地学実験の記録
2014年度後期(その4:1月9日〜1月30日)

2015年1月9日:岩石学実習(2:地学学生実験室)

 今日からの3回は岩石薄片試料の作成と顕微鏡鑑定の実習になる.第1回目の今日は岩石試料の片面の研磨とそれをスライドグラスへ貼り付ける作業.あらかじめ切断しておいたカコウ岩の試料を学生たちに手渡し,32名の学生たちを6つのグループに分けて,グループごとに順次作業にとりかかってもらった.


 最初は80番のカーボランダム研磨剤を使っての回転研磨台の上での研磨作業.ここで岩石試料に残ったカッターの跡を取り去る.

 つづいて150番のカーボランダムを使って試料面を平滑にする.

 その後はガラス板での研磨作業に移行する.最初に400番のカーボランダム研磨剤での研磨.

 ひきつづいてカーボランダムの800番での研磨.

 試料の磨いた面が平滑であることを確認したうえで1500番の研磨粉で仕上げる.

 研磨が終わった岩石試料はホットプレート上で乾燥させる.

 乾燥させた岩石試料をスライドグラスに貼り付ける作業.レークサイドセメントを熱したスライドグラスにまず塗布する.

 そのスライドグラスを熱した岩石試料に貼り付ける.

 貼り合わせた試料を室温でゆっくりとさまして作業終了.

 午後4時半には全員が作業を終えた.

2015年1月16日:大学入試センター試験準備のため休講


2015年1月23日:岩石学実習(3:地学学生実験室)

 32名の受講生を6つのグループに分けて2回目の岩石薄片作成実習を行った.作業の概要や注意点をまず全員に伝え,それからグループごとに,スライドグラスに貼り付けた岩石試料の反対側の面を研磨し,顕微鏡観察用の試料を完成させる作業にとりかかってもらった.まず80番のカーボランダムをもちいて試料を薄くする作業から.


 ここでの研磨作業には回転研磨台をもちいるが,試料の厚さがふぞろいになってきたときには鉄板の上での研磨作業でそれを修正する.

 最初のグループが150番の研磨作業に移行したら次のグループが80番での最初の研磨作業にとりかかる.

 要領のわるいグループがいるところでは研磨台が混みあったりもする.

 回転研磨台での作業が終わったらガラス板をもちいての仕上げの研磨作業.

 カーボランダムの400番と800番とで試料を十分に薄くしたうえで1500番のカーボランダムで仕上げる.

 試料の厚さは偏光顕微鏡を使って測定する.

 だんだん薄くなってきた岩石試料.最初のグループが作業を終えるころになってようやく最後のグループが作業にとりかかることができた.

 ここまで試料が薄くなったらほぼ完成.

 磨いた面をトップコートで保護して試料の完成となる.

 留学生の生け花クラスと時間帯がかさなったため,最後はなんともあわただしい事態となってしまったが,午後6時にほぼ全員が作業を終えてくれた.

2015年1月30日:岩石学実習(4:地学学生実験室)

 これまでの2回の作業で作成したカコウ岩の岩石薄片試料の顕微鏡観察実習を行った.偏光顕微鏡の数が足りないため32名の受講生を2つのグループに分けての実施.まずカコウ岩の成因や岩石としての特徴を話し,それから偏光顕微鏡のしくみや鉱物について説明した.そのうえで,薄片試料のスケッチをとりながらの鉱物鑑定の実習にはいってもらった.


 カコウ岩を特徴づける石英,長石,黒雲母の3種類の鉱物がすべて観察できる場所を薄片上でまず探してもらう.

 その場所がみつかったら開放ポーラーと直交ポーラーとで観察とスケッチを行う.

 茶色い黒雲母の鑑定は容易だったようだが,無色透明の石英と長石の区別にはややてこずっていたようだ.

 実際の薄片写真(開放ポーラー)とそのスケッチの例.

 午後4時にふたつのグループの観察実習が終わった.その後,最終成績にかかるレポートを書いてもらって今年度の地学実験が無事終わった.

  • Camera: Pentax Optio WG-3 GPS, Pentax Optio WG-1 GPS, Nokia Lumia 630 Dual SIM
  • Lens: SMC Pentax Zoom 4.5-18mm f.2.0-4.9 and SMC Pentax Zoom 5-25mm f.3.5-5.5