって今日の実権が終わった.

  • Camera: Pentax Optio W60, Optio WG-1 GPS and Pentax Optio WPi
  • Lens: SMC Pentax Zoom 5-25mm f.3.5-5.5 and SMC Pentax 6.3-18.9mm f.3.3-4