地学実験の記録
2015年度前期(その1:4月10日〜4月24日)

2015年2月22日:学生実験室の黒板をホワイトボードへ

 チョークの粉が顕微鏡に付着してしまうため,学生実験室の黒板をホワイトボードに交換した.


 気のせいだろうが実験室全体が明るくなったような気がする. 

 ホワイトボードまわりも明るくなった.

 

2015年4月10日:ガイダンス(地学学生実験室)

 新しいTAたちと前日のうちに学生実験室を掃除し,地学実験を履修する学生たちが使う実習用具の準備をしておいた.


 ガイダンスに出席したのは留学生ひとりを含む37名の学生たちだった.そのうちの5名が履修をとりやめたため,予定の30名よりも多くなってしまったが,残る32名が履修することになった.ガイダンスののち,地質調査で使うハンマーなどの使い方を説明し,それから総合教育2号館前で補足の実習を行った.

 この人数だとやはりかなり多く感じてしまう.

 午後3時すぎにガイダンスと実習が終了した.

2015年4月17日:野外調査実習1(金沢市野田山)

 朝から曇り気味の空模様だったが雨が降ってくる心配はなさそうだった.予定どおりに金沢市野田山へ最初の野外調査実習にでかけた.午後1時に学生実験室に集合.今日の実習内容についての説明ののち,大学の大型バスに乗り換えて野田山の実習地へ移動した.


 山側環状道路をバスは南西へ移動する.

 山側環状道路のトンネルをぬけて野田山へ.

 野田山墓地の坂をのぼっていく.

 坂をのぼきりったところでバスから降りる.ここで学生たちには現在地の確認をやってもらった.地形図をみなれていないのでこの作業には苦労していた.

 現在地の確認ができたところで最初の露頭へ歩いた.竹林の中の小径を南東へ歩く.

 最初の露頭は道路際にある.学生たちに20分間をあたえてこの露頭をまず自由に観察してもらった.

 ここには弱固結の砂質礫岩が露出する.

 学生たちは露頭にとりついてハンマーで礫をたたいたりしている.

 淘汰は不良ながらも個々の礫はよく円磨されている.インブリケーションが観察されることもある.

 礫はほとんどが安山岩と緑色凝灰岩から構成されている.学生たちは礫をたたき割ってその内部の観察などもやっていた.

 自由観察時間の終了後に,まず礫岩について解説し,礫岩から読みとれることについて説明した.そして次の露頭へと小径をさらに下っていった.

 2番目の露頭は竹林の中にある砂岩だった.しかし,今朝までの雨で地面がぬかるんでいたし,竹林の中も倒木だらけで荒れていたので道路からの観察と解説にとどめておいた.

 小径をさらに歩いて砂岩が道路際にでているところに到着した.前期更新統大桑層がここに露出する.貝の印象化石を含む黄褐色細粒砂岩からなる.

 ここでもまず20分間の自由観察時間をもうけた.学生たちは現在地を確認し,それから露頭にとりついていった.

 化石がでるとあって学生たちは積極的に露頭をたたいてた.

 二枚貝の印象化石がすぐにみつかった.

 貝の印象化石がつぎつぎにみつかっていた.この露頭でこれほど多数の印象化石がみつかることはめずらしい.

 砂岩の露頭から小径を少し下ったところには灰白色の泥岩が露出する.風化が進んでいるために軟弱だ.

 この露頭では泥岩の粒子の細かさを学生たちに実感してもらった.

 露頭観察の終了後は例年どおりの歩測の実習.最後の露頭から駐車場のバスまでの距離を補足で実測する練習だ.学生たちは無言で小径をひきかえしていった.

 ゆるやかに傾斜した小径をもくもくと歩いて行く.

 駐車場でバスに乗って角間キャンパスへ引き返した.

 山側環状道路をとおり.

 角間キャンパスの構内道路をとおって総合教育棟へ.

 午後3時半に総合教育棟に到着した.

 実験室に集合し,歩測実習の結果をとりまとめて今日の実験が終了した.

2015年4月24日:野外調査実習2(金沢市大桑町)

 朝からとてもいい天気にめぐまれた日だった.予定どおり金沢市大桑での野外調査実習にでかける.午後1時に実験室に集合し,今日の化石採集実習についての説明ののち大学バスで実習地へ移動した.


 角間キャンパスの桜はすっかり葉桜になっていた.

 構内道路を田上方向へと下る.

 山側環状道路から涌波への道路をあがっていく.

 大桑簡易野球場方向へ小径を下って実習地に到着.

 TAのふたりを先頭に犀川の河原へ移動した.

 犀川の水位はいつもより高かった.流れもかなり速い.

 ここには下部更新統大桑層の中部が広い範囲にわたって露出する.青灰色の細粒砂岩からなり貝化石を多産することで有名だ.足元には白い貝化石が足の踏み場もないほどに露出していた.

 化石の採集方法などについての説明ののち,学生たちにはさっそく化石採集にとりかかってもらった.水位がやや高いため採集可能な範囲がいつもより狭い.

 学生たちは化石が表面にみえるあたりで作業を開始した.

 ほどよい固さの細粒砂岩をハンマーで掘る.

 学生たちの大半は河原の下流側にいたが,何人かが採集作業をする上流側に移動してみた.

 上流側でみると犀川の水量の多さがよくわかった.

 河岸の浸食がさらに進んでいた.

 上流側の露頭には化石が少ないが,そのかわり大きくてきれいなものがときおり見つかったりもする.

 下流側にいた学生たちもいつのまにか上流側に移動してきていた.

 下流側では残った学生たちが化石を掘っていた.

 わりと大きな二枚貝の化石がみつかっていた.注意深く掘り進めていく.

 上流側の学生たちが戻ってきたため狭い露頭が人口稠密になっていた.

 河原の露頭のあちこちで学生たちは作業を続ける.

 作業をはじめて1時間半が経過した.化石採集に学生たちはかなり手なれてきたようすだった.

 掘り出した貝化石は新聞紙で包み込みビニール袋に入れて持ちかえる.

 駐車場で待っていてくれたバスに乗って角間キャンパスへひきかえす.

 午後3時半に大桑町の実習地を出発.

 涌波の道路から山側環状道路へおりる.

 田上の道路をのぼって角間キャンパスへ.

 キャンパスの構内道路を北へ移動する.

 県道を走って北側の構内道路へ.

 花をつけているのは桜は八重桜のみとなっていた.

 午後4時に総合教育棟に到着.採集してきた貝化石を実験室にひろげて実習終了.

  • Camera: Pentax Optio W60, Pentax Km, Pentax Optio WG-1 GPS and Pentax WG-3 GPS
  • Lens: SMC Pentax Zoom 5-25mm f.3.5-5.5, SMC Pentax Zoom DA L 18-55mm f.3.5-5.6 AL and SMC Pentax Zoom 4.5-18mm f.2.0-4.9