地学実験の記録
2013年度前期(その2:5月17日〜5月24日)

2013年5月17日:野外調査実習(3:金沢市大桑町)

  天候にあまり恵まれない今学期の地学実験だったが,この日は朝から暑いほどの好天に恵まれた.午後1時すぎに地学学生実験室を出発し,大学の大型バスで大桑町の犀川へ向かった.道路沿いの木々の緑が濃くなってきたのを感じる.


 山側環状道路をとおり涌波トンネルの手前から涌波方面へ側道をあがる.

 バスは涌波一丁目付近の道路を南へ.

 大道割付近で犀川へ向かう小径に入る.大桑簡易野球場の木々は初夏のよそおいだった.

 大桑貝殻橋のたもとでバスを降りた.犀川の水位はほどほどに低く,河床での実習は支障なく実施できそうだった. 

 学生たちはまず現在地の確認作業を始めた.前回の実習地の近くでもあったし,大桑貝殻橋があるため場所を見つけるのは簡単だったようだ.

 河床に降りて上流へと歩いた.犀川の水が涼しげだった. 

 河床を歩いて最初の観察地に到着.中新統犀川層が露出する河床はほどよい広さに離水していた.

 ここでまず30分間の自由観察時間をもうける.観察にあたってとくに注意してもらいたいことを学生たちには伝えておく.

 学生たちは露頭一面に広がって地層を叩き始めた.

 鉱物粒子の観察には持参したルーペを用いる.

 犀川の流れはいつになくおだやか.

 学生たちはすわりこんで露頭を掘っていた.

 白い貝化石や黒い炭化植物はすぐにみつけだしていた.

 手を休めるようすがないので,自由観察時間を10分間延長する.

 生痕化石がびっしりと発達する植物化石がみつかった.とてもきれいな巻貝の化石をみつけた学生もいた.

 観察時間の終了後,犀川層の説明や,貝化石,植物化石,軽石などにもとづく古環境の推定方法について解説した.

 下流へとみんなで移動した.歩きながら河岸にちらばる石灰質ノジュールを説明しておく.

 100メートルほど歩くと下部更新統の大桑層下部が河床に分布するようになる.

 大桑層下部の岩相を学生たちに確認してもらい,整合と不整合について解説したうえで,大桑層と犀川層の不整合面さがしにとりかかってもらった.

 学生たちは河床を叩きながら上流へとゆっくり移動していった.

 河床一面に学生たちの姿が広がった.

 不整合面に到達した学生たちもいれば,ずっとうしろに取り残されたグループもいる.

 ここで観察される不整合の特徴を解説し,それからさらに下流へと移動した.

 大桑層下部に挟在する凝灰岩を説明する.

 その後は大桑貝殻橋直下あたりでのサメの歯の化石探し.

 学生たちは一心に露頭を掘りはじめた.しかし,サメの歯の化石はなかなかみつからない.

 犀川の段差付近で獲物をねらうサギの姿があった.

 残念ながら誰ひとり化石をみつけられないままで制限時間となった.

 駐車場で待つバスへとひきあげる.

 バスに乗車して角間キャンパスへ.

 涌波の道路から山側環状道路へとくだっていく.

 田上付近から角間キャンパスへ.

 自然科学研究科をとおって総合教育棟へ.

 午後4時に地学学生実験室に到着.簡単なとりまとめののちに実習終了.

2013年5月24日:簡易測量実習(1:角間キャンパス)

  この日も朝から暑いほどの好天に恵まれた.予定どおりに角間キャンパス北地区での平板測量実習を行うことにした.学生実験室で測量の仕組みをまず説明し,それからクリノメーターの使い方になれてもらう.全員が理解してくれたところで総合教育2号館玄関前に移動し,そこを起点に測量実習を開始した.


 まず真西へ50メートルほど歩く.ここは歩測の実習を行ったところなので距離や方向を理解する基準ともなる.

 立ち止まって歩測の結果を図面に落とす.

 続いて方向を真北となる体育館へ変える.目標を定め,方向を確認して歩測の開始.

 体育館前で停止して歩測の結果を図面に落とす.

 次は真東にある人間社会3号館方向へ.

 さらに北へ向かって周回道路方向へ.

 はるか後方にとりのこされた学生の姿があった.

 歩測の結果や方向などを再確認してもらう.

 先頭グループには高原さんやTAたちが同行していたが,どこまで進んだの気になって後を追いかけた.

 はるか彼方に後方グループの姿を発見した.

 先頭グループは周回道路から人間社会棟が立ち並ぶキャンパスの中へすでに入っていた.

 方向を測り,距離を測るという単純作業の繰り返し.

 周回道路に沿ってしゃがみ込む学生たちの姿はやや異様.

 遅れていた学生の姿を指定ルート外で発見した.道を間違えてしまったようだが時間の短縮にはなっている.

 広報グループも周回道路からキャンパスの中へと入っていった.

 このあたりで3限と4限の中休みの時間になった.

 人混みをさけるように先頭グループが一時停止してくれた.

 中休み後に真西へ向けて出発.広報グループが追いついてきてくれた.

 先頭グループは総合教育2号館の近くにまで到達していた.広報グループの指導をTAたちにまかせて先頭側へ移動した.

 先頭グループのゴールイン.

 学生たちがつぎつぎとゴールに入っていく.

 最終グループも30分ほど遅れてゴールへ.

 実験室に戻って学生たちそれぞれの結果を確認.午後3時半に実験終了.

  • Camera: Pentax Optio W60 and Casio Exilim EX-F1
  • Lens: SMC Pentax Zoom 5-25mm f.3.5-5.5 and Casio Exilim Optical 7.3-87.6mm f.2.7-4.6