地学実験の記録
2014年度前期(その1:4月11日〜5月9日)

2014年4月11日:ガイダンス(地学学生実験室)

 午前中のうちにTAたちと学生実験室を掃除した.配布物も30セットを用意しておいた.


 地質調査用具7点セットも28人分を用意しておく.

 履修予定者は24名だった.法学類の学生がやたらと多いことや,男子が大半をしめることが例年とやや違うところだろう.授業の説明後に受講票を受け取り,歩測の実習をやってガイダンスを終了した.

 午後3時にすべて終了.

2014年4月18日:野外調査実習1(金沢市野田山)

 第一回目の野外調査実習は例年どおり野田山の林道で実施した.午後1時に履修予定の学生24名全員が地学実験室に集まった.今日の実習内容についての説明ののち,大学のマイクロバスに乗り換えて角間キャンパスを出発した.


 角間キャンパス南地区の自然科学研究科棟の横を通過.サクラは花をすっかり落としていた

 キャンパス内の道路を田上方面へくだる.

 山側環状道路にのりかえてさらに南下.

 涌波トンネルをぬけて野田山地区へ.

 野田山墓地の坂をのぼって実習予定地に到着した.ヤエザクラは三分咲きだった.

 公園の駐車場で実習内容を再確認し,現在地を地図上で確認したうえで最初の露頭へ林道を歩いた.

 最初の露頭は林道沿いの小さな切り割りだ.20分間ほどの自由観察時間を設定し,学生たちにまず自由に露頭を観察してもらった.

 この露頭には卯辰山層とおぼしき淘汰の悪い礫岩が露出する.礫岩を構成する礫は凝灰岩や安山岩などを主体とする.

 自由観察時間ののち,学生たちに観察結果をそれぞれ報告してもらい,それをまとめてこの露頭での観察を終了した.

 林道をややくだったところの竹林の奥が2番目の観察路等になる.

 学生たちとともに竹林の中に入る.ここにも先ほどと同じ礫岩が分布する.

 その直下には弱固結の黄褐色細粒砂岩が位置する.学生たちにはここで砂岩を観察してもらった.竹林の中とあって,足場がゆるく学生たちは苦労していたようだ.

 林道をさらにくだったところにも同じ細粒砂岩が露出する.

 この砂岩からは貝の印象化石がみつかる.学生たちはさっそく露頭にとりついて化石探しをはじめた.

 小さな巻貝の印象化石がすぐにみつかった.

 二枚貝の印象化石もみつかっていた.

 長年にわかって継続された実習のため,露頭面が道路から大きくへこんでいる.

 学生たちはそれぞれに印象化石をみつけだしていた.

 最後の露頭は林道をさらにくだったところの道路沿い.

 ここには中新統の灰白色泥岩が露出する.ここまでの4ヶ所で礫岩,砂岩,泥岩を学生たちは観察したことになる.

 ひとりの学生がここできれいな植物化石をみつけだした.この露頭からの発見は初かもしれない.

 観察終了後は恒例となった歩測の実習.最後の露頭から駐車場で待つマイクロバスまでの距離の測定.

 学生たちは無言で林道を引き返していく.

 これまでの観察路棟のよこを歩きすぎる.

 竹林の中を歩いてマイクロバスが待つ駐車場へ.

 駐車場でマイクロバスに乗って角間キャンパスへ引き返した.

 野田山墓地の中の坂道をバスはくだっていく.

 山側環状道路を北上.

 野田山トンネルを抜け.

 山側環状道路をさらに北上.

 田上へと右折する交差点はなぜか大渋滞だった.

 田上から構内道路をとおって角間キャンパスの中央部へ.

 キャンパス中地区をとおって総合教育棟のある北地区へ.午後3時50分に総合教育棟に到着.

 学生実験室でそれぞれの歩測の結果を報告してもらった.結果はこのとおり.

 次回の実習内容についての説明ののちに解散.

2014年4月25日:野外調査実習2(金沢市大桑)

 2回目の野外調査実習は大桑町の犀川.授業後半の古生物学実習で使う貝化石の採集が目的だ.午後1時に24名の履修生全員が地学実験室に集まった.化石の採集方法などについて実験室で説明し,それから大学のマイクロバスに乗り換えて角間キャンパスを出発した.


 先週と同じく角間キャンパス南地区の自然科学研究科棟の横を通過し,構内道路をへて田上地区へ一般道を南下する.

 山側環状道路から涌波方面へ坂をあがっていく.

 犀川の河原にある大桑簡易野球場へ向かう細い道をくだる.

 簡易野球場の駐車場でバスを降りた.ここで学生たちに現在地を確認してもらい,それから犀川河岸の露頭へ向かった.4月とあって植生はまだそれほど深くはない.

 犀川の水位はほどほどに低かった.河岸の青灰色細粒泥岩には貝化石層が白く露出していた.

 貝化石の採集方法などについて露頭で説明ののち,学生たちには出発時間まで自由に採集にとりかかってもらった.

 学生たちは上流側と下流側とに分かれて露頭を掘りはじめた.

 雨が降ったわけでもないのに,露頭の貝化石はとてもきれいに見えていた.

 犀川の水もゆったりと春らしく流れている.

 学生たちは露頭をひたすら掘りつづけていた.

 貝化石が姿をみせると大きな歓声があがる.

 それなりの時間はかかったものの,ほぼ全員が順調に化石を見つけ出していた.

 時間を忘れて化石を掘りつづけている.

 TAのラックは専門外ながらも,さすがにこの実験のTAが3年目だけあって器用に化石を見つけ出していた.

 化石をまだみつけていない学生たちはだんだんと必至になってきたようだ.

 そんな学生たちも終了時間間際になってたくさんの化石を掘り出していた.

 学生全員が貝化石を採集したところで終了時間となった.

 採集した貝化石を新聞紙でていねいにつつみこむ.

 忘れものがないことを確認し駐車場で待つマイクロバスへ戻った.

 午後3時45分に簡易野球場の駐車場を出発.

 涌波の道路から山側環状道路へくだる.

 田上をとおって角間キャンパスの構内道路へ.

 午後4時前に北地区の総合教育棟に到着.

 実験室に戻り,採集した貝化石の乾燥準備をととのえて今日の実験が終わった.

2014年4月9日:地形図学実習1(地学学生実験室)

 歩測とクリノメーターを使っての簡易測量実習の予定だったが,ときおり降ってくる雨と強い風のため実験室内での地形図学実習に内容を変更した.黒板などを使って等高線の意味を説明し,それから学生たちに等高線から立体地形を復元する練習問題をやってもらった.


 苦労のあとがにじむ解答もあった.

 今学期の履修生たちは地形の理解が例年よりずっと早い気がする.

  • Camera: Pentax Optio WG-3 GPS and Pentax Q10
  • Lens: SMC Pentax Zoom 4.5-18mm f.2.0-4.9 and SMC Pentax 8.5mm f.1.9 AK [IF]