地学実験の記録
2013年度後期(その1:10月4日〜11月8日)

2013年10月4日:ガイダンス(地学学生実験室)

 前日のうちに学生実験室を掃除し,ハンマーやクリノメーターなどの学生用実習用具を25セットを用意しておいた.


 今学期の履修予定者は21名だった.安全管理や指導にはほどよい人数だ.創薬科学類の学生たちがやたらと多い.今学期の実験予定や実験の内容について説明し,そのうえで地質調査用具や地形図などを配付した.

 その後,総合教育2号館前で歩測実習をやって午後2時半にガイダンスを終えた.

2013年10月11日:地質図学実習(1:地学学生実験室)

 初回ということで野田山での野外調査実習を予定していたが,朝からの豪雨のため室内実習に変更し,学生たちには等高線を読み取る練習問題をやってもらった.


 黒板と実物映写機を使って等高線の意味や規則についてまず説明する.それからさっそく練習問題にとりかかってもらう.

 左側の正方形の中に描かれた等高線を右側の直方体の中に立体地形として描く練習.

 今学期が初めてのTA業務となる曽我君もひそかに練習問題を解く.

 天気は徐々に回復してきたが,予報どおり雨がときおり降ってきた.気温だけが妙に高い.

 1枚目の練習問題が終わったら2枚目へ.

 2枚目の練習問題が終わったところで実験終了.

 実験終了は午後4時だった.

2013年10月18日:野外調査実習(1:角間キャンパス簡易測量)

 気温は低いながらも朝からいい天気に恵まれた.予定どおりに角間キャンパスでの簡易測量実習を行った.学生実験室でクリノメーターの使い方や簡易測量の原理などを説明し,それから全員で外にでて総合教育2号館玄関前を出発した.玄関からまず西へ進路をとる.


 ここで現在地を確認.次の目的地への方向をとる.

 体育館の入口へ向かってまた次へと方向をとる.

 学生たちは最初はおっかなびっくりのようすだったが,要領のいい学生はこのあたりで作業手順を理解していたようだ.

 つづいて人間社会5号館方向へ向かう.

 いまの位置をおさえてさらに次の目的地へ.

 学生たちのほぼ全員が外周道路方向へ向かって移動を始めた.

 ここから外周道路に沿っての曲線を描くことになる.

 思いっきり長いルートをとる学生もいれば,短いルートをこきざみにつないでいく学生もいる.

 外周道路ルートのほぼ中央あたり.

 ここで先回りしてキャンパスの中にふたたび入ろうかという先頭グループに合流した.

 先頭グループは簡易測量の作業にすっかりなれていた.

 人間社会棟の入口あたりを学生たちつぎつぎと歩きすぎていく.

 ここから人間社会棟群がたちならぶ領域に入ったが,授業の中休みとかさなってしまったため北福利棟前でしばしの休憩.

 始業のチャイムが鳴る前にふたたび歩き始めた.北福利から3号館,そして1号館へと歩く.

 人間社会1号館前で総合教育棟へと方向を変える.

 総合教育2号館の玄関へ足を向ける.

 最後の曲線道路を歩いて玄関へ.

 先頭グループがゴールインしたのは午後3時前だった.それほど待つこともなく学生たちがつぎつぎとゴールインしてきた.

 全員が戻ってきたところで学生実験室へ移動してのまとめの作業.午後3時半に今日の学生実験終了.

2013年10月25日:仙台出張のため休講


2013年11月1日:大学祭のため休講


2013年11月8日:野外調査実習1(金沢市野田山)

 午後から小雨の予報だったが予定どおり大学のバスを使っての野外調査実習に出かけた.今学期は天候に恵まれないが,初回の野外実習が11月にずれこむのは初めてのことだった.午後1時すぎに客間キャンパスを出発.


 紅葉がおわりかけた県道沿いの並木をながめながら山側環状道路へ.

 山側環状道路を南へ移動する.

 涌波トンネルを抜けて長坂へ.

 環状道路沿いのイチョウが色づいていた.

 山側環状道路から野田山墓地をとおって野田山へのぼる.

 林道の入口でバスを降りた.

 ここで今日の実習にあたっての注意点.それから現在位置の確認を学生たちにもとめた.地形図をみなれていないのでずいぶん苦労していたようだ.

 竹林の中の林道を最初の露頭へと歩く.

 道路沿いの露頭に到着.現在の位置を確認してもらい,それから約20分間の自由観察時間をもうけた.

 この露頭には卯辰山層とおぼしき礫岩が露出する.円礫を主体とする礫の淘汰はあまりよくない.

 学生たちは露頭を掘ったり礫を叩いたりして自分たちなりの観察をつづけていた.

 自由観察時間の終了後,この露頭を構成する礫岩について学生たちに説明しておいた.

 林道を歩きくだって次の露頭へ移動した.

 2番目の露頭は竹林の中にある.竹林の中を歩くときの注意点をのべ,その後にその中に入った.

 枯れた竹があちこちにたおれていて歩きにくい.学生たちもなれない竹藪の中とあって苦労しながら中に入ってくる.

 この竹林の中を少しのぼったところに最初の露頭と同じ礫岩が露出する.

 学生たちはその礫岩の岩相などをそれぞれに観察し記録する.

 礫岩の直下に黄褐色の細粒砂岩があることを確認し竹林の中から道路に出た.

 林道をさらに歩いて3番目の露頭へ移動した.大人数だったため,急斜面上にある礫岩の露頭にはのぼらず,道路からの説明にとどめた.

 4番目の露頭はそのすぐ近くにある.ここには大桑層の黄褐色細粒砂岩が露出する.

 ここでも約15分間の自由観察時間をもうけた.化石がでてくるとあって学生たちは熱心に砂岩を掘りはじめた.

 二枚貝の印象化石がみつかっていた.

 林道をさらに歩いたところにある最後の露頭.ここには朝ヶ屋層の泥岩をみることができる.風化が進んで黄白色になっている.きわめて軟弱でもある.

 学生たちは指で泥岩をおしつぶしながらその手ざわりを確認していた.

 この露頭で今日の実習が終了.バスまでの距離を歩測しながらひきかえす.学生たちはほぼ無言で歩きはじめた.

 これまでに観察した3つの露頭のそばを歩きすぎ,竹林の中をとおってバスがまつ駐車場へ.

 バスについたころになってようやく小雨がおちてきた.

 大学のバスに乗って角間キャンパスへ引き返した.野田山墓地の中の道路を山側環状道路へおりる.

 山側環状道路を北へひきかえす.

 涌波トンネルを抜けて.

 県道を角間キャンパスへ.

 学生実験室で今日のおさらいを簡単にやり,その後に解散.

 午後4時15分に学生実験終了.

  • Camera: Pentax Optio W90 and WG-1 GPS
  • Lens: SMC Pentax Zoom 5-25mm f.3.5-5.5