地学実験の記録
2013年度後期(その4:1月16日〜2月7日)

2014年1月16日:岩石学実習2(岩石薄片試料の作成1:地学学生実験室)

 ホームセンターで購入したカコウ岩の敷石が実習材料になる.手頃な大きさにハンマーでまず割る.


 それを岩石カッターで整形して人数分+αの岩石チップを作成する.

 ホットプレート上で乾燥させ,チップの一方の面に印をつけて準備完了.

 午後1時に学生実験を開始した.岩石薄片試料の作成上の注意や留意点をまず口頭で説明し,簡単なデモンストレーションをやったのちに作業にとりかかってもらった.後期にしては人数が多いため学生たちを5つのグループに分け,最初のグループから順番に回転研磨台での作業に入ってもらった.初めての作業とあって指先にずいぶん力が入っていたようだ.


 最初のグループがガラス板での研磨作業に移行した.後続のグループも回転研磨台での作業を終えてガラス板での研磨作業に移っていく.

 このあたりが最後の2グループ.

 作業開始後1時間ほどで全員がガラス板での研磨作業に移行した.

 400番,800番,そして1500番と研磨粉を細かくしながら片面の研磨作業を進める.

 磨き終えた試料は乾燥ののちにガラス板にレークサイドセメントで貼り付ける.

 樹脂を塗ったスライドグラスを岩石チップに貼り付ける作業.

 樹脂に残った気泡をとりのぞいて作業終了.

 時間があるグループは反対側の研磨作業にとりかかっていった.

 午後4時半に今日の実習終了.続きは次回にもちこしとなった.

2014年1月24日:岩石学実習3(岩石薄片試料の作成2:地学学生実験室)

 岩石薄片試料作成実習の2回目.スライドグラスに貼り付けた岩石試料の反対側を薄く磨いて仕上げる作業.5つのグループに分けて順番にはじめる予定だったが,実験室に早くやってきた学生たちには先に作業にとりかかってもらった.まず2台の回転研磨板で岩石試料を薄く研磨する作業から.


 その後はガラス板上でさらに薄く研磨する.

 ガラス板での研磨作業に移行してからは,偏光顕微鏡を使って薄片の厚さをときおり確かめる.

 まだまだ厚い.

 だんだん薄くなってきた.

 もう少し.

 ここまで薄くなったら研磨作業はほぼ終了.1500番の研磨粉で仕上げて作業が終わる.

 研磨した面をオーバーコートで保護し,氏名を書いたラベルを貼って薄片試料の完成となる.

 午後4時半にほぼ全員が作業終了.

2014年1月31日:岩石学実習4(カコウ岩の鏡下観察:地学学生実験室)

 これまでの2回の実習で作ったカコウ岩の岩石薄片試料の鏡下観察実習.配付資料と黒板とを使って偏光顕微鏡のしくみや造岩鉱物のごく基本的な性質などをまず説明した.そのうえで,顕微鏡下でのスケッチと構成鉱物の鑑定を学生たちにやってもらった.


 前回までに試料ができあがっていなかった学生たちは今日もまず研磨作業.さいわいにも全員が時間までに試料を完成させていた.

 顕微鏡をのぞきながら観察やスケッチに適した場所をさがしだす.

 いい場所がみつかったら,まず開放ポーラーの状態での観察とスケッチ.

 それから直交ポーラーでの観察とスケッチ.それにつづいて造岩鉱物の鑑定.

 履修者数が多いため,3限と4限の2回に分けての観察実習だったが,1回あたりの観察時間は短かったものの,少人数だけにゆとりある実習ができたようだ.

2014年2月7日:岩石学実習5(火山岩の鏡下観察:地学学生実験室)

 先週の鏡下観察実習が深成岩の試料だったので,2回目の今日は火山岩を鏡下で観察してもらい,深成岩と火山岩の構造の違いを理解してもらうことにした.実験前に代表的な火山岩の薄片試料を準備しておいた.これは流紋岩.


 実験開始後,まず深成岩と火山岩の違いについて説明し,それから火山岩の種類について説明した.その後に,玄武岩,安山岩,流紋岩から好きな薄片試料を学生に選んでもらい,鏡下での観察とスケッチの作業に入ってもらった.

 長石や石英などの特徴を前回の実習でつかんでいるせいか,学生たちの作業は意外とてぎわのいいものだった.スケッチもわかりやすく描けていた.

 左が玄武岩の薄片試料,右が安山岩の薄片試料のそれぞれ直交ポーラーでの鏡下写真.

 そして流紋岩の鏡下写真.細粒の玄武岩のスケッチには学生たちもてこずっていたようだ.

 午後4時すぎにグループ2の実習が終了.これで今学期の地学実験の全予定が終了した.

  • Camera: Pentax Optio WG-1 GPS and Pentax Optio W60
  • Lens: SMC Pentax Zoom 5-25mm f.3.5-5.5