地学実験の記録
2014年度後期(その3:11月28日〜12月19日)

2014年11月28日:土質力学実習(1:角間キャンパス) ※カンボジア出張中

 環境デザイン学系の高原さんの担当による土質力学実習の一回目.好天にめぐまれたようだ.角間キャンパスの中地区から北地区を歩き,建物や地盤の変形などを観察したとのこと.


2014年12月5日:土質力学実習(2:地学学生実験室) ※カンボジア出張中

 高原さんによる土質力学実習の2回目.実験室内での地盤の液状化やダイラタンシーの実験など.


2014年12月12日:地質調査実習(5:金沢市小二又)

 先週末に積もった雪が野外にはまだたくさん残っていた.冷たい雨がときおり降ってきてもいた.しかし,今後の野外実習はもうのぞめそうにないため,大学のマイクロバスを利用しての野外実習に出かけることにした.マイクロバスに乗りきれない学生を公用車にのせて金沢市小二又の実習地に移動した.ここは金沢大学から10分もかからない距離にある.


 学生たちにはまず現在地の確認をやってもらう.道路が複雑なところであるためやや時間がかかったようだ.それから金腐川がみえる道路沿いに学生たちと移動した.

 対岸の露頭には下部更新統大桑層が露出する.以前はこの露頭を学生たちに直接観察してもらっていたが,露頭の風化が著しく川への転落の危険もあるため対岸からの目視観察にとどめた.学生たちにはここで観察される地層が南へ傾斜していることに留意してもらった.そのついでに下流方向にみとめられる地すべり地形についても解説しておいた.

 公用車でひとあし先に2番目の露頭へ移動した.最初の露頭から300mほどの距離にある.

 道路に積もった雪をふみしめながら学生たちがやってきた.

 この林道沿いにも大桑層が露出する.

 青灰色の細粒砂岩からなり,貝化石がたくさん含まれている.大桑層の中部に相当する.

 学生たちにはここで少しの時間だったが地層や化石を観察してもらい,化石採集を行った犀川での大桑層と同じ地層であることを認識してもらった.

 この露頭を離れて3番目の露頭へと移動した.

 3番目の露頭はさらに500mほど北に位置する.公用車で先回りし学生たちを迎えに戻る.

 学生たちはじつにのんびりと道路を歩いてきていた.公用車をとめた簡易駐車スペース沿いの露頭を学生たちにみてもらった.

 ここでは下位の青灰色泥岩と上位の黄褐色粗粒凝灰岩を観察することができる.しかしながら,観察を始めたところで冷たい雨が降り出した.そのため,大学のマイクロバスにすぐに迎えにきてもらい,ここで野外実習は打ち切って角間キャンパスへ戻った.

 角間キャンパスへ戻り,地学学生実験室にてこれまでの5回の野外調査実習を総括する.地質調査の方法やそれでできあがる地質図がもつ意味について説明し,金沢市周辺の地層分布をおおまかに示して終了した.

2014年12月19日:古生物学実習(地学学生実験室)

 学生実験室にて3回目の野外調査実習で学生たちが採集した大桑層の貝化石のクリーニングと鑑定の実習を行った.作業方法について簡単に説明し,それからすぐに実際の作業にとりかかってもらった.


 まず貝化石についた砂を千枚通しでそっとかき落とす作業から.

 この作業だけでも貝化石のおおよそのクリーニングはできる.

 ひきつづいてブタ毛の歯ブラシを使って化石の表面についた砂をそっととりのぞく.

 学生たちはそれぞれに作業を進めていた.

 化石をたくさん採集した学生もいる.

 クリーニングがきれいに終わったホタテガイの化石.

 クリーニングが終わった貝化石はスケッチをとったうえで図鑑をたよりに鑑定する.

 スケッチが終わった貝化石.

 持参してもらった箱にしまって地学実験の前半が終わった.

 地学実験の後半は立体地形模型を使っての,地形と地層との鑑定を切断面で理解する実習.具体的には,薬学類女子たちの2日間にわたる苦労のすえにできあがった巨大ケーキの切断と賞味の実習.立体模型の作製のようすはこちら

 3段重ねの巨大ケーキにナイフが入る.

 そして切断面を観察しながらの賞味.下位から,スポンジ,バナナを含む生クリーム,スポンジ,淘汰のいい生クリーム,スポンジ,キウィフルーツまじりの生クリーム,スポンジ,生クリーム,スポンジ,パイナップル含有生クリーム,スポンジ,そしてクリームという層状構造になっている.

 5限目が地学学生実験室であるため午後4時に実験終了.

  • Camera: Pentax Optio WG-1 GPS
  • Lens: SMC Pentax Zoom 5-25mm f.3.5-5.5