地学実験の記録
2017年度前期後半(その2:7月7日〜)

2017年7月7日:野外調査実習2(金沢市大桑町の犀川河床)

 2回目の野外調査実習も金沢市大桑町を流れる犀川中流の河床にした.前回は化石の採集が目的だったが,今回は地層や不整合などを観察してもらう予定だ.総合教育2号館の実験室に集合ののち公用車で大桑町へ移動した.到着後はまず現在地の確認.


 大雨の直後にもかかわらず犀川の水位はほどほどに低かった.

 もっとも上流側にとなる露頭に学生たちをまず案内した.ここで約20分間の自由観察時間.学生たちには目についたものや気づいたことのすべてを記載し記録するように指示した.

 露頭の表面に散在する貝化石にはすぐに気づいてくれたようだ.

 植物化石が散在することや,炭化したものがそこに含まれることも発見していた.

 軽石はふしぎな石として認識していたようだ.

 学生たちの頭上には合歓の花がきれいにさいていた.

 この露頭のようすや前回の化石採集地との位置関係などをみてもらうためドローンをあげた.

 学生たちが観察をつづけている間にドローンで上流側を撮影しておいた.

 ゆるやかに左へ河道をかえる犀川のようすがよくわかった.

 露頭から約200m南の上空約120mからの画像.

 河岸段丘の発達がきれいに観察される.

 学生たちは観察をつづけていた.その終了後に犀川層の年代や岩相,含まれる化石などから推定される当時の古環境について解説した.

 2番目の露頭へ学生たちといっしょに移動した.

 その途中で石灰質ノジュールの成因について解説しておく.

 下部更新統大桑層下部が露出する河床へ移動した.ここで約10分間の観察時間をあたえる.

 最初の露頭との岩相のちがいにはとくに注目してもらった.

 大桑層下部の観察が終わったところで整合と不整合について説明し,犀川層と大桑層との不整合の発見作業にとりかかってもらった.

 そのようすを上空からながめてみた.

 犀川層の露頭へ学生たちはまっすぐに引き返し,そこで岩相の再確認に入ったようだった.

 それから大桑層の露頭があるほうへ河床をゆっくりと移動してきた.

 不整合面のあるあたりを歩き回る学生たち.

 ただ,不整合面直上の犀川層の岩相がやや変化するため,不整合面を正確にとらえるのはむずかしかったようだ.

 不整合の位置が河床の段差となっていることをここで解説し,基底礫岩の存在をみせておいた.

 ドローンの画像をもちいての解説の図.

 最後の露頭へ移動した.水位がほどほどあるためときおりのジャンプを強いられる.

 移動の途中で火山灰層について解説する.

 その直上にあって生痕化石がいちじるしく発達する層準についても説明する.

 大桑貝殻橋の直下へ移動し,学生たちにはここでサメの歯化石の発見を試みてもらった.

 大桑層下部に典型的な泥質砂岩がここに露出する.円礫がならぶ層準や植物化石の密集層などが挟在する.

 学生たち時間がゆるすまで露頭を掘っていたが,残念ながら化石はまったくみつからなかったようだ.

 午後3時40分に実習終了.駐車場にとめた公用車へ引き返した.

 途中にあるコンビニでまとめをやり,午後4時すぎに総合教育棟へ帰着した.

2017年7月14日:岩石学実習1

 学校教育学類の酒寄さんの担当による岩石学実習の1回目.造岩鉱物の光学的な性質を学び,岩石薄片試料の作成を行った.


2017年7月21日:岩石学実習22

 学校教育学類の酒寄さんの担当による岩石学実習の2回目.岩石薄片試料を仕上げて偏光顕微鏡での観察を行った


2017年7月28日:古生物学実習(地学学生実験室)

 今学期の地学実験の最終回は,学生実験室で貝化石のクリーニングと鑑定の実習を行った.材料になるのは学生たちが野外実習で採集した貝化石だ.


 千枚通しと歯ブラシを使って貝化石についた砂をていねいにとりのぞく.

 破壊しつくされた砂岩から取り出された貝化石.

 貝化石のスケッチをとり,

 図鑑と照らし合わせて貝化石の鑑定をおこなう.

 午後4時に実験終了.

  • Camera: Pentax K-5II, Pentax WG-3 GPS, Pentax W60, DJI Mavic Pro and VAIO Phone Biz
  • Lens: SMC Pentax 4.5-18mm f.2.0-4.9