地学実験の記録
2013年度前期(その1:4月12日〜5月10日)

2013年4月12日:ガイダンス(地学学生実験室)

 午前中のうちにTAたちと学生実験室を掃除した.配布物も30セットを用意しておいた.


 地質調査用具7点セットも30人分を用意しておく.

 ガイダンスに出席した履修予定者は19名だった.例年よりもかなり少ないが安全管理や指導にはいい数だ.実験予定や実験内容について説明し,そのうえで地質調査用具や地形図などを配付した.

 ときおり降ってくる強い雨のため歩測の練習は中止.午後2時半にガイダンスを終えた.

2013年4月19日:野外調査実習(1:金沢市野田山)

  昨夜の雨の影響が心配だったが午前中のうちに天気は回復した.予定どおりに第一回目の野外調査実習にでかけることにする.出発前に総合教育2号館の前で歩測の実習をやっておいた.


 往復100メートルをゆっくり何度か歩いて自分の歩幅を測っておく.

 大学の大型バスに乗り込んで総合教育棟をを出発.キャンパス南地区をとおって田上方面へ.

 田上から山側環状道路へ.この時間だけに交通量は少ない.

 山側環状道路の涌波崎浦トンネルをまず抜ける.

 つづいて野田トンネルを抜けて野田山のふもとへ.

 山側環状道路から野田山へ墓地を左右にみながらのぼっていく.

 野田山墓地のあたりはヤエザクラが満開だった.

 バスを降りたらまず現在地の確認から.ここまでのルートや地形などをたよりに地形図上に現在地を落としてもらう.今日の実習にあたっての注意事項もここで伝えておく.

 学生たちが現在地を把握したところで最初の露頭へと林道を歩いた.

 最初の露頭は道路沿いにある小さな切り割りだ.露頭について簡単に説明し,それから約20分間の自由観察時間をもうけた.

 この露頭では礫岩を観察することができる.淘汰不良の円礫岩が道路にそって10メートルほど露出する.風化はいちじるしいが礫岩の観察にはいい露頭だ.学生たちは露頭を掘ったり礫を叩いたりと好き勝手な観察を続けていた.

 自由観察時間の終了後,礫岩について,礫岩から得られる過去の堆積の場の情報などについて解説しておく,

 2番目の露頭は林道を少しくだった竹林の中にある.昨夜の雨で地面はややぬかるんでいたが,ここにみんなで踏み込んだ.

 この露頭では淘汰のいい極細粒の黄褐色砂岩を観察することができる.さらさらの手ざわりを学生たちにたしかめてもらう.この砂岩の上位に先ほどの礫岩が位置することも目で確認してもらった.

 曲がりくねった林道をさらにくだって3番目の露頭へ.

 ここに露出するのも同じような極細粒砂岩だ.貝の印象化石がみつかる露頭でもある.

 学生たちは化石探しに夢中になっていた.

 小さな二枚貝や巻貝の印象化石がつぎつぎに見つかっていた.

 林道をさらにくだって4番目の露頭に到着.この露頭には風化した軟弱な泥岩が露出する.

 泥岩の手ざわりを各自で確認してもらった.砂岩とのちがいに注意をうながしておく.この露頭で今日の露頭の観察が終了.

 最後の露頭から大学のバスが待つ駐車場までの距離を歩測で測ってもらうことにした.

 やってきたばかりの林道を学生たちはだまりこくって歩き続ける.

 竹林を抜けてバスが待つ駐車場へ.

 10分ほどでバスに到着.各自が測った結果を野帳に書きとめておくように指示しておく.

 バスにみんなで乗り込んで角間キャンパスへ.

 野田山から山側環状道路へとまずくだる.

 バスは山側環状道路を北へ走る.

 野田トンネルを抜けて大桑町へ.

 涌波崎浦トンネルを抜け,山側環状道路から田上方面へ向かう.

 キャンパス南地区をとおりすぎる.

 午後4時に総合教育棟に到着.

 実験室で今日のおさらいと,歩測の結果を確認して今日の実習が終わった.

2013年4月26日:地形図学実習(1:地学学生実験室)

 朝から雨がときおり降ってくる天気だった.予報では午後から晴れ間がでるとのことだったので,朝のうちに大桑町の犀川のようすを見に行った.


 幸いにも犀川の水位は低かった.上流側ならば露頭がほどほどに離水していて観察に支障はなさそうだ.

 しかし,お昼前からカミナリをともなう激しい雨が降り始めた.野外調査の予定を室内実習に切り替え,地形図から等高線を読み取る図学の練習を受講生たちにやってもらった.

 午後4時に今日の実習が終了.

2013年5月10日:野外調査実習(2.金沢市大桑町)

 午後から小雨との予報だったが,前回の野外実習を中止にしたこともあって,今日は予定どおり野外実習に出かけることにした.午後1時に地学学生実験室を出発.大学の大型バスで金沢市大桑町の犀川に向かった.


 山側環状道路を小松方面へ向かってバスは走る.

 山側環状道路から涌波方向へ.大桑簡易野球場のグラウンドでバスを降り,そこから歩いて犀川の河原に移動した.

 犀川の水位はやや高めだったが実習には支障がない.

 大桑層とここで採れる化石について,それから化石の採集方法を説明し,その後にそれぞれ化石採集にとりかかってもらった.

 学生たちは河原に散らばって思い思いの場所で砂岩を掘りはじめた.すぐに化石をみつける学生もいれば,

 掘っても掘っても何もみつけられない学生もいる.

 このあたりの犀川の流れは以前と同じ.対岸のポットホールもよく観察される.

 小雨がときおり落ちてきたが,幸いにも中断するほどの降りにはならなかった.

 学生たちが掘り上げた化石が露頭の上に並んでいく.

 どんなに掘っても化石がみつけられない学生もいる.

 小さいながらもきれいなホタテガイの化石.

 午後3時半に化石採集の実習終了.川沿いの小径を歩いてバスが待つ駐車場にひきかえす.

 大学のバスに乗って現場をあとにする.

 笠舞の大通りをとおり,

 山側環状道路から角間キャンパス内の道路へ.

 午後4時前に角間キャンパスの総合教育棟に戻った.

 学生実験室で化石を乾燥させる準備をととのえたところで今日に実験終了.

  • Camera: Pentax Optio W60
  • Lens: SMC Pentax Zoom 5-25mm f.3.5-5.5